eぶらあぼ 2016.9月号
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10/20(木)19:00 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター 03-5478-8700http://www.hakujuhall.jp渡辺玲子 プロデュース レクチャーコンサート知る、聴く、喜び~時代を彩る名曲とともに~ vol.2“大人”のための知的なNewコンサート文:柴田克彦渡辺玲子 ©Yuji Hori 一流演奏家のレクチャーと名作ソナタの演奏を同時に楽しめる…。この“ダブル本格派”ともいうべき公演が、Hakuju Hallの『渡辺玲子 プロデュース レクチャーコンサート』だ。本公演では、ニューヨークを拠点に活躍する世界的ヴァイオリニストの渡辺が、楽譜に隠されたメッセージなど、「演奏家としての一歩踏み込んだ解釈」を語り、聴衆はそれを知った上でトップ級の演奏を体感できる。講義の経験も豊富な渡辺ならではの同企画、昨年の初回では、ベートーヴェン「クロイツェル」とブラームス「雨の歌」が解明され、好評を博した。 今回のvol.2は、ロマン派の最高傑作といわれる、フランクのソナタにおける「19世紀に流行りだした全楽章を通じてのテーマの用い方」と、ベートーヴェン「スプリング」の秘密が主なテーマ。加えて合作の「F.A.E.ソナタ」からシューマンとブラームス作の楽章も披露される。名手・江口玲のピアノと渡辺による興味深い解説、300席ゆえの親密な距離感や迫真の響きも大きな魅力。ここは知的刺激を求めて、ぜひ足を運びたい。10/19(水)18:30 日経ホール問 日経ミューズサロン事務局03-3943-7066http://www.nikkei-hall.com第453回 日経ミューズサロン マリアンナ・シリニャン(ピアノ) 細川俊夫も賛辞を贈るアルメニアの名手文:笹田和人 繊細さと情熱を透明感あふれる音色で表現し、ソリストや室内楽奏者として、目覚ましい勢いで国際的な活躍の場を広げているピアニスト、マリアンナ・シリニャン。『日経ミューズサロン』のステージに登場し、滋味豊かな独特の響きの世界を披露する。 アルメニアの古都エレバン出身。ドイツのリューベック音楽大学に学び、2006年に難関・ミュンヘン国際音楽コンクールで第2位に。現在はデンマークを拠点に、リサイタル活動やバイエルン放送響など主要楽団との共演を重ねる一方、ノルウェー音楽アカデミーの教授として、後進の指導にも力を注ぐ。「豊かな音楽性としっかりとした技術に、とても感銘を受けた」という作曲家の細川俊夫の推薦で実現した、わが国で初となる本格的ソロ・ツアー。その一環となる今回の公演は、チャイコフスキー「四季~12の性格的描写」全曲に、「アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ」や「バラード第3番・第4番」、「子守歌」とショパンの傑作を共鳴させる。10/30(日)14:00 東京文化会館(小)問 プロアルテムジケ03-3943-6677http://www.proarte.co.jp平尾はるな ピアノコスモス 2016デビュー50周年記念 ベーゼンドルファーコンサート記念年は得意のフランス近代ものを中心に文:笹田和人 新作を委嘱・初演するなど、現代日本の作品の啓蒙や紹介に大きく寄与、後進の指導にも力を注ぎ、多くの現代音楽のスペシャリストを育て上げるなど、常にわが国のピアノ界をリードし続けてきた平尾はるなが、デビューから50周年を迎えた。7歳からパイオニアである安川加壽子の薫陶を受け、パリ国立高等音楽院に学び、プルミエ・プリで卒業。帰国後も国際舞台での活躍を続ける一方、スポーツトレーニングの概念を採り入れた新たなピアノ練習法の研究と普及に努めるなど、先鋭的な活動を展開してきた。 『ピアノコスモス』と題した記念公演では、銘器ベーゼンドルファーを駆り、エストレリータ・ワッセルマンの朗読を交えた「小象ババールの物語」などプーランク、「ジムノペディ第1番」などサティの小品、西村朗「ピアノのための『星の鏡』」を披露する。そして、これらの“プレリュード”のようにモーツァルト「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」を弾く。彼女の“音の宇宙”の広大さが、改めて実感できよう。76©Nikolaj Lund
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