eぶらあぼ 2017.1月号
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65Noism1 近代童話劇シリーズvol.2『マッチ売りの話』+『passacaglia』人間の欲望とその先にある信仰について問いかける文:渡辺真弓クレメンス・ハーゲン(チェロ) & 河村尚子(ピアノ)世代を超えた名手が示すデュオの真髄文:笹田和人2017.1/20(金)~1/29(日)、2/17(金)~2/26(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 スタジオB2017.2/9(木)~2/12(日) 彩の国さいたま芸術劇場(小)問 りゅーとぴあチケット専用ダイヤル025-224-5521 彩の国さいたま芸術劇場0570-064-939(埼玉公演のみ) http://www.noism.jp/2017.1/9(月・祝)14:00 神奈川県立音楽堂問 チケットかながわ0570-015-415 http://www.kanagawa-arts.or.jp/他公演2017.1/8(日)兵庫県立芸術文化センター(小)(0798-68-0255) 古典バレエを大胆に読み替えた『ラ・バヤデール—幻の国』や緻密な作風の『愛と精霊の家』など次々に話題作を上演し、上昇気流に乗っている金森穣とNoism。2017年の新春も意欲的な新作初演、しかも2本立てでスタートする。第1部が『マッチ売りの話』、第2部が『passacaglia』。物語のある作品と抽象的な作品を組み合わせたのは、「2作品は無関係ではなく、互いに共鳴し合い、終演後観客の裡に深く重層的な1つの心象を生み出すことを目指す」という意図によるものだ。 『マッチ売りの話』は、昨年第1弾『箱入り娘』で開始された「近代童話劇シリーズ」の第2弾。おなじみのアンデルセン原作の童話『マッチ売りの少女』と、日本を代表する劇作家の別役実の同名の不条理劇の2作品から構想された。異なる二つの時代の物語がダンスの世界でいかに重なり合うかが、大きな 世界最高峰に位置付けられる弦楽四重奏団「ハーゲン・クァルテット」の創立メンバーとして知られる一方、ベルリン・フィルをはじめ、一線オーケストラと共演するなど、名ソリストとしても活躍するチェロのクレメンス・ハーゲン。そして、ドイツを拠点に活躍を続ける、若手屈指の実力派であるピアノの河村尚子。世代を超えた2人の名手が、選りすぐりの佳品を紡ぎ上げ、聴衆の心を包み込む。 1981年に兄姉と共に「ハーゲン・クァルテット」を結成して国際的に活動、卓越した音楽性で室内楽奏者とソリスト、両面で名演を重ねてきたクレメンス。クララ・ハスキルで優勝、ミュンヘンで第2位と難関国際コンクールで実績を残し、今や世界的に評価の高い河村との共演は、今回で3度目。「彼が導く豊かで自由なチェロの響き、考え抜かれた一方で自然な音楽の流れと構成、そしてチャーミングで純真な人間性に魅力を感じるのは、当然なこと」と河村は言う。見どころとなりそうだ。音楽は、デヴィッド・ラングの「マッチ売りの少女の受難」と梅林茂の楽曲。一方、『passacaglia』は、オーストリアの作曲家ハインリヒ・ビーバーの宗教音楽「パッサカリア」と、新潟在住の現代音楽家・福島諭のオリジナル音楽を使用する。衣裳はいずれも中嶋佑一。「二つの作品を通して、人間の欲望に満ちた現代社会と、その先にある信仰とは何かを問いかけたい」と金森。新潟、埼玉両公演 ステージは、20世紀のチェロ・ソナタを代表する、ラフマニノフの傑作がメインに。ロマンティシズムと情熱を湛えたチェロを、ピアノが精緻かつダイナミックに下支えする大作を、どう魅力的に響かせてくれるのか。さらに、ベートーヴェとも、舞台の息づかいが伝わる小空間を会場に選んだことからも、今回の作品にかける特別な思いが伝わってくる。ンのチェロ・ソナタ全5曲中で、とりわけ深い抒情性に満ちた第2番と、異なる光を放つ宝石が納められた小箱のようなシューマン「5つの民謡風の小品集」も併せて披露。河村は「お客様の反応が、今からとても楽しみです」と語る。河村尚子 ©Hirofumi Isakaクレメンス・ハーゲン ©武藤 章近代童話劇シリーズvol.1『箱入り娘』(2015年)より 撮影:篠山紀信
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