eぶらあぼ 2016.12月号
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164CDCDCDCDラプソディー・ジャパン/村治佳織この世でいちばん優しい歌/小林沙羅J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ/エンリコ・オノフリ久石譲 presents MUSIC FUTURE 2015/久石 譲&フューチャー・オーケストラ藤井眞吾:ラプソディー・ジャパン/菅野よう子(小関佳宏編):花は咲く/村治佳織:島の記憶~五島列島にて~、一輪のスノードロップ、雨を見つける、バガモヨ~タンザニアにて~/ドメニコーニ:コユンババ/マイヤーズ:カヴァティーナ村治佳織、村治奏一(以上ギター)シューベルト、ブラームス、R.シュトラウス、モーツァルト:子守歌/カッチーニ、J.S.バッハ=グノー、マスカーニ:アヴェ・マリア/池辺晋一郎:歌、風の子守歌/ロイド=ウェバー:ピエ・イエズ/中村裕美:子守唄よ/小林沙羅:子守歌 他小林沙羅(ソプラノ)河野紘子(ピアノ)髙木慶太(チェロ)J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番・パルティータ第2番・第3番エンリコ・オノフリ(ヴァイオリン)久石 譲:エレクトリック・ヴァイオリンと室内オーケストラのための室内交響曲ライヒ:エイト・ラインズアダムズ:室内交響曲久石 譲(指揮)フューチャー・オーケストラユニバーサル ミュージックUCCD-1435 ¥2800+税日本コロムビアCOCQ-85294 ¥3000+税Anchor RecordsUZCL-1030 ¥2778+税収録:2015.9/24,9/25、よみうり大手町ホール(ライヴ)オクタヴィア・レコードOVCL-00620 ¥3000+税村治佳織の復帰第1作で、5年ぶりとなる待望の新譜。弟・奏一との共演や、彼女の自作曲など、実に豊饒な新境地が示されている。日本の名曲メドレー「ラプソディー・ジャパン」や、マイヤーズ「カヴァティーナ」では、姉の繊細な抒情性と、弟の力強い安定感とが、美しく立体的な音楽を彫琢。4つの自作曲は、詩や風景などのテーマによって作風が異なるのが巧みだ。そして、彼女が最も思い入れが深いと語る当盤のハイライトが、ドメニコーニ「コユンババ」。男女の心の機微を描いたこの佳曲を、彼女は筝のようにしっとりとした音色で、優しく緻密に歌い上げている。(渡辺謙太郎)国内外で活躍めざましい若きソプラノの2年振り2作目。自身も新たな生命を宿しながら録音に臨み、定番のドイツ系から日本の子守歌、聖母マリアへの祈りに自作のオリジナル曲まで、深い慈愛をリアルに感じさせる歌唱が感動を呼ぶ。加えて、アルバムタイトルがそのままフレーズとして登場する新川和江の詩に池辺晋一郎が情感を込めた「歌」や、中原中也の印象的な言葉がいつまでも耳に残る中村裕美(小林も所属する、詩と音楽のコラボレーション集団「VOICE SPACE」のメンバー)作品など、“母性”そのものを描いた佳曲も心にしみじみとくる。(東端哲也)鬼才のバッハは、やはり一筋縄ではいかない。一般的なバロック・ピッチよりも更に半音低いフレンチ・ピッチは近年、バッハのケーテン時代の作品への導入が盛んになっている。無伴奏の場合、弦のテンションが緩められることで響きが豊かになり、フレーズや和声の繋がりがより強固に。解釈も個性的だ。例えば「シャコンヌ」では、基となったイタリアの「チャッコーナ」へと立ち返り、舞曲である以前に、大切な人を悼む音楽だったと位置づけ。第1拍に極端な重心を置き、眠れる魂を揺さぶり起こす音楽創りで耳を奪う。直前に最弱音で奏される、葬送コラールも胸に染み入る。名演だ。(寺西 肇)久石譲のコンサート・シリーズ『MUSIC FUTURE』。2015年9月に開催されたVol.2のライヴ収録CDである。久石自身の作品「エレクトリック・ヴァイオリンと室内オーケストラのための室内交響曲」では、通常のヴァイオリンより低音域が出せる6弦の楽器で、西江辰郎がソロを務める。変拍子や跳躍進行による旋律線が印象的な作品だ。ライヒの「エイト・ラインズ」は歯切れ良い5拍子の反復の中に、抒情的なハーモニーが聴かれる。アダムズの「室内交響曲」は、混沌とした響きに洗練されたリズム感がもたらされ、見事なアンサンブルが光る。(飯田有抄)
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