eぶらあぼ 2016.9月号
81/195

78石川綾子 ジャンルのないヴァイオリンコンサート 201610/19(水)19:00 いずみホール問 サウンドクリエーター06-6357-440010/21(金)19:00 紀尾井ホール問 タートルミュージック03-6427-6466http://www.ayako-ishikawa.com石川綾子(ヴァイオリン)ネットの動画が生んだ話題のアーティスト登場!取材・文:東端哲也Interview 研ぎ澄まされたテクニックと新しい感性でジャンルの壁を超えた演奏活動を展開し、若い世代をはじめ様々な層から絶大な支持を集めている石川綾子。4歳でヴァイオリンを始め、幼少期を英国などで過ごして15歳から豪州に在住。シドニーの国立音楽大学で研鑽を積んだ。 「世界中から素晴らしい先生が集まった、明るい雰囲気の恵まれた環境で伸び伸びと学べました。音楽に限らずいつも“綾子はどう思う?”と自分の意見を求められ、演奏技術だけではなく表現力も鍛えられました」 ソリストとして世界各国で演奏活動を行い、若き実力派として賞賛を浴び、特に豪州政府からはその功績に対して永住権を授与されている。拠点を日本に移してからも、クラシックの名曲だけでなくアニメやポップスの人気曲を独自のアレンジでカバーして人気を呼び、コンサート会場はオールスタンディングでサイリウムを振り、タオルをまわして熱狂する観客で満員だという。 「シドニーにいた時、人気のジブリ映画の主題歌を演奏したら凄く喜んでもらえたことがきっかけです。以来、ヴァイオリンの深い音色を熱心なクラシック・ファンだけでなく、より多くの人の耳に届けたいと思っていろんな曲に挑戦するようになりました。それと、幼い頃に行った演奏会で客席にいた大人の方々が、うたた寝をしていたのが鮮烈な記憶として残っていて、お客様が眠くならないような楽しいコンサートがしたいと強く思いました。なので、毎曲間にMCを入れたりと、いろいろ工夫して盛り上げる方法を追究しています」 ネットの「ニコニコ動画」にアップされる演奏動画が常に大反響を呼び、ファンクラブのユニークな企画も好評。きゃりーぱみゅぱみゅからの依頼で共演を果たしたことも話題に。10月に大阪のいずみホールと東京の紀尾井ホールで開催されるコンサートはそんな彼女の集大成で『ジャンルのないヴァイオリンコンサート』に相応しい魅力的なプログラムだ。 「しょこたん(中川翔子)さんのラジオ番組に出演した際、彼女からリクエストされて演奏するようになったアニメ『おそ松さん』のオープニングテーマやボーカロイド初音ミクの『千本桜』などを聴きに会場に足を運んで下さったお客様にも、クラシック曲の『チャルダッシュ』や『リベルタンゴ』を聴いて素敵だなって思ってもらえたら嬉しいです」 尊敬するアーティストは演歌の世界を極めて幅広いフィールドで活躍している小林幸子だという。「以前共演した時に勇気をもらいました」と目を輝かせた。10/29(土)15:00 横浜みなとみらいホール問 横浜みなとみらいホールチケットセンター045-682-2000 http://www.yaf.or.jp/mmh青島広志 Presents オーケストラル・バレエ踊り&トーク&演奏で楽しむ華麗なるバレエの世界文:渡辺真弓山本耕史 バレエの名曲コンサートというのはそう珍しくないが、ちょっと趣向を変えた催しがお目見えする。マルチ・アーティストとして活躍する作曲家、青島広志が、タクトを振ってトークを交えながら優雅なバレエの世界へ案内するというものだ。「横浜音祭り」の一環として開催される。演奏はバレエ音楽に精通したシアター オーケストラ トーキョー、バレエは熊川哲也率いるKバレエスクールの若手ダンサーたち。曲目に目を向けると、第1部は、『くるみ割り人形』より各国の踊りや『眠れる森の美女』よりワルツ、プロコフィエフの『ロミオとジュリエット』、ドリーブの『コッペリア』…と実に多彩。第2部は、チャイコフスキーの名曲『白鳥の湖』を人気俳優の山本耕史の朗読により音楽劇として上演するのがぜいたくである。本公演を企画した新井鷗子の音楽劇台本シリーズから選曲された。バレエを観るのは初めてという人にも気軽に楽しんでいただけることだろう。青島広志 ©Gakken pub

元のページ 

page 81

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です