eぶらあぼ 2017.2月号
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46音楽堂 ヴィルトゥオーゾ・シリーズ 19 ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト)室内楽伴奏で味わうシューベルトの歌曲文:江藤光紀スターダンサーズ・バレエ団『バランシンからフォーサイスへ 近代・現代バレエ傑作集』二大巨匠の魅力溢れるトリプル・ビル文:上野房子5/13(土)15:00 神奈川県立音楽堂問 チケットかながわ0570-015-415 http://www.kanagawa-arts.or.jp/3/25(土)18:00、3/26(日)15:00 東京芸術劇場 プレイハウス問 スターダンサーズ・バレエ団03-3401-2293 http://www.sdballet.com/ 世界的なコントラルトとして名高いだけでなく、近年は指揮での活躍も目覚ましいナタリー・シュトゥッツマンだ 1965年の創設以来、20~21世紀の振付家による秀作を果敢に取り上げ、バレエの地平を広げてきたスターダンサーズ・バレエ団が、同団らしさ満載のトリプル・ビル『バランシンからフォーサイスへ 近代・現代バレエ傑作集』を上演する。 日本のバレエ団による初演となるのは、ウィリアム・フォーサイスの『N.N. N.N.』。バレエのボキャブラリーを予想もつかない構文で組み立て、世界を驚かせた鬼才が2002年に創作した作品。4人の男達がせめぎ合い、フォーサイス御用達の作曲家トム・ウィレムスの音楽とともに斬新なリズムを刻んでいく。フォーサイス・カンパニーのメンバーだった安藤洋子と島地保武が振付指導にあたり、年々、層の厚さを増している男性団員の踊りに磨きをかける。 同団の十八番、ジョージ・バランシンのレパートリーからは二作品がお目見えする。が、5月に神奈川県立音楽堂が企画するヴィルトゥオーゾ・シリーズでは、その歌声で再登場する。 2014年の同シリーズ第12回ではフランス歌曲のエスプリを味わわせてくれたが、今回は趣を変えシューベルトの歌曲がテーマだ。しかも前回パートナー役を務めたピアノのインゲル・ゼーデルグレンに加え、四方恭子(都響ソロ・コンサートマスター)、瀧村依里(読響第2ヴァイオリン首席)、鈴木学(都響ソロ・ヴィオラ首席)に、クァルテット・エクセルシオの大友肇(チェロ)が入った弦楽四重奏が共演するという豪華バージョン。 コントラルトの渋い歌声が描き出すのは「白鳥の歌」からの3曲(「セレナーデ」「漁夫の娘」「愛の便り」)の他、「春 チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」に振り付けた『セレナーデ』は、1930年代に渡米したバランシンが、初めてアメリカで手がけた作品。古典バレエの一節のように見えても、刻々と隊形を変える群舞の躍動感と颯爽としたスピード感が、いかにもアメリカンな味わいだ。 カウボーイとそのガールフレンド達が乱舞する『ウェスタン・シンフォニー』も、正統派アメリカン・バレエ。古典バレエを模したパ・ド・ドゥあり、強気な姉御のソロありの、底抜けの楽しさを見せてくれる。 バランシンやフォーサイスを経てバレエの概念が拡大したことを、さらには同団ダンサーの演技の幅広さを実感できるだろう。©Simon Fowler『セレナーデ』より ©Takeshi Shioya〈A.I Co.,Ltd.〉『N.N.N.N.』より ©Dominik Mentzosに」「音楽に寄す」などのしっとりとした名旋律から、死の縁にある娘を甘いコラールが誘惑する「死と乙女」、情念の昇華をドラマティックに映し出す「若い尼僧」など全18曲。シューベルトのリートの魅力を余すところなく汲み尽くす選曲で、最後ははじけるような「ミューズの子」で閉じる。 多数の楽曲で構成されたリサイタルの場合、個々の作品のバラエティーだけでなく、通しで聴いた時の選曲の妙を見つけることも大いなる楽しみだが、今回はその合間に、さらに「ピアノ三重奏曲第1番」のスケルツォや「ロザムンデ」(弦楽四重奏曲第13番)のアンダンテ楽章が挟まれている。器楽が加わることで演奏会の奥行きも、そこから受ける感興も一層増すことだろう。

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