eぶらあぼ 2016.9月号
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Presented by ASPEN INC. 神尾真由子が、チャイコフスキー国際コンクールのヴァイオリン部門で優勝を飾ってから、早いもので9年。以来、彼女は世界各地を飛びまわり著名オーケストラとの共演やリサイタルに出演してきた。また、名門RCA Red Sealと専属契約し、これまでに5枚のアルバムをリリースしてきた。そんな順調にキャリアを重ねる彼女が、夫でもあるピアニストのミロスラフ・クルティシェフと共に、全国11ヵ所で公演を行う全国ツアーを行う。 プログラムは2つ。サントリーホールなど4会場の「プログラム A」では、ブラームスのソナタ全曲を披露する。 「ブラームスは私にとって特殊な作曲家で、このソナタは、理想と思える演奏会や録音に出会ったことが皆無に近いのです。ですから、自分で楽譜を読み込んで、その都度設定した目標に近づいていく感じですね」 各曲への思いや、プログラム全体の展望を尋ねると、次のような答えが。 「若い頃はエネルギッシュな第3番を弾く機会が多かったのですが、年齢を重ねるにつれて、静謐で内省的な第1番『雨の歌』が増えてきました。そうした中、陽だまりのような温かみに溢れたイ長調の第2番は手薄になっていた感があって、2012年に発表したCDに収録したのです。でも、全曲として弾くのは今回が初めてですし、第2番は特にピアノの比重が大きい。こういった点を、夫ともよく相談しながら、バランスのとれた流れのよい演奏をお届けしたいです」 神尾によると、今回のブラームスは、彼女よりもクルティシェフが切望して実現したという。 「夫はピアニスト、ヴァレリー・アファナシエフの大ファンで、ギドン・クレーメルと共演したブラームスのソナタ集(第1&3番)が愛聴盤です。かれこれ5年くらいブラームスのソナタをやりたいと私に言い続けていたので、今回は特に気合いが入っているようです(笑)」 横須賀芸術劇場や所沢ミューズなど7会場の「プログラム B」では、前半にベートーヴェンのソナタ第1番と、ブラームスのソナタ第3番を演奏する。 「私は古典派の音楽が好きで、ベートーヴェンのソナタも、後期より初期の方に惹かれるんです。この第1番はそうしたお気に入りのひとつ。当時、ハイドンやモーツァルトの端正な音楽に親しんでいたウィーンの人々を意識しつつ、第2楽章にベートーヴェンお得意の変奏曲を盛り込んでいるのが流石だと思います」 そして後半は、昨年リリースした最新盤の収録曲を中心とした小品が並ぶ。 「昨年のアルバムの収録曲を決める際には、コアなファンだけでなく、広い聴き手を想定した選曲を心がけました。今回はその中から、チャイコフスキー『メロディ』や、ショスタコーヴィチ『ロマンス』などをピックアップ。さらにハチャトゥリアン『剣の舞』やバッジーニ『妖精の踊り』といった“定番”も織り交ぜて演奏します。華やいだ気分でリラックスしながらお楽しみください!」今秋、ピアノのクルティシェフと共に全国ツアーを開催取材・文:渡辺謙太郎左:神尾真由子 右:ミロスラフ・クルティシェフ ©大窪道治 撮影協力:ヤマハホール神尾真由子 & ミロスラフ・クルティシェフデュオ・リサイタル10/20(木) 福岡/石橋文化ホール 19:00 (A)10/22(土) 長野/長野市芸術館 14:00 (B)*10/23(日) 東京/立川たましんRISURUホール 15:00 (B)*10/25(火) 東京/サントリーホール 19:00 (A)10/26(水) 宮崎/宮崎市民プラザ 19:00 (B)10/28(金) 埼玉/草加市民文化会館 19:00 (B)10/29(土) 神奈川/横須賀芸術劇場 15:00 (B)10/30(日) 埼玉/所沢市民文化センターミューズ アークホール 15:00 (B)11/1(火) 福井/ハーモニーホールふくい 小ホール 19:00 (A)11/2(水) 京都/京都市東部文化会館 19:00 (A)11/3(木・祝) 兵庫/兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 14:00 (B)プログラム A……(A) プログラム B……(B)*10/22,10/23はベートーヴェンの替わりにブラームスの第1番(10/22)、第2番(10/23)を演奏。問 アスペン03-5467-0081 http://www.aspen.jpMayuko Kamio/ヴァイオリン
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