eぶらあぼ 2017.2月号
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182日本を代表するソプラノとして、幅広く活躍する塩田美奈子と、近年はオペラのプロデュースも好評の名テノール、錦織健。2人が共に学んだ、国立音楽大学を擁する立川だからこそ、実現したオリジナル・ジョイント・コンサート。ピアノの河原忠之の共演で、プッチーニなどオペラのアリアから、フレディ・マーキュリーほかロックまで、クラシックの枠にとらわれぬ2人ならではの選曲で、名旋律を歌い尽くす。80年以上にわたって、クラシックを軸としつつ、柔軟に「求められる演奏活動」を追求、新たな感動を届け続けている東京室内管弦楽団。今回は、2007年に第2回バルトーク国際オペラ指揮者コンクールを制した、橘直貴を迎えて。ベートーヴェンとチャイコフスキー、共に“運命”のモティーフによって結び付けられた2つの個性的な「交響曲第5番」を、メンデルスゾーンの序曲「静かな海と楽しい航海」と共に愉しむ。作曲家・ピアニストとして、マルチな活躍を続ける加藤昌則によるレクチャー・コンサートの第2弾は、やはり作曲家や鍵盤楽器奏者として活躍中の鈴木優人を迎えて。クラヴィコード、ポジティフ・オルガン、チェンバロ、ピアノと、4種の鍵盤楽器がステージに“大集合”。バッハからペルトまで、個々の楽器で弾くほか、2種を組み合わせて即興演奏に挑むなど、スリリングな試みを通じて、鍵盤楽器の奥深さを知る。2010年にJ.S.バッハ国際コンクールで第2位入賞、オリジナルとモダンの楽器を弾き分け、国際舞台で活躍するヴァイオリンの佐藤俊介。俊英の“現在”を追うシリーズ最終回は、やはり国際的に評価の高いピアノの小菅優、ヒストリカル・クラリネットの名手、ロレンツォ・コッポラの共演で。ミヨーの組曲とハチャトゥリアンの三重奏曲に、ストラヴィンスキー「兵士の物語」を編曲版で聴かせる。これは要注目だ。ヴァイオリンの徳永二男と、バンドネオンの京谷弘司。タンゴ界とクラシック界、ジャンルは違えども、第一線を疾走し続けて来た2人の男が、ステージという場で対峙するのだから。幸せな出遭いを盛り立てるのは、この2つのジャンルと深く関わって来た、ピアノの淡路七穂子とベースの田辺和弘。ピアソラ「リベルタンゴ」やロドリゲス「ラ・クンパルシータ」など、魅惑と情熱の調べを紡ぐ。ホールアドバイザーの松居直美企画によるシリーズ。今回は、企画公募で選ばれた気鋭のオルガニスト、大木麻理の選曲と演奏で聴く。バッハ、フレスコバルディとバロックから、リゲティなど20世紀、さらに、松下倫士による2つの新作初演など同時代作品へ。「西洋から来たオルガン文化を、日本から独自性を持って世界へ発信できるか。その可能性を探りたい」。東京芸大・同大学院から、ドイツに学んだ大木は言う。月の2塩田美奈子(ソプラノ)&錦織 健(テノール)東京室内管弦楽団 TheファンタジーオブクラシックPart.15 佐藤俊介(ヴァイオリン)の現いま在 Vol.320世紀初頭、花ひらく三トリオ重奏徳永二男(ヴァイオリン)~魅惑のタンゴ~オルガンの未来へⅢ西洋から日本への架け橋加藤昌則&鈴木優人 デュオ ~前代未聞!? 鍵盤楽器大集合!!~2/5(日)15:00たましんRISURUホール(立川市市民会館)2/16(木)19:00紀尾井ホール2/11(土・祝)15:00彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール2/11(土・祝)14:00かめありリリオホール2/18(土)15:00ミューザ川崎シンフォニーホール2/15(水)14:00相模女子大学グリーンホール文:笹田和人橘 直貴大木麻理徳永二男 ©Hikaru Hoshi錦織 健塩田美奈子加藤昌則鈴木優人 ©Marco Borggreve小菅 優 ©Marco Borggreveロレンツォ・コッポラ佐藤俊介 ©Yat Ho Tsang

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