201706
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182CDCDCDCDシベリウス:交響曲第2番、交響詩「フィンランディア」/佐渡 裕&トーンキュンストラー管マーラー:交響曲第4番/山田一雄&神奈川フィル交響組曲 シェエラザード/ザンデルリンク&東京佼成ウインドJ.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番~第3番/工藤重典シベリウス:交響曲第2番、交響詩「フィンランディア」佐渡 裕(指揮)トーンキュンストラー管弦楽団モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調K.136/マーラー:交響曲第4番/ブラームス:ハンガリー舞曲第1番山田一雄(指揮)神奈川フィルハーモニー管弦楽団大倉由紀枝(ソプラノ)ボロディン:歌劇《イーゴリ公》より「ダッタン人の踊り」/リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」/チャイコフスキー:劇付随音楽「雪娘」より「道化師の踊り」トーマス・ザンデルリンク(指揮)東京佼成ウインドオーケストラJ.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲(フルート編曲版)第1番~第3番工藤重典(フルート)収録:2016.10/15-17、ウィーン(ライヴ) 他エイベックス・クラシックスAVCL-25929 ¥2000+税収録:1986.4/22、神奈川県立音楽堂(ライヴ)ナミ・レコードWWCC-7836 ¥2000+税収録:2015.12/5、東京芸術劇場 コンサートホール(ライヴ)ポニー キャニオンPCCL-50015 ¥2500+税マイスター・ミュージックMM-4006 ¥3000+税トーンキュンストラー管はとても素晴らしいオケだ。響きが上品でまろやか。このシベリウスでもそれが十二分に発揮されている。交響曲での冒頭の主題で管から弦に移る時の爽やかさ、短い歌での繊細な表情づけ、雄大なクレッシェンドなど、全く見事。緩徐楽章の金管の咆哮も派手さはないが巧い。スケルツォのスピード感と緊張感、トリオの対比も秀逸。終楽章への大きな高揚はやや控え目だが、その分、展開部の息の長い漸強からの主題再現が感動的だ。最後の頂点形成にも満足させられる。「フィンランディア」でも荒々しい戦闘の描写と、対照的な讃歌の拡がりと美しさが際立つ。  (横原千史)少なくとも正規盤としては初登場、山田一雄の「マラ4」。表面的な技巧の点で危ない箇所がないとは言わない。しかしこれは紛れもない名演である。柔軟なアゴーギクを駆使したその演奏は、心のこもったぬくもりのある歌いまわしと相まってさながら楽園に遊ぶかの如く。もちろん白眉は第3楽章で、あの美しくも儚げな第1主題をここまでたおやかかつ心の底から歌った演奏はなかなか聴けるものではない。対してモーツァルトでは厚みのある大編成のオケを振りながらも鈍重さのない軽やかな演奏を披露。しかしここでも一番の聴き所はアンダンテということになろう。必聴の1枚。   (藤原 聡)ポニー キャニオンでシリーズ化している佼成ウインドの定期演奏会ライヴ録音の第4弾。同楽団の首席客演指揮者トーマス・ザンデルリンク(巨匠クルトの長男)によるロシア音楽集である。本作で終始感心させられるのが、絶妙なアゴーギクに拠る自然な歌いまわし。曲全体の抑揚を的確に描きながら、各フレーズをのびやかに表現していく筆さばきが光る。メインの「シェエラザード」は、ヴァイオリン独奏を複数の楽器に振り分けた編曲が、管楽器─特に木管─ のコンチェルタンテの如き妙味を創出。オケとは異なる色彩感をもった“管楽器の音絵巻”は新鮮な魅力十分だ。  (柴田克彦)わが国のフルート界をリードしてきた名手・工藤重典が、四半世紀ぶりに手掛けたバッハ録音は、自身の編曲による「無伴奏チェロ組曲」。楽器の特性上、単旋律で組み立てるしかないフルートは、チェロ以上にハーモニーの“暗示”に困難を伴うが、工藤は的確なフレージングと多彩なアーティキュレーション取りに加え、ブレスや演奏空間の残響すらも音楽創りに採り込む巧みさで、別の次元へと名曲を連れ出す。さらに、20世紀アート界の鬼才ピエト・モンドリアンの作品を用いたジャケットも、不思議に共鳴。「チェリストにとっての聖典」は、フルートにより、新たな翼を授けられた。  (寺西 肇)

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