eぶらあぼ 2017.1月号
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178本場ウィーンでも活躍、圧倒的な表現と艶やかな舞台姿で聴衆を魅了する、名ソプラノの佐々木典子。そして、耳を奪う美声とハイCの輝く高音で、「日本のパヴァロッティ」と称えられるテノールの大澤一彰。檜舞台で活躍する、2人のデュオリサイタル。ピアノの仲田淳也を交え、ヴェルディやワーグナー、プッチーニ、グノーと歌劇のアリアから、「ウィーンわが町」など各国で愛される名旋律までを歌い尽くす。広島交響楽団第1コンサートマスターを務め、ソリストや室内楽奏者としても活躍する佐久間聡一。10代から演奏活動を開始、2012年から巨匠ウルフ・シュナイダーの下で研鑽を積んだ。1734年製フランチェスコ・ストラディヴァリウスを駆り、ピアノの高井羅人と共演するリサイタル。現代ウクライナのシルヴェストロフ「追伸」、ブラームスの第3番、コレッリ(op.5-1)と3つのソナタに、シューベルト幻想曲ハ長調を配して。新春の東京タワーを舞台に、邦楽から現代音楽、文学、美や味など、様々な日本の文化を五感で体験できる2日間。メイン会場での初日のコンサートでは、箏・歌・語りの下野戸亜弓による「宮澤賢治の世界」や、マリンバの魅力を余さず表現する「髙橋治子の音楽」など、魅力あるアーティストが続々と登場。2日目にも、下野戸らによる古典や現代作品の世界初演、邦楽器の体験など、多彩な催しが用意されている。2005年にピアノの研鑽のために参加したポーランドでのマスタークラスで出会い、互いの卓越した能力を知った田中正也と佐藤卓史。5年後、「性格も音楽的な個性も、真逆」という2人がデュオ活動をスタート、丁々発止のやり取りで、聴衆をたちまち虜に。今回は、アルチュニアン&ババジャニアンの「アルメニア狂詩曲」、ラヴェル「ラ・ヴァルス」、デュティユー「響きの形」ほか20世紀のデュオ作品を披露する。フルート界の第一人者である工藤重典と、ギター界を牽引する福田進一という豪華な顔合わせによるデュオ。「フルート+ギター」の組み合わせは、特に19世紀には人気が高かった。今回は、ジュリアーニ「協奏的大二重奏曲」など、この編成のためのオリジナルから、モーツァルトのオペラを題材とした編曲まで多彩に。ピアソラは、それぞれがソロで1曲ずつ披露した後、デュオで「タンゴの歴史」を取り上げる。ダイナミックかつ繊細なピアニズムで、聴く者を魅了する佐野隆哉。東京芸大・同大学院からパリのスコラ・カントルムとパリ国立高等音楽院に学び、国内外の登竜門で実績を重ねた。リサイタルは、「ソノリテの変革者たち」と題して。ショパン「24の前奏曲」とラヴェル「夜のガスパール」にラモーの2つの曲集からの5曲、プーランクを配して。パリを舞台に育まれた、時代を超えた多彩な響きを紡ぐ。月の1佐々木典子(ソプラノ)&大澤一彰(テノール)デュオ工藤重典(フルート) & 福田進一(ギター) デュオ佐久間聡一(ヴァイオリン)佐野隆哉(ピアノ)ウルトラ・ピアノデュオ 田中正也×佐藤卓史「宙で生まれる響きのスペクタクル」東京タワー 文化フェスティバル20171/9(月・祝)14:00 東京文化会館(小)1/20(金)19:00 ヤマハホール1/13(金)19:00兵庫県立芸術文化センター(小)1/13(金)19:00東京文化会館(小)1/21(土)18:00 あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール 1/26(木)19:00 東京文化会館(小)1/14(土)、1/15(日)東京タワーホール 他文:笹田和人大澤一彰佐々木典子高井羅人佐久間聡一下野戸亜弓髙橋治子田中正也 ©Kazuya Akashi佐藤卓史工藤重典福田進一

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