eぶらあぼ 2016.10月号
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9/30(金)~10/2(日) 東京芸術劇場 プレイハウス問 東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296 http://www.geigeki.jpカミーユ・ボワテル『ヨブの話―善き人のいわれなき受難』フランス現代サーカスの異端児の“出世作”初上陸文:乗越たかおPhoto:OLIVIER CHAMBRIAL 「ダンスとサーカスのいいとこ取り」「アートと身体性のハイレベルな融合」で、いま世界的に盛り上がっているのがコンテンポラリー・サーカスだ。 ボワテルは中でも発想がぶっ飛んでいる異色の存在。2年前に来日した『リメディア』では舞台上にみっちりと並べられた大小の装置が、次から次へ極小から極大まで全てが崩れ去った。あまりに徹底的な壊れっぷり、しかしじつに綿密に計算された構成に観客は魅了された。 本作はそんなカミーユの出世作にして、長らく封印され、再演が待たれていた作品だ。 ヨブは旧約聖書に出てくる。サタンがヨブの信仰を試すために様々な苦難を与える。罪なくして罰を受ける「義人の受難」だ。聖書では最後に報われるが、現実社会ではなかなかそうもいかない。舞台上のボワテルも様々な苦難に遭遇する。理不尽な人生への怒り、あるいは虚無にすら陥りながらも人生は続いていく。必死さは滑稽さに転じ、舞台は笑いに満ちたものになる。それは愚かさではなく、愛おしさのゆえである。人生は理不尽だが愛おしい。それが笑いと共にしみじみと実感できる舞台だ。11/2(水)19:00 東京文化会館(小)問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 http://www.t-bunka.jpMusic Program TOKYO プラチナ・シリーズ 4 タチアナ・ヴァシリエヴァ(チェロ)無伴奏の傑作群とじっくり対峙する文:笹田和人©Sasha Gusov “奇跡の音響”と称される東京文化会館小ホールで、一流アーティストによる名演で贅沢な時間を過ごす『プラチナ・シリーズ』。非の打ちどころのないテクニックと魅力的な響き、そして深淵な音楽性を併せ持ち、「驚くべき天才」と絶賛されているロシア出身のチェリスト、タチアナ・ヴァシリエヴァが、今年度の同シリーズ第4弾のステージに登場する。 1994年にミュンヘンで第2位、2001年にロストロポーヴィチで第1位と難関の国際コンクールで実績を重ね、05年にはフランス音楽大賞“海外の新人”賞を受賞、国際的な評価を確固たるものに。サンクトペテルブルク・フィルやパリ管など第一線オーケストラとの共演も数多く、室内楽でもヴィオラのユーリ・バシュメットら巨匠たちと次々に共演している。 今回のステージは、無伴奏の“傑作の森”に挑む。まずは、09年に発表した録音でも、大胆で骨太な解釈が話題となった、バッハのチェロ組曲から第1番と第5番を。さらに、コダーイの名ソナタに、じっくり対峙する。11/17(木)15:00 19:30 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jpHakuju Hall 第23回 ワンダフル one アワー 小橋敦子トリオ ジャズ・ライヴヨーロピアン・ジャズの魅力を存分に堪能文:藤本史昭 一流演奏家による演奏を気軽に楽しめるコンサートとして評判のHakuju Hall『ワンダフル one アワー』。このシリーズに、小橋敦子トリオが出演する。 小橋は現在オランダのアムステルダムに居を構えるピアニスト。精力的なライヴ活動に加え、すでに数枚のCDをリリースしており、独特の湿度感と深い陰影に彩られたその音楽は、国際的にも高い評価を得ている。今回の公演は、昨年リリースしたアルバム『ルージョン』とおなじメンバー(フランス・ヴァン・デル・フーヴェンとセバスティアン・カプテイン)によるもので、3者が織りなすスポンティニアスでセンシティヴなトリオ・サウンドは、ヨーロピアン・ジャズの魅力を存分に堪能させてくれるはず。 プログラムには「スマイル」や「ソリチュード」など有名曲が並ぶが、それが彼らの手にかかるとどんなジャズになるか…。晩秋のひと時、滴り落ちるような叙情的響きに身を委ねてみてはいかが?76小橋敦子
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