eぶらあぼ 2017.4月号
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206耳だけでなく、目にも嬉しいステージになりそう。6月4日まで開催中の「全国都市緑化よこはまフェア」に合わせて、青葉区を花でいっぱいにする取り組みが「フラワーネックレス青葉2017」。このステージでは、ヴァイオリンの奥村愛とピアノの山本貴志という清冽なデュオが奏でるベートーヴェンのソナタ第5番「春」などの名曲を。華道家の假屋崎省吾も加わり、自然をめぐっての楽しいトークも行われる。大阪交響楽団や浜松フィルのコンマスを務め、ソリストとしても精力的な活動を展開する、ヴァイオリンの森下幸路。10年1クールのリサイタル・シリーズ2巡目の完結は、ピアノの川畑陽子と共に。ベートーヴェンのソナタ第10番を核に、シューマンのソナタ第1番とクララの「3つのロマンス」、フォーレのソナタ第2番と「子守歌」、コルンゴルトの「空騒ぎ」から「4つの小品」、「雪だるま」から「セレナーデ」を弾く。1年半に及ぶ改修を終えた、埼玉会館のリニューアル・オープン記念シリーズの初回。人気ヴァイオリニストの大谷康子が、東京交響楽団室内合奏団と共演、美しき調べを綴る。エルガー「愛の挨拶」やクライスラー「美しきロスマリン」「愛の喜び」をはじめ、誰もが一度は聴いた経験のある、選りすぐりの名旋律を披露。21年にわたって東響コンマスを務めた大谷だけに、絶妙のアンサンブルが期待できよう。木琴の復興と普及に力を注ぐのが、通崎睦美。戦前から国際的な名声を誇った巨匠・平岡養一(1907~81)の楽器を譲り受けてのステージ活動の一方、文筆の分野でも、巨匠の生涯を流麗な筆致で綴った「木琴デイズ」(講談社)が話題に。今回は、先鋭的に活動するアコーディオン奏者の大田智美を迎えて、親しみやすいクラシック名曲や昭和歌謡など平岡の愛奏曲から、現代的なタンゴや映画音楽まで、彩り豊かに披露する。80年以上にわたり、クラシックのみならずジャンルを超えた柔軟な活動を通じて、わが国の演奏史に着実な足跡を残してきた東京室内管弦楽団。室内楽的な視点から新たな作品観を切り拓くシリーズ「Chamber Music Style」の第7弾は、プリンシパル・コンダクターの橘直貴の指揮で、メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」、プロコフィエフの交響曲第1番「古典」、ラヴェル「クープランの墓」を取り上げる。豊かな美声と颯爽としたルックスで聴衆を魅了するのみならず、演出や文筆でも活躍する多才の人気バリトン、宮本益光。今回のリサイタルは、特に声楽作品が高い支持を得る人気作曲家、信長貴富の歌曲を特集。ピアノの髙田恵子との共演で、宮本自身が作詞した歌曲集「うたうたう」や、中原中也ら4人の詩による同「詩人の肖像」の全曲、特攻隊で散った若者の手記に基づく「Fragments」ほか、多面的な魅力を掘り下げる。月の4埼玉会館リニューアル・オープン記念事業大谷康子&東京交響楽団室内合奏団通崎睦美の木琴デイズアコーディオンとの出逢い森下幸路(ヴァイオリン)10年シリーズ+第20回記念假屋崎省吾×奥村 愛×山本貴志美しき音楽の庭をめぐる「花と緑のコンサート」宮本益光(バリトン)うたうたう 信長貴富歌曲集橘 直貴(指揮)&東京室内管弦楽団Chamber Music Style op.74/1(土)14:00 埼玉会館4/19(水)19:00すみだトリフォニーホール(小)4/16(日)16:00 中本誠司現代美術館、23(日)14:00 音楽空間ネイヴ、30(日)14:00 東京文化会館(小)4/9(日)17:00フィリアホール4/19(水)19:00王子ホール4/18(火)19:00東京文化会館(小)文:笹田和人 大谷康子©尾形正茂橘 直貴左から:假屋崎省吾/奥村 愛/山本貴志©Marco Borggreve通崎睦美 ©中川忠明大田智美 ©荒谷良一

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