eぶらあぼ 2016.12月号
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59第10回 トッパン チャリティーコンサートTSUKEMEN(インストゥルメンタル・ユニット)ライヴ・エンターテインメントで社会貢献文:東端哲也アンサンブル・レゾナンツ with イエルーン・ベルワルツ(トランペット)体験したことのない響きの世界へ文:寺西 肇2017.3/1(水)、3/2(木)各日19:00 トッパンホール問 トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 http://www.toppan.co.jp/12/15(木)19:00 東京文化会館(小) 問 オカムラ&カンパニー03-6804-749012/16(金)19:00 愛知県芸術劇場 コンサートホール問 愛知県芸術劇場052-971-5609http://okamura-co.com/ 活版印刷技術と楽譜との深い関わりをふまえ、近年はクラシック音楽を軸とした社会文化への貢献事業にも熱心な凸版印刷。2008年に始まった、主にアジアの途上国における識字教育支援を目的とした『トッパン チャリティーコンサート』もそのひとつであり、前回(2016年3月)も200万円以上をユネスコ・アジア文化センター(ACCU)に寄附する実績をあげ、その資金は、ACCUがカンボジアで実施している「SMILE Asia プロジェクト(母子保健をテーマにした識字教育事業)」に活用される予定になっている。 素晴らしい音響を誇るトッパンホールを会場としたチャリティーコンサートは、クラシック・コンサートとしても本格的。それは、前回の仲道郁代(ピアノ)と吉田恭子(ヴァイオリン)、前々回の小菅優(ピアノ)と林美智子(メゾソプラノ)ら実力派がずらりと並んだ過去の出演者からも明らかだ。 ドイツ、いや全ヨーロッパから先鋭的な芸術家が集まるハンブルクにあって、“最も独創的な演奏集団”と評されるのが、「アンサンブル・レゾナンツ」。そのグループ名の通り、過去と現在の作品を互いに共鳴(レゾナンツ)させ、時にコンサートホールも飛び出し、独創的な音楽空間を形創る。初来日のステージでは、やはり時代やジャンルを超越するトランペットの鬼才イエルーン・ベルワルツと共演。体験したことのない響きの世界へ、聴衆を誘う。 「アンサンブル・レゾナンツ」は、1994年に創設。時代を融合させた革新的なプログラミングと瑞々しい演奏で、伝統と現代の音楽との溝を埋めるべく、精力的に活動を続けている。自主団体として“アーティスト・イン・レジデンス”を迎える運営形態を取り、これまでにチェロのジャン=ギアン・ケラスらが務めた。今回、共演を果たすベルワルツは、NDRエルプ・フィル(北ドイツ放送響 来年3月開催の記念すべき第10回には、TAIRIKUとKENTA(共にヴァイオリン)、SUGURU(ピアノ)の3人からなる俊英ユニット、TSUKEMENが登場。楽器本来が持つ「生音」ライヴにこだわり、国内で年間100本に迫る公演を実施して人気を集めているほか、ドイツではシュトゥットガルト室内管弦楽団と共から今年7月に改称)首席奏者も務めた実力者で、バロックから現代、ジャズまでを吹きこなす。 今回のステージは、ドミトリー・シトコヴェツキーによる弦楽合奏への編曲版を基に、構成し直したバッハ「ゴルトベルク変奏曲」に、ベルワルツをフィーチャーしての細川俊夫のトラン演、ウィーンでは楽友協会のステージに出演と、海外でも名だたる成功を収めている実力派。王道クラシックの名曲を始め、ジャズや映画音楽に加えてそれぞれが作曲を手掛けたオリジナルなど多彩な楽曲で、本シリーズでは初の試みとなる単独アーティストとして2公演のステージで観客を魅了する。ペット協奏曲「旅Ⅶ」を披露。さらに、俊英・瀬尾和紀をソロに迎えてのエマヌエル・バッハのフルート協奏曲(東京公演)や、リコーダーの山岡重治とオーボエの三宮正満、2人の古楽界の名手に、ベルワルツも加わってのバッハ「ブランデンブルク協奏曲第2番」(愛知公演)が組み合わされる。左より:アンサンブル・レゾナンツ ©Tobias Schult/イエルーン・ベルワルツ Photo:Peter KalloTSUKEMEN 左より:TAIRIKU、SUGURU、KENTA

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