eぶらあぼ 2016.10月号
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22612月の見もの・聴きもの2016年12月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場12月1日 ヴェルディ:椿姫 指/S.スカップッチ、演出/J.F.シヴァディエ、出/M.レベカ、C.カストロノーヴォ、D.ホロストフスキー12月3、6日 プッチーニ:西部の娘 指/M.フランク、演出/M.A.マレッリ、出/E.M.ヴェストブレック、T.コニエチュニー、J.クーラ★◎12月4、7、9、12、15日 ヴェルディ:ファルスタッフ[プレミエ] 指/Z.メータ、演出/D.マクヴィカー、出/マエストリ、L.テジエ、P.ファナーレ12月5、10日 ドニゼッティ:愛の妙薬 指/P.ベレフ、演出/O.シェンク、出/A.ガリフッリーナ、P.スパニョーリ、B.ターフェル12月8、11、14、17日 ヴェルディ:マクベス 指/E.ピド、演出/C.レート、出/S.キーンリサイド、M.セラフィン、J.デ・レオン12月13、16、18、21日 ブリテン:ピーター・グライムズ 指/G.ジェンキンス、演出/C.ミーリッツ、出/S.グールド、E.ファン・デン・ヘーファー、B・ムリガン12月20日 ロッシーニ:セビリアの理髪師 指/G.ガルシア・カルヴォ、演出/G.レンネルト、出/P.コルガティン、P.ルメッツ12月23、25、28日 モーツァルト:魔笛 指/A.フィッシャー、演出/M.レーゼ、P.コリエ、出/F.J.ゼリッヒ、J.デニス12月29日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 指/A.コーバー、演出/A.ノーブル、出/S.ホレチェク、D.エレン、M.プランマー12月31日 ヨハン・シュトラウス:こうもり 指/S.ゲッツェル、演出/O.シェンク、出/M.シャーデ、R.ハングラー、E.マキシモヴァウィーン・フォルクスオーパー12月1(19:00)日 モーツァルト:フィガロの結婚 演出/M.A.マレッリ12月2(18:30)日 モーツァルト:魔笛 演出/H.ローナー12月3(18:30)、8(16:00)、14(18:00)日 H.アーレン:オズの魔法使い(ミュージカル)演出/H.メイソン12月4(17:00)、11(18:30)、12(11:00)、17(18:00)、20(18:30)、23(17:00)、25(16:00)日 フンパーディンク:ヘンゼルとグレーテル 演出/K.デンヒ12月7(19:30)日 ベナツキー:白馬亭にて演出/J.E.ケップリンガー★◎12月9(19:00)、13(19:00)、19(19:00)、29(19:00)日 カールマン:サーカスの女王[プレミエ] 演出/T.エンツィンガー12月10(19:00)日 オッフェンバック:ホフマン物語[16年10月プレミエ] 演出/R.ドゥセ12月15(19:00)、27(19:30)日 ベナツキー:天の扉のアクセル[16年9月プレミエ] 演出/P.ルント12月16(18:30)、22(18:30)、26(18:00)、30(19:00)日 マイ・フェア・レディ(ミュージカル) 演出/R.ヘルツル12月31(13:30+19:00)日 ヨハン・シュトラウス:こうもり 演出/R.ヘルツル、新校訂演出/H.ツェドニクアン・デア・ウィーン劇場12月12(19:00)、14(19:00)、17(19:00)、19(19:00)、21(19:00)、28(19:00)、31(19:00)日 モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ[新校訂演出] 指/I.ボルトン、演出/K.ウォーナー、出/N.ガン/E.シュロット(28/31日)、J.アーチバルド、M.ミッタールツナー、J.ラーモア、J.レマル、M.エリクスメン、演奏/ザルツブルク・モーツァルテウム管◎12月16(19:00)日 ペルゴレージ:シリアのアドリアーノ(演奏会形式) 指/J.T.アダムス、出/F.ファジョーリ、Y.ミネンコ、R.バッソ、演奏/カペラ・クラコヴィエンシスウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(LUX)=フィルハーモニー(ルクセンブルク)、(P)=シャンゼリゼ劇場(パリ)、(K)=フィルハーモニー(ケルン)]◎12月1(19:30)、2(19:30)、5(20:00)(LUX)日 T.ソヒエフ指揮 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、チャイコフスキー:交響曲第5番 独/R.ブッフビンダーp◎12月6(19:30)(KH)日 T.ソヒエフ指揮メンデルスゾーン:フィンガルの洞窟(序曲)、グリーグ:ピアノ協奏曲、チャイコフスキー:交響曲第5番 独/R.ブッフビンダーp◎12月17(15:30)、18(11:00)、20(20:00)(P)、21(20:00)(K)日 D.