eぶらあぼ 2017.2月号
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154■笈田ヨシ演出《蝶々夫人》 ~全国共同制作プロジェクト 1月22日の金沢を皮切りに、全国4都市(金沢・大阪・高崎・東京)で上演される全国共同制作プロジェクト、プッチーニ:歌劇《蝶々夫人》。2016年12月13日、東京芸術劇場で、演出の笈田ヨシ、指揮のミヒャエル・バルケのほか、主要キャストが参加し会見が行われた。 この共同制作は、09年の金沢歌劇座・東京芸術劇場の共同制作《トゥーランドット》から始まった、複数のホールと複数の芸術家、各地のオーケストラが参加するプロジェクト。 今回はヨーロッパで演出家として活躍し、俳優としても多くの映画・舞台に出演する笈田ヨシによる日本でのオペラ初演出となる。題名役は中嶋彰子と小川里美のダブル・キャスト。各公演地に縁のある歌手を起用しており、オーケストラ・合唱はそれぞれ地元の団体が演奏する。1904年のイタリア・ブレシア版と1906年パリ版に基づく上演。 笈田は「いつもはヨーロッパで仕事をしていて日本で演出するのは初めてだが、いつもどおりにやるだけ。《蝶々夫人》を日本でやるということはとても意味がある。音楽を通じてお客様と語り合いたい。どんな人が見ても退屈しないものを作りたい。プッチーニが描いたエキゾチシズム、日本の風俗、異国情緒というものを、今の日本人が見ても信じられる話にして、昔日本にあった真実、日本人の心持ちを表現したい」と意気込みを語った。金沢芸術創造財団http://www.kanazawa-arts.or.jp/フェスティバルホールhttp://www.festivalhall.jp/群馬音楽センターhttp://www.takasaki-foundation.or.jp/東京芸術劇場http://www.geigeki.jp/■第5回 国際音楽祭NIPPON 5月26日から7月30日に開催される、第5回 国際音楽祭NIPPONの記者会見が2016年12月15日に都内で行われた。 13年からスタートした同音楽祭は、芸術監督の諏訪内晶子が「音楽を届けるべきところに継続的な支援をしたい」という想いから始めたもの。「トップ・クオリティ」「イントロダクション・エデュケーション」「コラボレーション with アート」「チャリティ・ハート」を4つの柱として掲げ、今回は東京・名古屋・岩手県久慈の3ヵ所で開催される。 諏訪内は「若い演奏家たちが演奏するということは未来を向くということ。音楽で伝える喜びを子どもたちに感じてもらいたい」と語った。 チャイコフスキー国際コンクール優勝者3人によるコンサート(5/30名古屋,5/31東京)では、諏訪内晶子(1990年ヴァイオリン部門)、マリオ・ブルネロ(86年チェロ部門)、ボリス・ベレゾフスキー(90年ピアノ部門)がトリオで初共演する。15年振りの共演となる諏訪内とベレゾフスキーによるデュオコンサート(7/4名古屋,7/5東京)では、藤倉大「Pitter-Patter」の世界初演が行われる。 名古屋の徳川美術館講堂で行われるオープニング特別イベント(5/27)や、久慈市でのチャリティ・コンサート(7/30)、レナード・スラットキン指揮デトロイト響のオーケストラ公演(7/19)も行われるほか、諏訪内、戸田弥生、マリオ・ブルネロが講師を務めるマスタークラスも開催される。国際音楽祭NIPPONhttp://imfn.jp/左:諏訪内晶子 右:藤倉 大 Photo:M.Terashi/Tokyo MDE左より)笈田ヨシ(演出)、中嶋彰子(蝶々夫人)、ミヒャエル・バルケ(指揮)、ロレンツォ・デカーロ(ピンカートン)、サラ・マクドナルド(ケイト)、小川里美(蝶々夫人)、鳥木弥生(スズキ)、晴 雅彦(ゴロー)Photo:M.Terashi/Tokyo MDE

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