eぶらあぼ 2016.11月号
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2081月の見もの・聴きもの2017年1月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場1月1、4、6(マチネー公演)日 ヨハン・シュトラウス:こうもり 指/S.ゲッツェル、演出/O.シェンク、出/H.リッペルト(1日)/M.シャーデ、O.ベズスメルトナ/R.ハングラー(4日)、D.ファリー(1日)/I.トンカ1月2、5日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 指/A.コーバー、演出/A.ノーブル、出/S.ホレチェク、D.エレン、M.プランマー◎1月7、10、13日 ベッリーニ:夢遊病の女指/G.ガルシア・カルヴォ、演出/M.A.マレッリ、出/L.ピサロニ、D.ファリー、J.D.フローレス◎1月9、12、15、20日 コルンゴルト:死の都指/M.フランク、演出/W.デッカー、出/K.F.フォークト、C.ニュールンド1月11、14、18、21日 プッチーニ:西部の娘指/M.アルミリアート、演出/M.A.マレッリ、出/E.マギー、A.ドッバー1月17日 A.キルヒシュラーガーMs 共/M.マルティノーp◎1月22、25、28日 グノー:ロメオとジュリエット指/P.ドミンゴ、演出/J.フリム、出/A.ガリフッリーナ、J.D.フローレス1月23、26、29日 モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ指/A.フィッシャー、演出/J.L.マルティノーティ、出/S.キーンリサイド、I.ルング、D.レッシュマン、E.シュロット1月30日 R.シュトラウス:サロメ 指/P.シュナイダー、演出/B.バルロク、出/H.ペコラロ、I.フェアミリオン、G.B.バークミン1月31日 プッチーニ:トスカ 指/P.ドミンゴ、演出/M.ヴァルマン、出/A.ピエチョンカ、A.アントネンコ、T.ハンプソンウィーン・フォルクスオーパー1月1(19:00)日 ヨハン・シュトラウス:こうもり演出/R.ヘルツル、新校訂演出/H.ツェドニク1月2(19:00)、4(19:00)、9(19:00)、12(19:00)、19(19:00)日 カールマン:サーカスの女王[16年12月プレミエ] 演出/T.エンツィンガー1月3(19:00)、6(18:00)、11(18:30)、14(18:00)、15(16:00)日 マイ・フェア・レディ(ミュージカル) 演出/R.ヘルツル1月5(19:30)日 ベナツキー:天の扉のアクセル[16年9月プレミエ] 演出/P.ルント1月7(18:00)、10(19:00)、17(19:00)、24(19:00)日 ロッシーニ:セビリアの理髪師演出/J.E.ケップリンガー1月8(18:00)日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 演出/K.デンヒ1月13(19:00)、18(19:30)、25(19:30)日W.R.ハイマン:会議は踊る 演出/R.マイヤー1月21(18:30)、27(19:00)日 レハール:メリー・ウィドウ 演出/M.A.マレッリ★◎1月28(19:00)日 コルンゴルト:ヘリアーネの奇跡(演奏会形式)[プレミエ]アン・デア・ウィーン劇場★◎1月19(19:00)、21(19:00)、23(19:00)、26(19:00)、28(19:00)、30(19:00)日パーセル:妖精の女王[プレミエ] 指/C.ルセ、演出/M.クレマン、出/A.プロハスカ、M.C.シャピュイ、演奏/レ・タラン・リリク◎1月25(19:00)日 ヴィヴァルディ:勝利のユディータ(演奏会形式) 指/R.キング、出/M.エルンマン、M.B.キールラント、J.ドイル、演奏/ザ・キングス・コンソートウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(K)=フィルハーモニー(ケルン)、(H)=エルプフィルハーモニー(ハンブルク)、(E)=フィルハーモニー(エッセン)、(S)=祝祭大劇場(ザルツブルク)]1月1(11:15)日 G.ドゥダメル指揮(ニューイヤー・コンサート) ヨハン・シュトラウス・ファミリーの作品、他1月13(19:30)、14(15:30)、15(11:00)、22(20:00)(H)日 S.ビシュコフ指揮 ブラームス(D.グラネルト編曲):4つの厳粛な歌、マーラー:交響曲第1番「巨人」 独/J.ロイターBs◎1月21(20:00)(K)、23(20:00)(H)日 I.メッツマッハー指揮 ウェーベルン:管弦楽のための6つの小品、K.A.ハルトマン:交響曲第1番「レクイエムの試み」、ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」 独/G.ロンベルガーA◎1月24(20:00)(E)日 I.メッツマッハー指揮チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」 独/J.ベルvn◎1月28(19:30)(S)日 T.