eぶらあぼ 2017.4月号
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207コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報日本のバロック演奏をリードし続け、昨年には創立55周年を迎えた精鋭集団「東京ヴィヴァルディ合奏団」。春の定期は、国際派のピアノの名手、近藤嘉宏をソリストに迎えて。ショパンの協奏曲第1番に、バーバー「弦楽のためのアダージョ」、ホルスト「セントポール組曲」を。さらに、ヴァイオリンの藤原浜雄のソロで、“隠れた名品”とも言うべき、クライスラー「ヴィヴァルディの様式による協奏曲」を聴く。フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団は1976年、立教大学交響楽団OBにより結成。「ホールも楽器」との理念から演奏空間にこだわり、海外公演にも取り組むなど、精力的かつ独創的な活動を展開する。名匠矢崎彦太郎指揮の公演は、ヴァイオリンの俊英・山根一仁のソロによるハチャトゥリアンの名協奏曲、ムソルグスキー(ラヴェル編)の組曲「展覧会の絵」、ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」を披露する。1990年にショパン国際ピアノ・コンクールで5位入賞を果たし、澄み切った音色を武器に、古典から20世紀作品まで取り組むなど、先鋭的な活動を続ける高橋多佳子。主要ソナタを中心に据えたシリーズ「名曲たちの饗宴」第3回は「舞踏と嵐」と題し、ベートーヴェン中期の傑作ソナタ「テンペスト」を核に。バッハ「パルティータ第1番」、「3つのマズルカ」などショパン、「ラ・ヴァルス」ほかラヴェルを配する。この充実の内容が、ワンコインで味わえるとは! アメリカやスペインでも高い評価を受ける、気鋭の国際派ギタリスト、益田正洋。そして、ヴァイオリンの景山誠治や都響コンマスの山本友重ら名手で構成される「アクロス弦楽四重奏団」。幸せな邂逅を果たし、テデスコ「ギター五重奏曲」やヴィヴァルディ「ギター協奏曲ニ長調」第1楽章、モンティ「チャルダーシュ」など、親しみやすい旋律の数々を奏でる。いま最も輝いているソプラノの一人、砂川涼子は武蔵野音大・同大学院からイタリア・ミラノに学んだ若手実力派。澄んだ歌声と美しい立ち姿が人気を呼び、オペラの檜舞台での活躍を重ねている。声楽を知り尽くした、ピアノの江澤隆行の共演を得てのリサイタル。プッチーニ《トスカ》から〈歌に生き、恋に生き〉やヴェルディ《オテロ》から〈柳の歌〉など、様々な“愛のかたち”を表現し尽くす。その足跡の偉大さが、実感できよう。1977年にロン=ティボー国際コンクールで第2位となり、わが国屈指のピアノの名手として活躍の一方、東京芸術大学音楽学部教授として、後進の指導に力を注いできた植田克己。教授退任を記念するステージは、植田の弾くベートーヴェンのソナタ第26番「告別」が軸に。そして、師が奏でるアリアに、30人の弟子が変奏を弾き継ぐバッハ「ゴルトベルク変奏曲」が、心を揺らす。東京ヴィヴァルディ合奏団 第116回春の定期 4月の甘き残り香砂川涼子(ソプラノ)愛歌(カンツォーネ・ダモーレ)益田正洋(ギター)大人のための500円コンサートフィルハーモニックアンサンブル管弦楽団 第62回演奏会高橋多佳子(ピアノ)名曲達の饗宴Vol.3「舞踏と嵐」大麦の会 東京芸術大学音楽学部 植田克己教授退任記念4/29(土・祝)14:00第一生命ホール4/22(土)14:00 ヤマハホール4/19(水)13:00 所沢市民文化センターミューズ アークホール4/30(日)14:00東京芸術劇場 コンサートホール4/23(日)14:00浜離宮朝日ホール4/22(土)13:30東京文化会館(小)東京ヴィヴァルディ合奏団近藤嘉宏 ©Akira Muto矢崎彦太郎山根一仁

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