eぶらあぼ 2016.12月号
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190未知の響きへの扉が、再び開かれる。モンゴルのクラシック音楽を特集するシリーズ第2弾は、民族主義とモダニズムに焦点を当てる。前回に続いて、同国で3人目となる女性プロ馬頭琴奏者のデルゲルマーと、ピアノの藤井一興の顔合わせ。モンゴル人初の交響曲を完成させた先駆者ムルドルジをはじめ、現在国際的に注目されているジャンツァンノロブらまで、西洋音楽と伝統を融合した、独特な響きの宇宙を逍遥する。微力でも社会に貢献を。そんな純粋な思いから、2009年に始まったチャリティーコンサート。東日本大震災の被災地やホームレスの支援などに協力してきた。8回目は、子供の貧困対策がテーマ。ピアノ・構成の金井信を中心に、ソプラノ高橋薫子、メゾソプラノ向野由美子、テノール樋口達哉、バリトン北川辰彦、パイプオルガン塚谷水無子という名手たちの思いを込めたクリスマスの調べが、天井高39メートルの大聖堂内に響き渡る。西洋楽器のハープと、邦楽器の笙。いずれも太古からの長い歴史を持ち、その音色が神へ捧げられたとの共通項を持つ。ハープの吉野直子と笙の宮田まゆみ、共に先鋭的で国際的な活躍を続ける名手が共演。バッハやドビュッシーといった西洋作品から、細川俊夫や斉木由美など現代まで、さらに各々のソロによる古典も交え、多彩な響きを愉しむステージ。東西の神秘の響きが出逢うとき、きっと“何か”が起こる。戸田容子は、パリを拠点にフランス内外、アメリカや日本でもリサイタル活動を行う実力派ピアニスト。武蔵野音大卒業後に渡仏、ジャック・ルヴィエら巨匠の薫陶を受け、登竜門での実績も重ねて来た。3年ぶりとなる日本でのソロ・リサイタルは、ベートーヴェンの第30番とショパンの第3番、2つの名ソナタを大枠に、ドビュッシーの「映像」第2集と、武満徹「雨の樹素描Ⅱ」を。多層的な音楽世界を表現する。日本を代表する名手たちが、自らの音楽人生を振り返り、次代への思いを伝えるシリーズの第8回に、チェロの藤原真理が登場する。ピアノの倉戸テルをパートナーに、ベートーヴェンの「《魔笛》の主題による12の変奏曲」とソナタ第1番、林光のソナタ「十月の歌」、ブルッフの「コル・ニドライ」を披露。藤原は「音量に頼りすぎることなく、一音一音に意味をこめて、ホールの後ろまで音楽を届けたい」と語る。月の12ホープウィズ クリスマスチャリティーコンサート ~癒やしへの誘い vol.8~彩の国さいたま芸術劇場シリーズ 「次代へ伝えたい名曲」第8回 藤原真理(チェロ)デルゲルマー(馬頭琴)& 藤井一興(ピアノ)モンゴルクラシックを弾く②パリ木の十字架少年合唱団戸田容子(ピアノ)フィリアホール 土曜ソワレシリーズ 第262回吉野直子(ハープ)& 宮田まゆみ(笙)祈りのハーモニーに、身を浸したい。「パリ木の十字架少年合唱団」は1907年、街から街へと音楽と祈りを伝える少年聖歌隊として設立。メンバーの少年たちは、信仰の証としての木の十字架を胸に歌い、現在はウィーンやテルツと並び、世界で最も素晴らしい少年合唱団として知られる。今回は、パイプオルガンと共演する公演もあり、フォーレ「ラシーヌ讃歌」など、故国の調べを届ける。12/6(火)19:00 東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂12/10(土)14:00彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール12/10(土)18:00JTアートホール アフィニス12/7(水)19:00 福岡シンフォニーホール、20(火)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール、22(木)13:30 横浜みなとみらいホール12/12(月)19:00すみだトリフォニーホール(小)12/10(土)17:00フィリアホール文:笹田和人 ©Atsuya Iwashita樋口達哉高橋薫子宮田まゆみ吉野直子 ©Akira Mutoデルゲルマー藤井一興

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