eぶらあぼ2017.7月号
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70フェスタサマーミューザKAWASAKI 2017すべてのジェネレーションが楽しめるオーケストラの祭典文:オヤマダアツシ7/22(土)~8/11(金・祝)ミューザ川崎シンフォニーホール、昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ 他問 ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200http://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/※フェスタサマーミューザの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 ミューザ川崎シンフォニーホールを中心に繰り広げられる“クラシックの夏フェス”として、首都圏のオーケストラが連日登場する破格の音楽祭として定着している『フェスタサマーミューザ』。今年もまたレギュラー出演となる各オーケストラをはじめ、初登場となるオーケストラも加わるなど、充実したラインナップになった。 今年のオープニング(7/22)はかなり強烈。ホスト・オーケストラである東響がジョナサン・ノットの指揮でストラヴィンスキーの「春の祭典」を演奏するため、オーケストラのエネルギーと豊かな音響空間を堪能できるからだ。東響は最終日(8/11)にも登場し、秋山和慶と話題沸騰のピアニストである反田恭平が出演して、ラフマニノフの大曲を演奏する。シリアスな大曲からゲーム音楽まで盛り沢山 今回初めて出演するオーケストラにも注目を。井上道義とオーケストラ・アンサンブル金沢は、交響曲と協奏曲でオーケストラの実力を披露する(7/23)。ゲルギエフ率いるPMFオーケストラは、シューベルトの交響曲などで存在感を示してくれるだろう(7/31)。また久石譲の指揮による新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラは、常にコンサートのチケットがソールドアウトになるほどの人気ぶりだ(8/4)。 各オーケストラによるラインナップには、本格派の名曲が多い。東京シティ・フィルは「四季」「水上の音楽」ほか、バロック音楽の名曲プログラム(7/25)。都響は期待の指揮者であるフルシャが、故郷の誇り高い名作「我が祖国」を(7/26)。東京フィルはチョン・ミョンフンと清水和音ががっつりと組んだ、ベートーヴェンの名曲プログラムで(7/27)。神奈川フィルが鈴木秀美を指揮台に迎えての、メンデルスゾーンやハイドンの交響曲にも注目を(8/6)。日本フィルは小林研一郎が得意の「幻想」を指揮し、猛暑を吹き飛ばしてくれるだろう(8/9)。 世代もクラシック体験の有無も関係なく、音楽を楽しめる演奏会も。N響は新妻聖子らをゲストに迎え、ミュージカルや映画音楽、ゲーム音楽の祭典を(7/29)。読響は渡辺俊幸を指揮台に、シンガーソングライターの森山良子をスペシャル・ゲストに迎え、映画音楽や森山のヒット曲を披露する(8/1)。東京ニューシティ管によるファミリーコンサートも、「ピーターと狼」ほか客席が笑顔でいっぱいになるプログラムだ(8/8)。ジャズや子ども向けの企画など楽しさいっぱい 新百合ヶ丘の昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワで行われるコンサートには、3人のソリスト(仲道郁代、岡崎慶輔、上野耕平)をゲストに迎えた神奈川フィル(7/30)、チャイコフスキーの名曲三昧である東響(8/6)と、熱気で暑さを吹き飛ばすようなプログラムが並ぶ。ミューザ川崎では、ピアニストの小川典子が子供たちに囲まれながら演奏する名物コンサート(8/5)、ピアノとパイプオルガンによるアドリブ合戦が人気の「サマーナイト・ジャズ」(7/28)、話題のオルガニストとアンサンブルによるバロック音楽プログラム(8/5)、音楽祭ではおなじみである洗足学園音楽大学(7/30)および昭和音楽大学(8/10)のコンサート、未来を担うかわさきジュニアオーケストラ(8/3)など、とにかくバラエティ豊かな内容なのだ。 まずは会場へ足を運び、気になるコンサートから。この夏、冒険して知らない曲や音楽家に出会うのもいい。東京交響楽団 ©青柳 聡ジョナサン・ノット ©青柳 聡

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