eぶらあぼ 2016.9月号
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64武満徹へのオマージュ ~フィルム・ミュージックと彼が愛した音楽~10/18(火)19:00 ヤマハホール問 ヤマハ銀座ビルインフォメーション03-3572-3171http://www.yamahaginza.com/hall鈴木大介(ギター)武満が愛した曲と“フィルム・ミュージック”を集めて取材・文:オヤマダアツシInterview 没後20年を迎えた2016年、この秋も武満徹の作品が聴けるコンサートは多い。その武満作品にデビュー時から取り組み、多方向から光を当てて常に新鮮なアプローチを行ってきたのがギタリストの鈴木大介だ。 ギターのためのオリジナル曲や編曲はもちろんだが、とりわけ映画音楽へ深く切り込み、編曲・演奏してギタリストたちに広めた功績は大きい。最新の成果は秋に発売予定だというCDで披露されるが、10月には銀座のヤマハホールで、ジャンルを越えたミュージシャンとの共演によるコンサートを行う。 『武満徹へのオマージュ』と題されたコンサートは、ギターで弾く映画音楽からジャズ・クインテットによるMJQ(モダン・ジャズ・クァルテット)のナンバーまでが並び、天国の作曲者本人にも楽しんでもらえるような趣向だ。 「これまでにも『他人の顔』のワルツなどはコンサートで弾いてきましたが、残された映画音楽のオーケストラ・スコアを見せていただく機会があり、いろいろな発見がありました。特に『すべては薄明のなかで』や『森のなかで』といったギター曲と、作曲時期が近い映画音楽との関係が深く、似たフレーズが使われていることなどに気がついたのです。そうした発見から編曲や演奏に対する新しい方法論も生まれ、映画音楽におけるお仕事を見直さなくてはいけないという使命感が生まれました」 オリジナルのスコアを参照しながら編曲した映画音楽の数々、そして手の内に入っているであろう「森のなかで」やビートルズ・ナンバーの編曲などが演奏されるほか、生前の武満が好きだった音楽も加えられ、アットホームなコンサートになる予感も。 「映画が大好きだった武満さんが最後に観たという『シンドラーのリスト』や、病床で最後に聴いた曲らしいバッハの『マタイ受難曲』からのアリアなども演奏します。またジョン・ルイス(MJQ)の名曲『ジャンゴ』は、映画音楽にもジャズを取り入れ、とても丹念に楽譜を書いていた武満さんが大好きだったという1曲。ビッグバンドではなく室内楽のようなスタイルのジャズが理想だったんじゃないかと思い、プログラムに加えました。こういったエピソードが残されている曲ばかりですので、武満さんが好きだった音楽をみんなで聴いてみる。そんな会にしたいですね」 共演するのはバンドネオンの北村聡や、鈴木が「泣けるオトナのジャズ・ギターを演奏したら天下一品」と称賛する田口悌治ら4人のミュージシャンたち。まさに「ここでしか聴けない武満」を味わう一夜なのだ。9/2(金)19:00 茅ヶ崎市民文化会館問 茅ヶ崎市民文化会館0467-85-1123http://www.chigasaki-arts.jpエリック・サティ生誕150年記念 音楽喜劇『メドゥーサの罠』奇才サティが描く異色のドラマ文:伊藤制子清水寛二 これぞユーモア、そして一抹のアイロニーを含んだエリック・サティの真骨頂だろう。今年生誕150年を迎えるフランスの鬼才が書いた異色の劇作品『メドゥーサの罠』が久しぶりに上演される。娘フリゼット(ドルニオク綾乃)との結婚を申し出た青年アストルフォ(大槻孝志)に、メデューズ男爵(演出も担当する清水寛二)が罠をしかけようとする物語。登場人物の会話で構成された全9場に、機械仕掛けの猿ヨナス(武内靖彦)の7つの踊りが挿入され、踊りにのみ洒脱な音楽がつく。演奏はサティのスペシャリストの高橋アキによるピアノ版。“罠”とはいっても、実際はたいした事件も起こらないまま、決闘しに将軍らがやってくるというので一同逃走。召使いポリカルプ(重盛次郎)だけが残され、幕切れとなる。公演前半には、「3つのジムノペディ」「ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい)」などおなじみの名曲も高橋のピアノにより演奏されるので、そちらもぜひお楽しみに!高橋アキ大槻孝志ドルニオク綾乃

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