eぶらあぼ 2017.4月号
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176■第65回「尾高賞」が決定 第65回「尾高賞」の受賞作品が、池辺晋一郎 「シンフォニーX『次の時代のために』」(2015年仙台フィルハーモニー管弦楽団委嘱)と、一柳慧「交響曲第10番̶さまざまな想い出の中に̶岩城宏之の追憶に」(16年オーケストラ・アンサンブル金沢委嘱)の2作品に決定した。 「尾高賞」は、NHK交響楽団の前身・日本交響楽団専任指揮者で作曲家でもあった故・尾高尚忠(1911-51)の功績を讃え、邦人作曲家によるすぐれたオーケストラ作品を顕彰するために設けられた作曲賞。 受賞に際し池辺は、「2013年に僕は交響曲第8番と第9番を書いたが、その後やってきたのは『9』のトラウマ。『10』を書くか死ぬか、二者択一だと思った。尾高賞をいただくのは3度目だが、今回畏敬する一柳さんの『交響曲10番』との同時受賞は、とりわけ嬉しい」と喜びを語った。 5回目の受賞となる一柳は、「『10番』はよりパーソナルで身近な音楽的内容にしたいという思いがあり、昨年が没後10年の節目の年だったことから朋友の岩城宏之さんのイメージで書くことにしました。岩城さんの思い出に触発されて書き下ろした追悼の作品です」と作品について語った。 第65回「尾高賞」の贈呈式と受賞作品の演奏は、6月9日に東京オペラシティ コンサートホールで開催される「Music Tomorrow 2017」(指揮:ローレンス・レネス)で行われる。NHK交響楽団http://www.nhkso.or.jp/■アフィニス文化財団が公演助成と 海外研修助成を発表 アフィニス文化財団による、2017年度アフィニス・オーケストラ助成、海外研修員がそれぞれ決定し、16年度の室内楽助成実績が発表された。 同財団は、1988年に日本たばこ産業株式会社(JT)により、「音楽を中心とした芸術文化の振興を図り、我が国の文化の向上発展に寄与する」ことを目的として設立され、国内プロ・オーケストラが主催する公演への助成、楽団員に対する研鑽機会の提供、国内の芸術文化活動に関する調査研究の事業を行っている。 2017年度オーケストラ助成『アフィニス エンブレム』(音楽文化の担い手としてのプロ・オーケストラが主催する、わが国ならびに各楽団が活動の重点を置いている地域にとって意義がある企画)には、8楽団8企画が、『アフィニス エチケット』(楽団としての成長、発展を目指して企画された意欲的な公演)には、20楽団26企画が選ばれた。 17年度海外研修員には、東京フィルハーモニー交響楽団のオーボエ奏者・荒川文吉と名古屋フィルハーモニー交響楽団のテューバ奏者・林裕人が選ばれた。 『アフィニス アンサンブル セレクション』室内楽助成は、16~17年開催の10公演に対して行われたことが発表された。アフィニス文化財団http://www.anis.or.jp/■日本人ダンサー2人が入賞  第45回ローザンヌ国際バレエコンクール 若手バレエダンサーの登竜門、ローザンヌ国際バレエコンクールの決勝が2月4日、スイスのローザンヌで行われ、中尾太亮(17歳、マンハイムバレエアカデミー)がスカラシップ賞3位、山元耕陽(15歳、アクリ・堀本バレエアカデミー)が同4位に入賞した。 同コンクールは、15~18歳のダンサーが対象で、上位入賞者は奨学金を得て世界の一流バレエ学校やバレエ団で学ぶことができる。今年は世界37ヵ国から338人(うち日本人は89人)が応募し、ファイナルには20人(同4人)が進出していた。ローザンヌ国際バレエコンクールhttp://www.prixdelausanne.org/■横浜ダンスコレクション 2017  コンペティション受賞者決定 横浜ダンスコレクション 2017(主催:公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)の「コンペティション」受賞者が発表され、「コンペティションⅠ」で黒須育海『FLESH CUB』が審査員賞に輝いた。また、「コンペティションⅡ 新人振付家部門」の最優秀新人賞には、下島礼紗『オムツをはいたサル』が選出された。 同コンペティションは、若手振付家の発掘・育成とコンテンポラリーダンスの普及を目指し1996年にスタートした「横浜ダンスコレクション」のメインプログラム。[コンペティションⅠ 受賞者]●審査員賞:黒須育海『FLESH CUB』●若手振付家のための在日フランス大使館賞、MASDANZA賞、シビウ国際演劇祭賞:鈴木 竜『BU』コンクールで踊る中尾太亮(左)、山元耕陽(右) Photo:Gregory Batardon

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