eぶらあぼ 2017.4月号
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77ラトヴィア放送合唱団世界最高峰の合唱団がやってくる!文:宮本 明第3回 レゾナンス〈鎌倉のひびき〉コンサートシリーズ2017古都で楽しむ名手たちのアンサンブル文:オヤマダアツシ5/22(月)19:00 すみだトリフォニーホール問 トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212 http://www.triphony.com/4/9(日)~4/30(日) 覚園寺、鎌倉女子大学二階堂学舎、カトリック由比ガ浜教会、鎌倉ギャラリー 他問 レゾナンス実行委員会0467-22-5131※コンサートシリーズ2017の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。http://resonance-kamakura.com/ 合唱王国ラトヴィアのトップ合唱団が初来日。ラトヴィア人にとって合唱は身近かつ大きな存在だ。1873年から5年に1度開かれている国家行事「歌と踊りの祭典」は、1990年の東欧革命でも大きな役割を果たし、バルト三国の同様の行事のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録された。言ってみれば日本の「和食」にあたるのが「合唱」というお国柄。当然水準は高い。その頂点が1940年創設の「ラトヴィア放送合唱団」だ。男女12人ずつ24人からなるプロ室内合唱団で、高度な声楽技術に裏付けされたハーモニーの純正さを保ったうえで、ときに大胆にその魂を歌い上げるようなスタイルは感動的。日本の多くの合唱ファンにも熱狂的に受け入れられるはずだ。 すみだトリフォニー公演のメインはラフマニノフの宗教合唱曲の金字塔《徹夜祷(晩祷)》。約1時間を要する大作で、しかもやや馴染みのないロシ 春の古都・鎌倉で音楽を。この街の財産ともいえる寺社などを会場としたコンサートシリーズが行われているのをご存知だろうか。「レゾナンス〈鎌倉のひびき〉」と題されたこの小さな音楽祭は、マーラー・チェンバー・オーケストラの首席オーボエ奏者として活躍する吉井瑞穂を中心に、市内出身の有志たちが立ち上げたもの。3回目となる今年は、4月に室内楽コンサートなどが行われる。 注目したいのは、鎌倉市街を抜けた奥地にあり、吉井が「街でも有数のパワースポット」と称賛する覚園寺(かくおんじ)でのコンサート(4/16)。吉井ア正教のための音楽ということもあってか、高まってきた知名度のわりに日本での演奏機会はまだ多くない。しかし、その神聖な静謐さを湛えた芳醇なハーモニーの魅力は、もっと多くの人が愛して然るべき。他にフィリップ・グラスが1982年のアメリカ映画『コヤニのオーボエ、ベルリン在住のヴィオラ奏者である赤坂智子、そしてオーケストラとの共演など多彩な活動をしている箏の片岡リサが、未知のサウンドを創造する。東京交響楽団の首席トランペット奏者を務める佐藤友紀を中心に、ソリストとして活躍する原博巳(サクソフォン)、名匠レオンハルトも絶賛した高橋博子(ハルモニウム)という、これもまた新しい響きが生まれそうなトリオによるスカッティ』(映画というよりは実験的なメッセージ映像)のために書いた音楽や、エストニアのアルヴォ・ペルトがキリスト教の信仰宣言「クレド」を歌詞に書いた「スンマ」(1977)を歌う。合唱の美しさ、凄さに理屈抜きで身を委ねてほしい。コンサート(4/29、鎌倉女子大学二階堂学舎)も刺激的だ。さらには、吉井と佐藤に加え、メゾソプラノの波多野睦美、ハープの吉野直子、ファゴットの福士マリ子が揃うコンサート(4/30、カトリック由比ガ浜教会)では、この5人による新作初演も含めたプログラムを。 レゾナンス(共鳴)という名にふさわしい、場(空間)と音楽の不思議な愉悦に惹かれる方は、ぜひ鎌倉へ。Photo:Matiss Markovskis吉野直子 ©Akira Muto吉井瑞穂片岡リサ赤坂智子佐藤友紀波多野睦美福士マリ子

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