バレンボイム指揮スメタナ:わが祖国(全曲)12月30(11:00)、31(19:30)日 G.ドゥダメル指揮(プレ・ニューイヤー・コンサート(30日)/ジルヴェスター・コンサート(31日)) ヨハン・シュトラウス・ファミリーの作品、他ウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(M)=フィルハーモニー[ガスタイク](ミュンヘン)](主要公演のみ)12月3(19:30)(MV)、4(19:30)(MV)日S.ドゥネーヴ指揮 G.コヌソン:Malsenitsa(マルセニツァ)、サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキー:交響曲第5番 独/J.スタンクルp◎12月9(19:00)(KH)、11(11:00)(KH)日I.メッツマッハー指揮 M.ジャレル:新作(世【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 今やヨーロッパでも「第九」の年末公演は全く珍しくなくなったが、今年は、ウルバンスキ指揮のウィーン響、ヤノフスキ指揮のベルリン放送響、ネルソンス指揮のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管あたりが面白い。特にネルソンスについては、今夏のバイロイト音楽祭でプレミエになった「パルジファル」の指揮を音楽祭の直前に降板し、指揮者が急遽ハルトムート・ヘンヒェンに代わるというインパクトのある出来事を起こしていることもあり、音楽以外でも注目を浴びている。同音楽祭を仕切るティーレマンとの確執が降板の原因との報道もあるが、もちろん真相は分からない。ただ、今夏世界中で爆発的な人気を呼んだスマホ・ゲームの「ポケモンGO!」でモンスター同士が熾烈な戦いを繰り広げる「ジム」の場所にバイロイト祝祭劇場も指定されていたというのはなかなか笑える話だ。余談が過ぎたが、ネルソンスは、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の次期常任指揮者に決まっているので、この年末の「第九」に寄せる思いもおそらく強いものがあるだろう。 ヨーロッパの12月定番、バッハの「クリスマス・オラトリオ」の注目公演は、ヘンゲルブロック指揮のNDRエルプフィル(旧ハンブルク北ドイツ放送響)、鈴木雅明指揮のエイジ・オブ・エンライトメント管、ピノック指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管あたり。鈴木雅明の公演は、本文ではケルンのフィルハーモニーとパリのシャンゼリゼ劇場しか紹介できなかったが、ロンドンのカドガン・ホール(9/10日)やブリュッセルのパレ・デ・ボザール(16/17日)などでの公演もある。詳しくはエイジ・オブ・エンライトメント管のHPをご参照いただきたい。バッハではないが、ヘンゲルブロックが手兵バルタザール・ノイマン・アンサンブルと行うメンデルスゾーンの声楽曲ばかりのツアーも重要。クリスティ指揮レザール・フロリサンの「メサイア」公演も年末ならではの定番公演。 オペラでは、ウィーン国立歌劇場で久々にズービン・メータがピットに入る「ファルスタッフ」のプレミエというのも目を引くが、例えば、ウィーン・フォルクスオーパーのカールマン「サーカスの女王」、ベルリン・コーミッシェ・オーパーのオスカー・シュトラウス「クレオパトラの真珠」やカールマン「マリンカ」といった、ちょっと珍しいオペレッタのプレミエもいかにも年末に相応しい出し物。フランクフルト歌劇場のグルック「エツィオ」も珍しい。他には、カンブルランの振るシュトゥットガルト歌劇場でのオッフェンバック「地獄のオルフェ(天国と地獄)」、ミラノ・スカラ座で新シェフであるシャイーの本格的プレミエ公演となるプッチーニ「蝶々夫人」、モネ劇場のリムスキー=コルサコフ「金鶏」、エッセン歌劇場の「ローエングリン」、英国ロイヤル・オペラの「ばらの騎士」、メトロポリタン歌劇場のサーリアホ「遥かなる愛」といったプレミエ公演は、いずれも要注目。ちなみに、数あるジルヴェスター・コンサートの中では、HKグルーバーの振るバンベルク響が面白そうだ。 もちろん、定番であるラトル=ベルリン・フィルの年末公演(ワーグナー「ワルキューレ」第1幕など)も外せないし、11月から引き続くペトレンコ指揮のショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」(バイエルン州立歌劇場)も要注目公演。バレンボイムがシュターツカペレ・ベルリンやウィーン・フィルで振るスメタナ「わが祖国」なども興味を抱かせるし、歌手を引退したはずのクヴァストホフがヴォーカルとして声を聴かせてくれるウィーン・コンツェルトハウスでのコンサート(12日)も聴きもの。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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