eぶらあぼ 2016.11月号
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32©Andreas Herzauヘルベルト・ブロムシュテット(指揮) バンベルク交響楽団10/29(土)15:00 福岡シンフォニーホール(092-725-9112)、10/30(日)15:00 メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)(0985-28-3208)、11/1(火)18:45 愛知県芸術劇場 コンサートホール(中京テレビ事業052-957-3333)、11/2(水)、11/3(木・祝)各日19:00 サントリーホール(カジモト・イープラス0570-06-9960)、11/4(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール(03-5353-9999)、11/5(土)16:00 京都コンサートホール(075-711-3231)※プログラムは公演によって異なります。詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。 http://www.kajimotomusic.com 来日のたびに名演を重ね、いま聴衆が最も信頼を寄せるマエストロの一人、ヘルベルト・ブロムシュテットが、バンベルク交響楽団とともに同コンビとしては4年ぶりに来日する。 バンベルク響とはどのようなオーケストラなのだろうか。 「楽団のルーツはプラハにあります。かつてプラハには、プラハ・ドイツ・フィルとチェコ・フィルという2つのオーケストラが存在していました。第2次世界大戦終盤にプラハがソヴィエト軍に占領された際、プラハ・ドイツ・フィルのメンバーはドイツへと避難しました。彼らは楽団としてではなく個人として行動したのですが、その後バンベルクで奇跡的に再会し、楽団を再組織したのです。彼らはプラハから携えてきた“ボヘミア的な精神”を守ろうとしました。その特長は優れた自発性にあります。そしてその精神は確実に今でも根を張っているのです」 バンベルクは人口が約7万人という小さな町だ。 「その人口のうち7千人がバンベルク響の定期会員なのです。住民の約1割が定期会員なんて信じられないでしょう。この比率をベルリンに当てはめるとベルリン・フィルは約40万人の定期会員を集める必要があるのです」 今回のツアー・プログラムにはベートーヴェンの交響曲第5番「運命」・第6番「田園」、そしてヴァイオリン協奏曲が組み込まれている。 「ヴァイオリン協奏曲はベートーヴェンが書いた最もリリカル(叙情的)な作品であり、作品の基本的なコンセプトは“平穏な清らかさ”です。ですからこの作品は自然を表現している『田園』に近いと思います。また、3作品はベートーヴェンの創作人生の最盛期に書かれているのも選曲のポイントです」 ヴァイオリン協奏曲のソリストとして登場する諏訪内晶子とは初共演。「諏訪内さんを知る友人が彼女のことを絶賛していますので、最高の演奏になることは間違いないでしょう」 ツアーではブルックナーとシューベルトの交響曲第7番も取り上げる。 「2作の共通点はウィーンで書かれたということです。シューベルトはウィーンのコーヒーハウスで演奏されていた音楽や、農民たちの舞曲に親しんでいました。彼はそれらを自身の作曲書法に反映させたのです。ブルックナーの7番にもウィンナ・ワルツを彷彿させる要素を聴くことができます。特に3&4楽章はウィーン的な芳香を放っています」 シューベルトの第7番は「未完成」という呼称のとおり、2楽章しか残されていない。 「シューベルトはこの作品を書き始めてから6年後に亡くなっていますので、作曲中に体調を崩したのが未完の原因ではないはずです。諸説ありますが、私は7番はベートーヴェンに対するあまりに深い尊敬の念ゆえに未完成のまま残されたと考えています。ですから、シューベルトは7番の作曲を止めて、あの巨大な8番に集中したのではないのでしょうか」 ブルックナーは第7番の第2楽章の作曲中にワーグナーの訃報に接したという。 「衝撃をうけたブルックナーはワーグナーに捧げるレクイエムとして2楽章のあの感動的なコーダを書いたのです。この曲はシンプルでありながら同時に極めて複雑。1楽章は倍音列からなる音階に基づいて書かれており、このシンプルな構造を元に、壮大な音のカテドラルを築いたのです」interview ヘルベルト・ブロムシュテットHerbert Blomstedt/指揮バンベルク響は自発性に優れたオーケストラです構成・文:編集部 取材協力:KAJIMOTO

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