eぶらあぼ 2017.1月号
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152CDCDCDCDブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」/佐渡 裕&トーンキュンストラー管アメリカの風/シズオ・Z・クワハラ&佼成ウインドエレジー~世界のギター音楽集~/鈴木 豊テレマン:12のファンタジー フルート無伴奏曲集/工藤重典ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(1878/80年稿)佐渡 裕(指揮)トーンキュンストラー管弦楽団ベネット:古いアメリカ舞曲による組曲/ホルジンガー:「春になって、王達が戦いに出るに及んで」/ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー/ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 他シズオ・Z・クワハラ(指揮)ステュワート・グッドイヤー(ピアノ)東京佼成ウインドオーケストラD.スカルラッティ:ソナタK.11・K.322・K.149/デュアート:イギリス組曲/サティ:グノシェンヌ第1番/カルレバーロ:アイレス・デ・ビダリータ/寺島弘樹:ほたる/プホール:あるタンゴ弾きの死に寄せるエレジー/愛のロマンス 他鈴木 豊(ギター)C.P.E.バッハ:無伴奏フルート・ソナタ/ジョリヴェ:5つの呪文/テレマン:無伴奏フルートのための12のファンタジー/マラン・マレ:スペインのフォリアによる25の変奏曲/ベリオ:セクエンツァⅠ/福島和夫:冥(めい) 他工藤重典(フルート)収録:2016.1-2、ウィーン(ライヴ)エイベックス・クラシックスAVCL-25912 ¥2000+税収録:2014.11/22、東京芸術劇場(ライヴ)ポニーキャニオンPCCL-50014 ¥2500+税コジマ録音ALCD-7206 ¥2800+税マイスター・ミュージックMM-3093-94(2枚組) ¥3900+税佐渡がウィーンのトーンキュンストラー管の音楽監督となって1年ちょっと経った。オーストリアの楽団にとってブルックナーは命とも言うべき演目だが、この「ロマンティック」からは佐渡が早くもオーケストラを掌握している様子が伝わってくる。金管のファンファーレは豊満なサウンドで空間を満たし、スケルツォでホルンが素朴な角笛を聴かせた後に現れる弦もジューシーで、クライマックスのバランスもよい。ブルックナー演奏の難しさであるシークエンスの接続もしなやかで、スムースに解決されている。現代的に洗練されたパフォーマンスで、現地の聴衆がブラヴォーを叫んでいるのも納得だ。(江藤光紀)日本に生まれ、10歳からアメリカに暮らすシズオ・Z・クワハラが、佼成ウインドを初めて指揮した定期のライヴ録音。自身ゆかりの“アメリカ・プロ”だが、「同国作曲界育ての親」と位置付けるヒンデミットを含めた選曲が通常とは一線を画している。それに即して表現も緻密で引き締まり、リズムが冴えたベネット、濃密でハイセンスのガーシュウィンなど、“爽やかな熱気”を湛えた充足感の高い演奏が続く。中でもドラマティックなホルジンガー作品はインパクト大。グッドイヤーのピアノの語り口の巧さも光る。吹奏楽ファン以外も聴いて欲しい好ディスクだ。(柴田克彦)美しい音色と折り目正しい技巧、そして、余韻を生かした絶妙の間合い。本場スペインに学び、第一線で活躍するギター界の先駆者・鈴木豊が、音楽による世界旅行へ誘う。まずは、気品あるスカルラッティで、ヨーロッパへと到着。デュアートのウィットと、サティのエスプリを味わう。そして、後半に置かれた、南米の現代作品が孕む、情熱と哀愁。フランスで活動を続ける寺島弘樹が、鈴木の音色に郷愁を託した「ほたる」も胸に染みる。そして、最後にそっと置かれた、映画『禁じられた遊び』のテーマとして知られる「愛のロマンス」。聴く者の心に、さざ波を立てる。さあ、もう家へ帰ろうか。(寺西 肇)金色の笛は、さながら時空を超える魔法の杖だ。日本を代表するフルートの名手・工藤重典が、1994年に発表した2枚の無伴奏アルバム。ロングセラーを続けてきた名盤がリマスターの上、セットの形で再発売された。前後半がそれぞれ分かれて収録されていたテレマン「12のファンタジー」が、今回は全曲として中軸に。モダン・フルートならではの伸びやかなフレージングによって、元々はヴィオール曲のマレと共に翼を得て、バロックの枠組みから解き放たれる。そして、ソフィスティケートされたエマヌエル・バッハや立体的なベリオなど、多彩かつ個性的な作品群と激しく共鳴していく。(寺西 肇)

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