eぶらあぼ 2016.11月号
178/217

185コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL(ピアノ)が受賞した。 井上は「なぜ今なの? と疑っている。『素直にありがとうございますと、もらいなさい』と池辺晋一郎さんにいわれるんですけど…。僕は子どもの頃からいつも疑うんです。音楽をやりながら楽譜を見ながら、なぜこう書いてあるの? と。 僕はまともなことをやっているはずなのですが、口が災いのもとなのでぜんぜん“賞”をいただけないんですね。ですからうれしいです。芸術というのは全ての場所で必要だと思います。この世の中知らないことばかり。知らないことに価値がある。知らないことへの門を閉めないようにしてほしい。クラシックは面白いです」と会場の笑いを誘いながら語った。 萩原は、「この度の受賞は光栄に思っております。感謝の気持ちでいっぱいです。いままでに受賞された偉大な音楽家の皆様の名前を拝見し、身の引き締まる思いです。受賞理由で、私が以前から積極的に取り組んでいる室内楽についての言葉があり、大変励みになりました。音楽を通して心を通わせることは何にも代えがたい幸せなこと。11月の記念演奏会では、井上さんとオーケストラ・アンサンブル金沢の皆さんと共演させていただけることとなり幸せです」と述べた。 東燃ゼネラル音楽賞は、日本の音楽文化の発展・向上に大きく貢献した個人または団体を讃える目的で1971年に創設された。11月8日には紀尾井ホールで受賞記念公演が開催される。なお、同賞邦楽部門は稀音家義丸(きねや・よしまる)が、同時発表の児童文化賞は児童文学作家のあまんきみこが受賞した。東燃ゼネラルグループhttp://www.tonengeneral.co.jp■阪田知樹がフランツ・リスト国際ピア ノ・コンクールで優勝 9月2日から11日までハンガリーのブタペストで行われたフランツ・リスト国際ピアノ・コンクール(ブダペスト国際音楽コンクール)で阪田知樹が優勝した。 阪田は、1993年愛知県名古屋市生まれ。東京芸術大学附属高等学校を経て、同大学2年在学中の19歳で第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで最年少入賞。これまでにアジア国際音楽コンクール第1位、第35回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリなどを受賞している。国内外各地で演奏を重ね、室内楽奏者としても活躍し、オーケストラとの共演も多数。現在ハノーファー音楽大学に在学中。 阪田は受賞に際し、「感無量です。13歳の時にリストの作品に出会ってからというもの、リストは僕にとって常に特別な作曲家でした。僕のリスト作品の演奏が、世界的なピアニストたちの審査のもと、リストの故郷であるハンガリーで認めていただけたことは、大きな喜びです。これからも精進して音楽家として成長していきたいです」と述べた。フランツ・リスト国際ピアノ・コンクールhttp://zeneiversenyek.hu■第23回ブラームス国際コンクールで 日韓デュオが優勝 第23回ヨハネス・ブラームス国際コンクールが9月3日から11日までオーストリアのペルチャッハで行われ、室内楽部門で日本人ピアニストの油井香澄と韓国人ヴァイオリニストのパク・スーヒョンのデュオが優勝した。 同コンクールは、参加者の国籍、年齢制限が無く、演奏後すぐに審査員の点数が提示され透明性の高いコンクールとして知られており、ヨーロッパで権威あるコンクールの一つ。 油井は、東京都出身の25歳。10歳よりイギリスのパーセル音楽院に入学し、2009年に首席で卒業。ウィーン国立音楽大学を経て現在同大学院室内楽科に在学中。これまでに、04年コンツェルテウム国際ピアノコンクール第2位、05年エバンジェリア・ティジャリ国際ピアノコンクール第1位を受賞。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーで構成されたキュッヒル・クァルテットと共演するなど、ヨーロッパを中心に、ソリスト、室内楽奏者として活躍している。ヨハネス・ブラームス国際コンクールhttp://2016.brahmscompetition.org■カルテット・アマービレがミュンヘン国 際音楽コンクールで第3位 9月2日から10日まで行われた第65回ミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門で、桐朋学園大学在籍中のメンバーで2012年に結成されたカルテット・アマービレ(第1ヴァイオリン:篠原悠那、第2ヴァイオリン:北田千尋、ヴィオラ:中恵菜、チェロ:笹沼樹)が第3位左より)井上道義、萩原麻未 Photo:M.Otsuka/Tokyo MDE

元のページ 

page 178

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です