eぶらあぼ 2016.12月号
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166CDCDSACDCDベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」/バッティストーニ&東京フィルスティーヴ・ライヒ:デュエット/クリスチャン・ヤルヴィ&MDRライプツィヒ放送響モーツァルト:レクイエム 弦楽四重奏版/マティアス・ストリングスMio Tesoro-宝物/河内夏美ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」安井陽子(ソプラノ)竹本節子(アルト)アンドレアス・シャーガー(テノール)萩原 潤(バリトン)東京オペラシンガーズアンドレア・バッティストーニ(指揮)東京フィルハーモニー交響楽団ライヒ:デュエット、クラッピング・ミュージック、フォー・セクションズ、ダニエル・ヴァリエーションズ、ユー・アー(ヴァリエーションズ)クリスチャン・ヤルヴィ(指揮/クラッピング)スティーヴ・ライヒ(クラッピング)MDRライプツィヒ放送交響楽団MDRライプツィヒ放送合唱団モーツァルト(リヒテンタール&齋藤真知亜編):レクイエム(弦楽四重奏版)マティアス・ストリングス【齋藤真知亜、降旗貴雄(以上ヴァイオリン)、坂口弦太郎(ヴィオラ)、宮坂拡志(チェロ)】山田耕筰:この道、赤とんぼ/トスティ:薔薇/ドナウディ:どうか吹いておくれ、限りなき麗しい絵姿/プッチーニ:《蝶々夫人》より/ヴェルディ:《椿姫》より/J.S.バッハ=グノー:アヴェ・マリア 他河内夏美(ソプラノ)松浦朋子(ピアノ)、植草ひろみ(チェロ)、グイード・カリオラ(テノール)、松本やすこ(メゾソプラノ) 他収録:2015.12/20、Bunkamuraオーチャードホール(ライヴ)日本コロムビアCOGQ-96 ¥3000+税収録:2014.5/2,5/3、ライプツィヒ(ライヴ) 他ソニーミュージックSICC-30290~1(2枚組) ¥3000+税マイスター・ミュージックMM-3090 ¥3000+税萌美レーベルKAWN-1002 ¥2800+税圧倒的なパフォーマンスを続けるコンビのCD第5弾。昨年末のライヴで賛否両論を巻き起こした、60分を切る「第九」である。帯などに書かれた通り、「メトロノームに従って容赦なく進むテンポの中に、ベートーヴェンの常軌を逸した狂気を、驚きをもって取り戻す」演奏。重い進行やタメなど聴きなれた表現が一掃された内容に、新鮮な衝撃を受けるのは間違いない。ただCDで改めて気付かされるのは、この種の演奏には稀なカンタービレの豊かさ。そこがバッティストーニの特質であり、一見過激な表現に説得力をもたらしてもいる。ともかく一聴をお勧め。 (柴田克彦)CD2に「ダニエル・ヴァリエーションズ」と「ユー・アー(ヴァリエーションズ)」のオーケストラ版世界初録音を収録。小編成の原曲と比較してもそのテクスチュアの明快さは微塵も損なわれることがなく、かつダイナミックな表出力も加わっている。ライヒ自身の優れた編曲とはいえ、クリスチャン・ヤルヴィの非常に正確かつ自然体な指揮なくしてはこの演奏の成功はなかったろう。ライヒ的に絶美なカノン「デュエット」と作曲者&ヤルヴィによる「クラッピング・ミュージック」を経て、クリアの極み的演奏を聴かせる「フォー・セクションズ」はCD1。ライナーノートも充実している。(藤原 聡)齋藤真知亜を中心としたN響メンバーによる4人が、「モツレク」の弦楽四重奏版に挑んだ。ジュスマイヤー版を基に、合唱やオーケストラなどの主要声部を編曲したリヒテンタールの四重奏版。これに齋藤自身が相当手を加えることで、「モツレク」本来の音楽構造がよりピュアに浮かび上がってきた。声部が4つに減じているのに、この充実ぶりはどうだろう。世を去った時点でモーツァルトの頭にあった音楽に一番近いかもしれない、と思わせるような必然性がここにはある。見通しのよいテクスチュア、すっきりと無駄のない運びなど、演奏も堂々とした仕上がりだ。(江藤光紀)オペラや宗教作品の檜舞台で活躍する一方、日本歌曲にも長けた実力派ソプラノの河内夏美。大切にしてきた“宝物”のようなレパートリーを、美声で歌い尽くす。まずは、ピアノの松浦朋子を伴い、山田耕筰の歌曲や、トスティ、ドナウディとイタリア歌曲を慈しむように。そして、メゾソプラノの松本やすこと共に《蝶々夫人》、イタリアから新鋭テナーのグイード・カリオラを迎えて《椿姫》のヒロインを好演。さらに、河内と松浦と共に異色の編成のトリオ「トレ・クオーリ」として活動する、チェロの植草ひろみが加わって、バッハ=グノー「アヴェ・マリア」ほか、名旋律の余韻で締め括る。(笹田和人)
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