eぶらあぼ 2017.4月号
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34コンサートホール内観音楽専用ホールには名演奏家がぞくぞくと登場 JR京葉線の新浦安駅前に4月8日にオープンする「浦安音楽ホール」は、音楽専用の〈コンサートホール〉と、移動式の客席を備えた多目的に使える〈ハーモニーホール〉の2つのホールを持つ。 〈コンサートホール〉は客席数が303席と、ほどよいキャパシティと同時に、世界的なホールにひけを取らないような音響設計がなされている。客席のどこに座っても、豊かな楽器の音が届く、そんな設計思想を持っているという。 その2017~18年のオープニング・イヤーのシリーズラインナップは、音楽専用ホールにふさわしく、内外の名演奏家を中心とした豪華なコンサートが並んだ。 まず4月14日に行われる「こけら落しコンサート」には諏訪内晶子(ヴァイオリン)が登場する。ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「春」、第6番を中心に、プロコフィエフ、ファリャの作品が並ぶ(ピアノは金子陽子)。全席指定でチケット代金は6000円。この空間のサイズ、そして演奏家のバリューから考えると、かなりリーズナブルな価格設定と言えるだろう。そして、この新しいコンサートホールで、諏訪内の演奏するストラディヴァリウス「ドルフィン」が、どのように響くのか、という点も注目されるところだ。 4月29日には「ピアノ開きコンサート」として、仲道郁代のコンサートが開催される。このホールのピアノ選定は仲道が行い、そのピアノを使ってのコンサートとなる。プログラムはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」とシューマンの「アベッグ変奏曲」「交響的練習曲」、さらにはショパンの「ポロネーズ」「ノクターン」、「12の練習曲」から「革命」と「別れの歌」、そして「バラード第1番」という、盛りだくさんなもの。こちらはチケット代金が3000円と、やはり驚くほどリーズナブルである。 その後、ほぼ各月に1~2回程度のコンサートが組まれている。5月28日には高橋悠治(作曲・ピアノ)とヴィルタス・クヮルテットによる「リズムと記憶」と題されたコンサートで、バッハからピアソラまでが取り上げられる。6月10日には吉野直子(ハープ)がバッハからフランスものまでと多彩な演目を披露、また17日には名匠ダン・タイ・ソン(ピアノ)がシューベルトやリストなどのロマン派プロを携えて登場。さらに8月26日にはデビュー10周年の外山啓介(ピアノ)のオール・ショパンが組まれている。 秋の主な公演には、ジャン=ギアン・ケラス(チェロ、10月)、白井光子(メゾソプラノ、10月)、上野耕平(サクソフォン、11月)、ピエール=ロラン・エマール(ピアノ、12月)、クァルテット・エクセルシオ(弦楽四重奏、12月)などがあり、かなり充実した内容だ。2017~18シーズンに関して言えば、主に土曜日と日曜日のコンサートがメインなので、浦安市民だけでなく、関東各地からこのコンサートホールを目指してやって来る音楽ファンも多くなることが予想される。 気が早いが、2018年には古楽アンサンブルのリクレアツィオン・ダルカディア、藤原真理、河村尚子、鈴木優人、日下紗矢子などの出演が決まっている。とくに鈴木優人によるチェンバロの「ゴルトベルク変奏曲」などは注目だ。新しいコンサートホールが首都圏に誕生する。ステージと客席とが、包み込まれるような一体感を味わえる客席数、そして音響にこだわったホールである。浦安の音楽・芸術の発信拠点を目指す浦安音楽ホールの魅力とオープニング・イヤーの内容をご紹介したい。浦安音楽ホールが2017年4月にオープン─極上のクラシック演奏でより豊かなライフスタイルを─文:片桐卓也
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