eぶらあぼ 2017.2月号
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40トリフォニーホール《ゴルトベルク変奏曲》2017セドリック・ペシャ ピアノ・リサイタル2/17(金)19:00 すみだトリフォニーホール問 トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212 http://www.triphony.com/セドリック・ペシャ(ピアノ)“リピートなし”で見えてくるゴルトベルクの核心取材・文:飯田有抄Interview すみだトリフォニーホールでは、J.S.バッハの名曲「ゴルトベルク変奏曲」のコンサートシリーズを展開している。10回目を迎える2017年は、フランスとスイスの2つの国籍を持つピアニスト、セドリック・ペシャが登場する。 02年のジーナ・バッカウアー国際ピアノ・コンクールの覇者であり、ヨーロッパはもちろん中国、北米、南米、北アフリカでツアーを行うなど、その活動は精力的だ。ペシャは一切のリピート(繰り返し)を排した「ゴルトベルク変奏曲」の演奏で知られている。アリアと30の変奏からなるこの作品は、通常はそれぞれの曲の中間と終わりでリピートし、60~80分をかけて演奏されるが、ペシャは繰り返しを避けることで、すっきりと明快な印象の作品像を提示する。当然ながら演奏時間は約40分と短くなる。 「リピート付きで演奏したことも何度かありますし、その良さもあります。ただ個人的には、リピート無しの方が好きですね。音楽が決して後ろ向きとならず、いつも前向きに発展していくため、よりダイナミックに感じられるのです」 リピート無しの演奏によるペシャのCDは、04年にリリースされ注目を浴びたが、「ステージで何度も演奏するうちに、自分の中の創造性が感じられなくなった」ことを理由に、14年まで「ゴルトベルク変奏曲」の演奏を封印した。 「その間は、『平均律クラヴィーア曲集』や『フーガの技法』など、バッハの他の傑作に取り組んでいました。そして再び『ゴルトベルク』に戻ると決めた時、新しい楽譜を買って、10年前の感情や考え、挑戦しようとしたことをすべて忘れ、一から作品と向き合いました。これは私にとって素晴らしい経験でした。そして今、この曲に対するヴィジョンは12年前から大きく変化しています。厳格な構成と自由さとを持ち合わせたこの作品は、精神性、心理ゲーム、深い感情、そしてウィットに満ちており、その解釈には感情と知性とが求められます」 このリサイタルでは、フレスコバルディ、ブラームス、ウェーベルンの変奏曲も取り上げる。 「国も時代も異なる4人の天才が、『変奏曲』という枠組みの中で、一つの素材からいかにファンタジーを広げ巨大な世界を作り上げていくのか、そこに注目していただきたいですね」 小津安二郎と溝口健二の映画のファンであり、日本人の友人も多いと語るペシャ。日本デビューとなる今回のリサイタルに大いに期待したい。4/10(月)13:30 王子ホール問 王子ホールチケットセンター 03-3567-9990 http://www.ojihall.jp/ 1/28(土)発売銀座ぶらっとコンサート #120 ステラ・トリオ Vol.1人気シリーズにフレッシュな3人組が登場文:東端哲也入江一雄伊東 裕小林壱成 王子ホールがその立地をいかし、平日の昼下がりに買い物などの“銀ぶら”途中に友達同士でふらっと立ち寄れるような気軽な公演をめざす『銀座ぶらっとコンサート』。4月に120回目を迎えるこの人気企画にフレッシュなステラ・トリオが登場。彼らは“まろ”の愛称で親しまれているNHK交響楽団のコンサートマスター、篠崎史紀が同ホールで続けている、毎回ひとりの作曲家をテーマにしたシリーズ公演『MAROワールド』から生まれた3人組。東京芸大に在学中で既に国内の名門オーケストラと共演を重ねている小林壱成(ヴァイオリン)に、現在ザルツブルク・モーツァルテウムに留学中の伊東裕(チェロ)、モスクワ音楽院研究科で巨匠エリソ・ヴィルサラーゼの薫陶を受け帰国した入江一雄(ピアノ)からなる、音楽界の輝ける星(ステラ)として期待される3人がモーツァルトとチャイコフスキーのピアノ三重奏曲に挑む。ナビゲーター役として“まろ”も登場!

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