eぶらあぼ 2017.2月号
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59ミシェル・ダルベルト(ピアノ) フランスとドイツの作品で示す円熟のピアニズム文:高坂はる香プロジェクトQ 第14章 シューマン&ブラームス弦楽四重奏曲全曲演奏会若きクァルテットたちがシューマンとブラームスに挑む文:山田治生3/15(水)19:00 浜離宮朝日ホール問 パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831http://www.pacific-concert.co.jp/シューマン弦楽四重奏曲全曲演奏会 2/19(日)11:00ブラームス弦楽四重奏曲全曲演奏会 2/19(日)16:00上野学園 石橋メモリアルホール問 プロジェクトQ実行委員会(テレビマンユニオン内)03-6418-8617http://www.tvumd.com/ 12歳からパリ国立高等音楽院のヴラド・ペルルミュテールのクラスで学び、フランスものに加え、ドイツものでも高い評価をうけるミシェル・ダルベルト。円熟期を迎え、ますます深みの増した音楽を届けるフランスの名手だ。今度の来日リサイタルでは、ロマン派時代のフランスとドイツに生きた作曲家たちの作品を取り上げる。 前半ではじめに取り上げるのは、フォーレの初期、中期、後期の作品。幻想的な輝きを持つ「バラード op.19」、より深い響きを求めるような「ノクターン第7番」、そして最晩年、聴覚に異常が現れてから書かれた最後のノクターンで、作曲家の生涯を追っていく。続けて演奏するのは、フランクの「前奏曲、コラールとフーガ」。ダルベルトの 「プロジェクトQ」は、日本の若手クァルテットの育成と、それを支える聴衆を育てるために始められた。6組の若いクァルテットが半年かけて1つの作品に取り組む。これまで、のべ84組、約500人の若手演奏家がこのプロジェクトに参加した。 今年のテーマは「シューマンとブラームス」。2人の弦楽四重奏曲全6曲を、クァルテット・トイトイ、モマシー・クァルテット、ザ・ビストロ・ダブリュー、クァルテット奥志賀、クァルテット・アミティエ、クラルス弦楽四重奏団が奏でる。なかでも注目は、会田莉凡と小川響子がヴァイオリンを務めるクァルテット奥志賀だろう。 11月に行われた公開マスタークラスでは、東京クヮルテットの創設メンバーである原田幸一郎と原田禎夫が講師を務めた。二人は、「どういう音を出したいのかというイマジネーションを持って」、「まだ一人ひとり遠慮しているから、積極さがあったらもっと良くなると思うよ」などアドバイスした。今季は、そのほか、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団、今井信子、菅沼準二、ギュンター・ピヒラーらがマスタークラスの講師を担当した。 1月7日から9日のトライアル・コンサートを経て、本公演として『シューマン&ブ確かなタッチは、一つひとつの旋律をはっきり歌い上げ、フランク晩年の傑作の美点を浮き彫りにするだろう。 後半はブラームス。若き日の小品集である「4つのバラード op.10」は、フォーレのバラードとの対比の意味でも興味深い。そして、ブラームスがピアノの超絶技巧による華やかな表現を追求した「パガニーニの主題による変奏曲」第1巻、第2巻。歳を重ね、なお磨き続けられるテクニックで、スケールの大きな変奏曲の世界を見せてくれる。 ダルベルトの音楽には、内面からにじみ出るような色香が漂う。今回用意さラームス弦楽四重奏曲全曲演奏会』が2月19日に上野学園 石橋メモリアルホールで開催され、2人の弦楽四重奏曲全6れているプログラムは、彼の香り高い表現と、渋さ、華やかさのすべてが同時に味わえる内容。ピアノを聴くのにぴったりのホールで、存分に楽しみたい。曲が披露される。両巨匠の全曲演奏自体が非常に貴重な機会でもあり、若者たちの挑戦ともども聴き逃せない。 ©Caroline Doutre上段:ザ・ビストロ・ダブリュー/モマシー・クァルテット 中段:クァルテット・アミティエ/クァルテット奥志賀下段:クァルテット・トイトイ/クラルス弦楽四重奏団

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