eぶらあぼ2017.7月号
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208結成24年、わが国では稀有な常設の弦楽四重奏団として活躍する「クァルテット・エクセルシオ」。その定期公演では、ベートーヴェンを軸に、“王道”のレパートリーをじっくりと聴かせている。今回も、ベートーヴェンの第2番にシューベルトの第11番、ブラームスの第2番と弦楽四重奏曲の佳品を揃えて。昨年7月のドイツ公演で「繊細優美な金銀細工のよう」と絶賛された、精緻なアンサンブルで聴く者を魅了する。府中の森芸術劇場で、最高のオーケストラ・サウンドを楽しむ好評シリーズ。101回目のステージには、名匠・広上淳一率いる日本フィルハーモニー交響楽団が登場。天才モーツァルトの交響曲のうち、最後の第41番「ジュピター」の天上の調べと、覇気に溢れた中期の第32番を。さらに、第13回チャイコフスキー国際コンクールの覇者、神尾真由子をソリストに迎えて、ブラームスのヴァイオリン協奏曲を披露する。音楽監督として東京ヴィヴァルディ合奏団を率いるチェロの渡部宏が、ピアノの盟友ティモシー・ボザースと続けているリサイタル・シリーズ。14回目は、バッハの末息子ヨハン・クリスティアンの協奏曲(カサドシュ編)、シューマン「民謡風5つの小品」、バッハのコラール(コダーイ編)など佳品の花束を。そして、元フジテレビアナウンサーの露木茂が2人の音楽を交え、宮沢賢治『水仙月の四日』を朗読する。矢島愛子は桐朋学園大学からハノーファー演劇音楽メディア大学・同大学院に学び、エリーザベト王妃国際コンクールでセミファイナリストとなるなど、登竜門での実績も重ねた実力派ピアニスト。オール・ロシア作品のCD発売記念リサイタルは、収録曲でもあるプロコフィエフの「バレエ『ロメオとジュリエット』からの10の小品」を。さらに、ラヴェル「ラ・ヴァルス」やハイドン、フランクと多彩な響きの世界へと誘う。ソリストだけでなく、声楽の伴奏や室内楽奏者としても、卓越した能力を発揮しているピアニストの石橋史生。北海道教育大学から東京芸術大学大学院やミュンヘン国立音大学に学び、ドイツの現場で音楽教育に携わった経験も。今回のリサイタルは、バッハ「パルティータ第2番」とブラームス「6つのピアノ曲」を大枠に。スクリャービンとラフマニノフの前奏曲集からの抜粋やショパン「幻想ポロネーズ」を挟み込む。長野県の西部に位置する木曽町は、40年以上にわたり、毎年8月に町民が協力しての「木曽音楽祭」が開かれるなど、文化の薫りが漂う街。ここへ今年7月、ホールや図書館を擁した待望の施設「木曽町文化交流センター」が開館する。オープン記念のステージには、日本を代表するピアノの名手で、音楽祭の常連でもある野島稔が登場。得意のベートーヴェンのソナタから、第19、11、13、32番の4曲を響かせる。月の7広上淳一(指揮)神尾真由子(ヴァイオリン) 日本フィルハーモニー交響楽団 どりーむコンサート Vol.101エローラのゴーシュ渡部 宏 チェロ・リサイタル Vol.14野島 稔(ピアノ)ベートーヴェン・プログラムクァルテット・エクセルシオ第32回東京定期石橋史生(ピアノ)矢島愛子(ピアノ)7/2(日)14:00 府中の森芸術劇場 どりーむホール7/9(日)14:00 田園ホール・エローラ7/8(土)16:00 木曽町文化交流センター7/8(土)14:00 東京文化会館(小)7/17(月・祝)14:00 東京文化会館(小)7/9(日)14:00 ヤマハホール文:笹田和人神尾真由子 ©Shion Isaka広上淳一露木 茂渡部 宏 ©岡本洋子 ©Chiristian Steiner

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