eぶらあぼ 2016.12月号
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1802月の見もの・聴きもの2017年2月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場◎2月1日 グノー:ロメオとジュリエット 指/P.ドミンゴ、演出/J.フリム、出/A.ガリフッリーナ、J.D.フローレス、G.ベルムデス2月2日 R.シュトラウス:サロメ 指/P.シュナイダー、演出/B.バルロク、出/H.ペコラロ、I.フェアミリオン、G.B.バークミン2月3日 プッチーニ:トスカ 指/P.ドミンゴ、演出/M.ヴァルマン、出/A.ピエチョンカ、A.アントネンコ、T.ハンプソン2月4、8、11、14日 ヴェルディ:ナブッコ 指/G.ガルシア・カルヴォ、演出/G.クレーマー、出/L.ヌッチ、M.カラハン、R.タリアヴィーニ、A.スミルノヴァ、I.ハイルロヴァ★◎2月5、9、12、15、18日 ヴェルディ:イル・トロヴァトーレ[プレミエ] 指/M.アルミリアート、演出/D.アバド、出/L.テジエ、A.ネトレプコ、R.アラーニャ2月6、10、13、16日 ヴェルディ:オテロ 指/M.アルミリアート、演出/C.ミーリッツ、出/P.ザイフェルト、C.アルヴァレス2月17、26日 ドニゼッティ:愛の妙薬 指/M.アルミリアート、演出/O.シェンク、出/O.ペレチャッコ、D.コルチャク2月23日 オペルンバル〔オペラ舞踏会〕2月28日 プッチーニ:トゥーランドット 指/P.カリニャーニ、演出/M.A.マレッリ、出/E.パンクラトヴァ、M.アルヴァレスウィーン・フォルクスオーパー[会場:無印=ウィーン・フォルクスオーパー(ウィーン)、(KS)=カジノ・アム・シュヴァルツェンベルクプラッツ(ウィーン)]2月2(19:00)、5(16:30)日 コルンゴルド:ヘリアーネの奇跡(演奏会形式)[17年1月プレミエ]2月3(19:00)、8(19:00)、16(19:00)、27(19:00)日 ロッシーニ:セビリアの理髪師演出/J.E.ケップリンガー2月4(19:00)、12(19:00)、14(19:30)、19(18:00)、24(19:30)、26(19:00)日 W.R.ハイマン:会議は踊る 演出/R.マイヤー2月6(19:00)、11(19:00)、15(19:00)、22(19:00)日 レハール:メリー・ウィドー 演出/M.A.マレッリ2月9(19:00)、13(19:00)、18(19:00)日 カールマン:サーカスの女王[16年12月プレミエ]演出/T.エンツィンガー★◎2月12(20:00)(KS)、14(20:00)(KS)、16(20:00)(KS)、19(20:00)(KS)、20(20:00)(KS)、24(20:00)(KS)、26(20:00)(KS)、27(20:00)(KS)日 M.トロヤーン:シチリアのレモン[プレミエ] 演出/M.ペルツゲン2月17(19:00)日 ヨハン・シュトラウスⅡ:こうもり演出/R.ヘルツル、新校訂演出/H.ツェドニク★◎2月21(19:00)、23(19:00)、25(19:00)、28(19:00)日 F.レッサー:努力しないで出世する方法(ミュージカル)[プレミエ(25日)]演出/M.ダヴィッズアン・デア・ウィーン劇場★◎2月17(19:00)、19(19:00)、22(19:00)、25(19:00)、27(19:00)日 W.エック:ペール・ギュント[プレミエ] 指/L.フセイン、演出/P.コンヴィチュニー、出/B.スコウフス、M.ベンクトソン、N.ペトリンスキー、演奏/ウィーン放送響◎2月28(19:00)日 J.A.ハッセ:ピラモとティスベ(演奏会形式) 指/F.ビオンディ、出/V.ジュノー、D.ランカトーレ、E.ダグアンノ、演奏/エウローパ・ガランテ ウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(S)=祝祭大劇場(ザルツブルク)、(NY)=カーネギー・ホール(ニューヨーク)]2月1(19:30)(S)、4(19:30)(S)日 Y.ネゼ=セガン(1日)/A.フィッシャー(4日)指揮 → 〔ザルツブルク・モーツァルト週間〕参照◎2月16(19:30)、25(20:00)(NY)日 F.ウェルザー=メスト指揮 ブラームス:ピアノ協奏曲第1番、シューベルト:交響曲第7番「未完成」、バルトーク:中国の不思議な役人(組曲)独/R.ブッフビンダーp◎2月18(15:30)、19(11:00)、24(20:00)(NY)日 F.ウェルザー=メスト指揮 シューベルト:魔法の竪琴〜序曲、R.シュタール:タイム・サイクリング、R.シュトラウス:英雄の生涯◎2月21(19:30)、26(14:00)(NY)日 F.ウェルザー=メスト指揮 シェーンベルク:浄められた夜(弦楽合奏版)、シューベルト:交響曲第8番「ザ・グレイト」ウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)]◎2月2(19:30)(KH)、3(19:00)(KH)日W.