eぶらあぼ 2016.9月号
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48©K.Miura11/26(土)15:00 神奈川県立音楽堂問 チケットかながわ0570-015-415 http://www.kanagawa-ongakudo.com他公演11/19(土)岡山シンフォニーホール(086-234-2010)、11/20(日)すみだトリフォニーホール(ヒラサ・オフィス03-5429-2399)、11/21(月)杉並公会堂(武蔵野文化事業団0422-54-2011)、11/23(水・祝)静岡/グランシップ(中)(054-289-9000)、11/25(金)松本/ザ・ハーモニーホール(0263-47-2004)、11/27(日)兵庫県立芸術文化センター(0798-68-0255)ハンスイェルク・シェレンベルガー(指揮/オーボエ)カメラータ・ザルツブルクの深いモーツァルト解釈は格別です取材・文:宮本 明Interview ベルリン・フィルの元首席オーボエ奏者で、現在は指揮活動も活発なハンスイェルク・シェレンベルガーが、4年前に続き、カメラータ・ザルツブルクの来日ツアーを指揮する。 「彼らとは長い付き合いです。指揮者としては10年ほどですが、シャンドール・ヴェーグが芸術監督だった頃から独奏者として共演してきましたから。彼らは1970年代末からのヴェーグの時代に急成長しました。その伝統はまだ残っていて、独特のボウイングの語法がベストなフレージングを生みます。まるで“室内オーケストラのベルリン・フィル”。世界一です。特にモーツァルト作品への深い理解はスペシャルです」 今回は岡山と東京での「レクイエム」でスタートするモーツァルトがメインのツアー。 「『レクイエム』には素晴らしい声楽陣が揃いました。パリ在住の日本人ソプラノ秦茂子さんの他、ウクライナ、ベネズエラ、スペインと多国籍。彼ら3人は、亡くなった名バリトン、トム・クラウゼの弟子たちです。合唱の岡山バッハカンタータ協会もぜひ聴いてください。素晴らしいです」 そして神奈川公演では、七重奏の「ディヴェルティメント K.251」でオーボエを吹き、クラリネット協奏曲と交響曲第40番を振る。 「クラリネットはアレッサンドロ・カルボナーレ。実は彼、ベルリン・フィルの新メンバー候補だったことがあります。でも彼の楽器はベーム式。ベルリン・フィルはジャーマン式なので、それだけが問題だったのです。彼は本当に素晴らしい。交響曲第40番は、クラリネットが入らない初稿版を用います。改訂稿はモーツァルトが友人の名クラリネット奏者アントン・シュタードラーが吹きたいというので書き直したものです。初稿のオーボエの旋律が途中でクラリネットに移ったり戻ったりしますので、有機的ではありません」 指揮を始めたのは1995年のパドヴァ・ヴェネト管のイタリア国内ツアー。ソロ兼指揮者だった。 「実は、オーボエとほぼ同時に指揮も勉強し始めたのです。ケルン放送響でオーボエのキャリアをスタートしたあとも、デトモルトまで通ってヴィンシャーマンに師事するのと並行して、指揮科教授のマルティン・シュテファニのもとで勉強していました。オーボエに集中するために指揮を中断したのはベルリン・フィルに入団してからなのです」 カラヤン、アバドを始め、幾多の巨匠たちの音楽作りをつぶさに見てきたのは、指揮者としての自分の強みだと語る。確かにそうだ。その経験と、オーボエで聴かせてきた振幅の大きな表現力が融合して、どんなモーツァルトが生まれるのだろうか。9/20(火)14:00 浜離宮朝日ホール問 朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu浜離宮ピアノ・セレクション ホアキン・アチュカロスペインの名匠が聴かせる故国の傑作の神髄文:笹田和人©Jean-Baptiste Millot ホアキン・アチュカロは、現代スペインを代表する巨匠ピアニスト。バスク地方のビルバオに生まれ、早くから数々の登竜門で入賞を重ねた。そして、1959年にリヴァプール国際コンクールを制したのを機に、本格的な活動を開始。リサイタル活動はもちろん、ベルリン・フィルなど世界各国の一流オーケストラと共演、その数は今や200以上に。「彼が創り出す非常に独特な音色は、今ではほんの僅かなピアニストしか持っていない。それはとても稀有で、瞬時にそれとわかる」とサイモン・ラトルが述べたのをはじめ、数多くの指揮者が巨匠への賛辞を惜しまない。 注目の来日ステージでは、ベートーヴェンのソナタ第10番やショパン「英雄ポロネーズ」「幻想即興曲」、バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」など、まずはピアノ音楽史を軽く俯瞰。そして、モンポウ「12の前奏曲」から第1、9、7番に、没後100年のグラナドスや、アルベニスの作品を交えて、故国スペインの傑作の真髄を知らしめる。
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