ヘンゲルブロック指揮 → 〔ザルツブルク・モーツァルト週間〕参照ウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(D)=コンツェルトハウス(ドルトムント)、(G)=シュテファニーエンザール(グラーツ)、(B)=祝祭劇場(ブレゲンツ)](主要公演のみ)◎1月1(20:00)(KH)日 K.ウルバンスキ指揮 ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」独/S.ケルメスS、M.クレバッサMs、M.シュミットT、F.ベッシュBr◎1月12(19:00)(KH)日 T.クルレンツィス指揮 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲独/P.コパチンスカヤvn◎1月13(19:30)(KH)日 T.クルレンツィス指揮 ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」◎1月15(16:00)(D)、16(19:30)(G)、17(19:30)(G)、19(19:30)(B)、22(11:00)(KH)日T.クルレンツィス指揮 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、交響曲第4番 独/P.コパ【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 1月の話題といえば、2007年の着工以来10年の時を経てやっとオープンにこぎ着けるドイツ・ハンブルクの新コンサート・ホール、エルプフィルハーモニー(Elbphilharmonie)に尽きるだろうか。当初の推定建築予算7700万ユーロが、最終的には7億8900万ユーロ(2013年当時のハンブルク市長による公表額)にも膨れあがったいわくつきの物件で、何だか今の東京都の抱える某問題とよく似ている。ホールはエルベ川北岸に位置するかつての港湾地区を再開発したハーフェンシティ(HafenCity)の埠頭倉庫上に建てられたガラス張りの現代的な建物(https://www.elbphilharmonie.de/de/)で、音響設計にはお馴染みの日本の永田音響設計が携わっている。1月11日のオープニングには、ヘンゲルブロック指揮NDRエルプフィル(旧ハンブルク北ドイツ放送響)が、曲目を発表しないサプライズ・コンサートを予定しており、ハルテロス、ジャルスキー、カウフマン、ターフェルといったビッグネーム歌手が出演するので、さぞ豪華な幕開けとなることだろう。その後もケント・ナガノ指揮のハンブルク・フィル(ハンブルク州立歌劇場管)によるJ.ヴィトマンの新作オラトリオ(13日)、ムーティ指揮シカゴ響(14/15日)、ヘンゲルブロック指揮NDRエルプフィルのメンデルスゾーン:交響曲第2番「賛歌」(15日)、内田光子のリサイタル(18日)、ウィーン・フィル公演(22/23日)、メッツマッハーとNDRエルプフィルによるシェーンベルクの「モーゼとアロン」(28日)など注目コンサートが続いてゆく。 一方、1月は例年「ザルツブルク・モーツァルト週間」の季節でもあり、現在この音楽祭のプランニングを任されているミンコフスキが、演出付のモーツァルト「レクイエム」を演奏するほか、アンドラーシュ・シフのピアノ弾き振り、ヘンゲルブロック=ウィーン・フィル、カプソンのヴァイオリン(リサイタル)やピリスのピアノ(協奏曲)など注目の演奏会が並ぶ。また1月は、ピリオド系の有名指揮者の活躍も目立つ。ルネ・ヤーコプスはベルリン州立歌劇場(シラー劇場)でパーセル「アーサー王」、ウィリアム・クリスティはチューリッヒ歌劇場でシャルパンティエの「メデ」のプレミエをそれぞれ出す。他にもアン・デア・ウィーン劇場でのルセ指揮のパーセル「妖精の女王」やキングス・コンソートによるヴィヴァルディ「勝利のユディータ」、チューリッヒ歌劇場のヘンデル「アルチーナ」(バルトリ出演)、ジュネーヴ大劇場(オペラ・デ・ナシヨン)でのカヴァッリ「ジャゾーネ」など面白そうな演目が並ぶ。 他のオペラ公演では、ラトル=ロンドン響のリゲティ「グラン・マカーブル」(セミ・ステージ形式)、英国ロイヤル・オペラのG.ベンジャミン「リトゥン・オン・スキン」といった現代ものに加え、フォークトの出演するウィーン国立歌劇場のコルンゴルト「死の都」、ハンブルク州立歌劇場のヴェルディ「オテロ」やフェニーチェ歌劇場のワーグナー「タンホイザー」(共にビエイトの新演出)、ティーレマン指揮のワーグナー「ジークフリート」(ドレスデン)、ライプツィヒ歌劇場の「ラインの黄金」と「ワルキューレ」、ミュンヘンの「こうもり」とスルンカ「南極点」(共にキリル・ペトレンコの指揮)、パリ・バスティーユ・オペラの「ローエングリン」(グートによる新演出)、リヨン国立歌劇場のオネゲル「火刑台上のジャンヌ・ダルク」(大野和士指揮)などどれも注目公演。オーケストラでは、ラトル=ベルリン・フィルによるJ.アダムズのオラトリオ、クルレンツィス=ウィーン響のショスタコーヴィチ、ケント・ナガノ=チューリッヒ・トーンハレ管のメシアンなど、これまた尖ったコンサートが数多い。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)
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