eぶらあぼ 2017.2月号
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51三村奈々恵 マリンバ・リサイタル~マリンバ・クリスタル~2/24(金)19:00 ヤマハホール問 ヤマハ銀座ビルインフォメーション 03-3572-3171http://www.yamahaginza.com/hall/CD『マリンバ・クリスタル―祈り―』オクタヴィア・レコードOVCC-00133(SACDハイブリッド盤)¥3200+税©Yoshinori Kurosawa三村奈々恵(マリンバ)独自の選曲で人間の感情や崇高な“祈り”を表現取材・文:長井進之介Interview 三村奈々恵は、ジャンルを超えたレパートリー、卓越した技術と多彩な音色と表現によって、マリンバという楽器の可能性を飛躍的に広げた、日本を代表するマリンビストの一人。昨年末に10年ぶりとなる新譜『マリンバ・クリスタル—祈り—』を発表し、2月にはヤマハホールでリサイタルを開催する。 「いつも曲に寄り添うということに気を配って演奏していますので、マレット選びもその曲に一番合うように変えています。今回演奏するハツィスの作品のように、楽章ごとに変える場合もあり、コンサートの時にはマレットを30本くらいズラッと並べることもあります」 昨年のアルバム、また2月のリサイタルではハツィスにゴリホフ、イグナトヴィチといったマリンバ奏者以外にはなじみが薄い作曲家も並んでいる。しかしその一方で、バッハや吉松隆、さらにはキース・ジャレットの作品も演奏される。 「3歳からクラシック音楽ベースの教育を受けてきましたが、小学校の頃から毎日ラジオで、ブリティッシュ、アメリカン・ポップやユーロビートなどを聴いてきました。そんな生活でしたので、自分の中ではジャンル間の壁がないのです。今回のリサイタルのプログラムもCDの収録曲も、一見それぞれの関わりは薄いように見えますが、作品のもつ空気感は非常に近いものがあります」 その共通した空気感の根底にあるものは崇高な“祈り”だという。 「科学的なものは急速に発展し続けていますが、人間の本質や感覚、祈りといった崇高な想いなどは、縄文時代から変わっていないのではないでしょうか。吉松さんの『バードスケイプ』、イグナトヴィチの『トッカータ』、ゴリホフの『マリエル』といった作品ではそういうことを強く実感しています。曖昧だけどすごく強い感情を感じるんです」 人間の感情や祈りへの意識は、特にエルガーの「ニムロッド」(「エニグマ変奏曲」第9変奏)の演奏に表れている。追悼の場面で淡々と演奏されることが多い作品だが、三村は神への感謝や晴れ晴れとしたものを感じ、敢えてかなり遅いテンポを設定したという。 「同じ曲を聴いても、人それぞれで捉え方や感じ方は違いますよね。今回のCDやリサイタルにつけたタイトルは、自分の発する音楽がクリスタルのように輝き、様々なお客様の感覚と呼応してプリズムのように輝くことをイメージしてつけました。聴いて下さる方には、ぜひ曲が“連れて行ってくれる”世界を自由に楽しんでいただきたいと思っています」のチェリスト、ミクローシュ・ペレーニ、そして現リスト音楽院学長であるハーピスト、アンドレア・ヴィーグ。ソロ、デュオ、そしてピアノ連弾など様々な編成での演奏が愉しめるのも魅力的だ。2/15(水)19:00 札幌コンサートホール Kitara(小)問 札幌コンサートホール011-520-2000 http://www.kitara-sapporo.or.jp/第20回リスト音楽院セミナー リスト音楽院教授陣による第20回記念ガラコンサートリストの“使徒”たちが一堂に集結文:長井進之介アンドレア・ヴィーグ ©Andrea Felvegiイシュトヴァーン・ラントシュミクローシュ・ペレーニシャーンドル・ファルヴァイ 札幌コンサートホールは開館以来、シゲティやコチシュ、シフといった世界的な音楽家を輩出してきたリスト音楽院の教授陣を招いてセミナーを開催している。フランツ・リストの系譜に連なる音楽家たちが、その伝統をレッスンや演奏によって若い音楽家達に伝えてきたが、20回目という節目を迎えた今年は、教授陣による「ガラコンサート」が行われる。 バッハにシューベルト、ドビュッシーやパガニーニにコダーイといった作曲家による多彩なプログラムを演奏するのは同音楽院の4人の教授。世界各国でソリスト、教育者として活躍するシャーンドル・ファルヴァイ、膨大なレパートリーを誇り、繊細かつ大胆な演奏で評価の高いイシュトヴァーン・ラントシュ、この2人のピアニストに、カザルスに認められた才能を持ち、日本でも人気
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