マーシャル指揮 ガーシュウィン:キューバ序曲、M.カミロ:ピアノ協奏曲第2番「テネリフェ」、ガーシュウィン:ポーギーとベス(交響的絵画/R.R.ベネット編曲)(2日のみ)、ラプソディ・イン・ブルー(グローフェ編曲) 独/M.カミロp2月20(19:30)(KH)、21(19:30)(KH)日E.クリヴィヌ指揮 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル〜序曲、グリーグ:ピアノ協奏曲、リムスキー=コルサコフ:シェエラザード 独/J.Y.ティボーデp2月25(19:30)(MV)、26(19:30)(MV)日P.ジョルダン指揮 ベートーヴェン:交響曲第1番、第3番「英雄」ムジークフェライン[楽友協会]大ホール[ウィーン](主要公演のみ)2月1(19:30)日 J.フィッシャーvn ベートー【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 先月号の本欄で1月にオープンするハンブルクの新ホール(Elbphilharmonie)のことを紹介したが、チケットがオープン後のほとんどの演奏会で売り切れまたは販売停止状態となっている。ご関心を持たれた方でチケットが入手できない場合はどうかご容赦願いたい。 さて今年も、毎年恒例の独OPERNWELT誌の年間最優秀賞(2015/16シーズン)が発表になった。主要なところでは、最優秀オペラハウスが久々のシュトゥットガルト歌劇場(長らく演出を支えるヴィーラー&モラビトの評価)、演出家がバリー・コスキー(ベルリン・コーミッシェ・オーパーでの多数の演出の評価)、指揮者がテオドール・クルレンツィス、男声歌手がクリスティアン・ゲルハーヘル(チューリッヒ歌劇場でのベルクのヴォツェック役が高評価)、オーケストラがキリル・ペトレンコ率いるバイエルン州立管弦楽団、合唱団がアムステルダム国立オペラ合唱団といったところだ。この賞では日本では考えられない「今年の怒り」という部門があるが、今回は「劇場の建築管理の大混乱」が挙げられた。具体的にはケルン歌劇場やベルリン州立歌劇場の改装後のオープン予定が当初の計画と大幅にずれて滅茶苦茶な状態になっているお粗末さを厳しく指摘するもの。もっともな話だ。 前置きが長くなってしまったが、2月の注目公演、オペラのプレミエ公演では、まずハンブルク州立歌劇場のベルク「ルル」。ハンブルクに移って絶好調さが伝えられるケント・ナガノの指揮で、ルル役は今や近現代オペラの第一人者バーバラ・ハンニガン、演出は一癖も二癖もあるマルターラーとくれば、これは大いに食指が動く公演。ハンブルクはこれと前後してベルリオーズ「トロイアの人々」の再演やビエイト演出の「オテロ」も並ぶ意欲満々の劇場。ドレスデン・ゼンパーオーパーの「オテロ」は、指揮のティーレマンより、むしろタイトルロールのステファン・グールドに注目。先日のウィーン国立歌劇場来日公演でも「ナクソス島のアリアドネ」で彼の歌ったバッカスが演奏会評でも大きく評価されている。また、前述したOPERNWELT誌最優秀賞で合唱部門を制したアムステルダム国立オペラで上演されるボロディン「イーゴリ公」のプレミエも、俄然注目度が高まった。 レパートリー公演では、御大ネッロ・サンティが指揮台に上るミラノ・スカラ座の「椿姫」やチューリッヒ歌劇場の「ルチア」は絶対の聴きもの。年齢的にも、いつまで元気に登壇してくれるかわからない。その他、劇場での公演というわけではないが、演出(ピーター・セラーズ)付でラトルがベルリン・フィルとともに公演を行うリゲティの「グラン・マカーブル」も要注目。ベルリオーズの「トロイアの人々」は前記ハンブルクの他にも、フランクフルト歌劇場で上演される。バイエルン州立歌劇場での「ばらの騎士」は、またペトレンコを褒めるのかと思われるのも忸怩たるものがあるが、必ずやR.シュトラウスの音楽の妙が堪能できるはずだ。現代ものではマンフレート・トロヤーンの作品がウィーン・フォルクスオーパーやチューリッヒ歌劇場で取り上げられる。 一方、オーケストラでは、チケット入手難のハンブルクの新ホールでNDRエルプ・フィルが一晩で複数公演を連日こなすなどフル稼働。ヘンゲルブロック、ウルバンスキの常任陣に加え、サロネンの客演公演も要注目。彼はフィルハーモニア管でもエマールのピアノと組んだ演奏会を行う。ウェルザー=メスト指揮のウィーン・フィルにも注目。その他、シャンゼリゼ劇場でのゲルネのシューベルト3大歌曲集ツィクルス、同じゲルネが独唱を務めるフライブルク・バロック管、パリ・フィルアルモニーでのサヴァールの演奏会、アン・デア・ウィーン劇場のビオンディ指揮の公演など注目公演はまだまだ続く。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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