eぶらあぼ 2016.12月号
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12/4(日)14:00 第一生命ホール問 トリトンアーツ・チケットデスク 03-3532-5702 http://www.triton-arts.net/第一生命ホール クァルテット・ウィークエンド2016-17 プラジャーク・クヮルテット深化し続ける音楽性はまさに“レジェンド”文:笹田和人山智子プラジャーク・クヮルテット 弦の国チェコの“レジェンド”を、ぜひ体感したい。「プラジャーク・クヮルテット」は1972年、プラハ音楽院の学生たちによって結成。1975年のプラハの春音楽祭で国際舞台へと一歩を踏み出し、精緻で血の通った快演で、瞬く間に第一線へと躍り出た。そして、結成40年を過ぎてなお、その音楽を深化し続けている。 今回は、ドイツで活躍するロータス・カルテットの名ヴィオリスト、山智子の共演を得ての、ブラームスの五重奏曲第2番が軸に。「彼らの演奏を初めて聴いた時の衝撃は一生忘れません。明るく眩しいエネルギーを放ち、涙が出るほど感動して、『何があっても、自分は弦楽四重奏』を続けたいと思いました。共演にあたっては、彼ら持ち前の優しいオーラで包み込んでくれるので、一緒に音楽に没頭するだけです」と山は言う。そして、数ある弦楽四重奏曲の中でも「チェコに生まれた我々には、最もアプローチが容易」とメンバーが口を揃えるドヴォルザークから、第12番「アメリカ」と第10番、ふたつの傑作を配する。2017.1/8(日)、1/9(月・祝)各日15:00 王子ホール問 王子ホールチケットセンター 03-3567-9990 http://www.ojihall.jp/王子ホール ニューイヤー・スペシャルコンサート MAROワールド Vol.30 by 篠崎“まろ”史紀 “シャトー・ド・マロへの招待状”新春をお洒落に彩る舞踏会&謝肉祭文:柴田克彦篠崎史紀 ©王子ホール 撮影:藤本史昭 極上の楽曲&演奏を親密な雰囲気で愉しむ“音楽の社交場”─それが王子ホールの『MAROワールド』。“まろ”ことN響コンサートマスター、篠崎史紀が、毎回一人の作曲家をテーマに、様々な共演者を迎えておくるこの人気シリーズは、2017年1月に30回目を迎える。その記念とニューイヤー・コンサートを兼ねた今回は、プーランクによる、劇作家ジャン・アヌイの戯曲への付随音楽「城への招待」とサン=サーンスの「動物の謝肉祭」の豪華2本立て。「城への招待」は、お城の舞踏会の人間模様を描いた物語に、プーランク一流の小粋でメロディアスな音楽が付されており、クラリネット(N響首席奏者の松本健司)三重奏による短い23曲が、お洒落に耳を楽しませる。「動物の謝肉祭」はN響等のベテラン&俊英の興味深い混成チームで賑やかに演奏されるし、田尾下哲の演出、長屋晃一の台本、宝塚の元トップ・久世星佳の語りも加わるステージはファンタジーと華やぎ満点。フランスのエスプリに溢れた“シャトー・ド・マロ”で、ひと味違った新春を満喫しよう!482017.1/28(土)18:30 水戸芸術館 エントランスホール、ACM劇場問 水戸芸術館029-227-8118 http://arttowermito.or.jp/SUGADAIRO PROJECT Vol.2『秘境/魔境』 スガダイロー×田中 泯、近藤 岳、有馬純寿多ジャンルが交錯する即興パフォーマンス文:乗越たかお田中 泯Photo:Hayato ArakiスガダイローPhoto:梅原 渉 独自の道を征きつつ不断の挑戦を続けるジャズピアニストのスガダイローが、水戸芸術館で「スガダイロー・プロジェクト」(3部作)を展開している。第1回は山下洋輔との『狂演』。変幻自在にしてスリリングな演奏の応酬が観客を魅了するだろう。第2回となる今回は、2部構成となっている。 第1部は「秘境」篇。オルガニストの近藤岳と、エレクトロニクスの有馬純寿と競演する。長い歴史に磨かれてきたパイプオルガンで独創的な挑戦を続けている近藤と、現代のテクノロジーを駆使し楽器として演奏する有馬。対照的だが、どちらも新たな音の世界の開拓者である。一筋縄ではいかぬこの二人に、スガがどう挑むのか、興味は尽きない。 そして第2部は「魔境」篇。孤高の舞踊手にして、魔と人の世界を往還するかのごとき幽寂の人、田中泯とのコラボレーションである。スガはこれまで5夜連続で違うダンサーとの即興をするなど、ダンサーとの協働は多い。大地の音を聞き魂を振るわせる田中の踊りと、どこまでも自由に翔び立っていくスガのピアノとの出会いは、胸躍るものとなるだろう。
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