eぶらあぼ 2016.11月号
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184どの世界的ソリストを招くほか、17年4月から首席客演指揮者に就任するコルネリウス・マイスターはベートーヴェンの「田園」(17.9/16〜18)、マーラーの交響曲第3番(17.12/12)を披露する。読売日本交響楽団http://yomikyo.or.jp■ギドン・クレーメルが「高松宮殿下記念 世界文化賞」を受賞 第28回「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催:公益財団法人 日本美術協会)の受賞者が9月13日の記者会見で発表された。音楽部門では、ヴァイオリニストのギドン・クレーメルが選ばれた。同賞では初のヴァイオリニストの受賞となる。 ギドン・クレーメルは、1947年ラトヴィア生まれ。69年にパガニーニ国際コンクール、70年にチャイコフスキー国際音楽コンクールで第1位。シュニトケ、ペルトら旧ソ連の現代作曲家や、ピアソラの作品を盛んに演奏し、世界中に紹介。若手育成にも尽力し、「ロッケンハウス音楽祭」を設立、室内楽団「クレメラータ・バルティカ」を結成した。同楽団は2009年に「若手芸術家奨励制度」に選ばれている。 そのほかの部門の受賞者は、次の通り。絵画部門:シンディ・シャーマン(アメリカ)、彫刻部門:アネット・メサジェ(フランス)、建築部門:パウロ・メンデス・ダ・ホッシャ(ブラジル)、演劇・映像部門:マーティン・スコセッシ(アメリカ)。また、第20回「若手芸術家奨励制度」として、ファイブ・アーツ・センター(マレーシア)が選ばれた。 「高松宮殿下記念世界文化賞」は、日本美術協会の設立100年を記念して創設。前総裁、高松宮殿下の「世界の文化芸術の普及向上に広く寄与したい」との遺志にもとづき、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の各分野で世界的に顕著な業績をあげた芸術家に毎年授与される。高松宮殿下記念世界文化賞http://www.praemiumimperiale.org■第46回「東燃ゼネラル音楽賞」贈賞式 2016年度の東燃ゼネラル音楽賞および児童文化賞の贈賞式が9月14日に行われた。音楽賞洋楽部門本賞は井上道義(指揮)、同部門奨励賞は萩原麻未■読響が2017/18シーズンプログラムを 発表~日本初の《アッシジの聖フラン チェスコ》全曲演奏へ 読売日本交響楽団の2017/18シーズンプログラム発表記者会見が9月30日に行われた。会見には常任指揮者シルヴァン・カンブルランも出席した。 2017年は、読響創立55周年とメシアン没後25周年にあたり、その記念として、メシアンの歌劇《アッシジの聖フランチェスコ》(カンブルラン指揮、演奏会形式)の上演が発表された。日本での同演目の全曲演奏は初。サントリーホール(2017.11/19,11/26)とびわ湖ホール(11/23)で上演される。カンブルランは「このオペラはこれまで24回指揮をしており、私にとって大切な位置を占めるもの。4時間を超える長く複雑な作品だが、音楽の中に全てを感じ取らせるだけの力がある。曲が進行していくほどに、聴き手は大規模なオーケストラが語る力強さに引き込まれていく傑作」と熱く語った。 カンブルランは「定期演奏会」3回、「名曲シリーズ」2回、「マチネーシリーズ」2回、「みなとみらいホリデー名曲シリーズ」1回、「パルテノン名曲シリーズ」1回に登場し、6演目11公演を指揮。「演奏機会が少ない曲を聴いてもらえるよう心がけてきた」というマエストロは、バルトークの歌劇《青ひげ公の城》(演奏会形式)とメシアン「忘れられた捧げもの」、ドビュッシー「聖セバスティアンの殉教」交響的断章を披露する(17.4/15)ほか、現在活躍中の作曲家、イェルク・ヴィトマンのクラリネット協奏曲「エコー=フラグメンテ」(ソロは作曲家自身)をブリテン、ブルックナーとカップリングするなど(18.1/13)、独自のコンセプトを打ち出している。 また、クレーメルやフレイレ、ファウスト、カプソンな左より)飯田政之(読売日本交響楽団常任理事・事務局長)、シルヴァン・カンブルラン、山中 隆(びわ湖ホール館長) Photo:H.Yamada/Tokyo MDEギドン・クレーメル 仙台にて、2016年5月

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