eぶらあぼ 2017.2月号
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60赤塚不二夫祭 これでいいのだ!!豪華出演者が繰り広げるカオティックな宴文:藤本史昭明日を担う音楽家たち 文化庁在外研修の成果新世代のきらめく才能をコンチェルトで聴く文:笹田和人3/25(土)17:00 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール問 渋谷区文化総合センター大和田ホール事務室03-3464-3252http://www.shibu-cul.jp/2/8(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 日本オーケストラ連盟03-5610-7275 http://www.orchestra.or.jp/  『天才バカボン』『おそ松くん』『もーれつア太郎』『ひみつのアッコちゃん』『レッツラゴン』などの漫画作品はいうまでもなく、舞台パフォーマンスやイベント・プロデュース、映画制作など様々な方面で衝撃的な“笑い”を提出し、今なお多くのクリエイターに影響を与え続ける赤塚不二夫。この、マルチでアナーキーな天才の人気作『天才バカボン』&『もーれつア太郎』50周年を記念し、『赤塚不二夫祭 これでいいのだ!!』が開催される。 このイベント、“祭”と銘打たれているとおり出演者の顔ぶれもプログラムも多種多彩。赤塚氏と親交の深かった高平哲郎の構成・演出のもと、嵐山光三郎、谷川俊太郎、山下洋輔、坂田明、中村誠一、ジム・オルーク、研ナオコ、南伸坊、しりあがり寿、山本晋也、五 音楽界の未来を拓く若手演奏家たちが、文化庁の新進芸術家海外研修制度による研鑽の成果を披露する『明日を担う音楽家たち』。今回は、川田修一(トランペット)、宮西純(テューバ)、大野若菜(ヴィオラ)、上村文乃(チェロ)、入江一雄(ピアノ)という5人の俊英たちが、大井剛史指揮の新日本フィルハーモニー交響楽団をバックに、瑞々しい響きを紡ぐ。 まずは、テレマンの協奏曲ニ長調に挑む川田。国立音大を経て、ドイツのカールスルーエ音大で巨匠ラインホルト・フリードリッヒの薫陶を受け、複数の精鋭アンサンブルで活躍している。木田智央、ワハハ本舗(以上ごく一部)等々の面々が登場して繰り広げる、演奏、朗読、対談、ライヴコラージュ、コントなどの演し物は、バリエーションに富んだ…というよりもある意味カオティック。果たしてなにが起こるのかまったく予測不能で、これでいいのか? という気もしないでもないのだが、しかし天国にいる天才はきっと「これでいいのだ!!」といい放っているに違いない。 「ちがいを力に変える街」という基本構想のもと、新たな文化を発信し続ける渋谷区の面目躍如たる冒険的で斬新なこの祭り、老若男女問わず赤塚ワールドを堪能できること請け合いだ。 ヴォーン・ウィリアムズの協奏曲を演奏する宮西は、東京音大を卒業後、台湾国家交響楽団に入団。2014年からヴェルサイユ音楽院最高課程に学び、最優秀で修了、現在は台湾国家響で首席を務める。 東京芸大付属高在学中の11年、ブラームス国際コンクールを制して話題となった大野。翌年からドイツのベルリン国立ハンス・アイスラー音大に学び、15年からはベルリン・フィルのアカデミーに在籍。今回は、バルトークの協奏曲を弾く。 チャイコフスキー「ロココ風の主題による変奏曲」を披露する上村は、多くの登竜門で実績を重ね、桐朋学園大やドイツのハンブルク音楽演劇大を経て、現在はスイスのバーゼル音楽院で研鑽を積む。 そして、東京芸大・同大学院からロシア国立モスクワ音楽院で名手エリソ・ヴィルサラーゼに師事、ソリストとして活躍中の入江。プロコフィエフの協奏曲第1番と対峙する。赤塚不二夫 撮影:國玉照雄川田修一宮西 純大野若菜上村文乃入江一雄 ©井村重人

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