eぶらあぼ 2016.9月号
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18611月の見もの・聴きもの2016年11月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場11月3、6、10日 ロッシーニ:チェネレントラ 指/S.スカップッチ、演出/S.E.ベヒトルフ、出/M.ミロノフ、A.アルドゥイーニ11月7、11、13、16日 マスネ:マノン 指/F.シャスラン、演出/A.シェルバン、出/M.ペーターゼン、J.F.ボラス11月9日 R.アラーニャT、A.クルザクS 共/J.コーエンp11月12、15日 ロッシーニ:セビリャの理髪師指/G.ガルシア・カルヴォ、演出/G.レンネルト、出/P.コルガティン、P.ルメッツ11月14、17、20日 プッチーニ:ラ・ボエーム指/S.ゲッツェル、演出/F.ゼッフィレッリ、出/夏侯金旭、A.ハルティッヒ、J.アレイ11月19、23、26、29日 ヴェルディ:椿姫 指/S.スカップッチ、演出/J.F.シヴァディエ、出/M.レベカ、C.カストロノーヴォ、D.ホロストフスキー11月27、30日 プッチーニ:西部の娘 指/M.フランク、演出/M.A.マレッリ、出/E.M.ヴェストブレック、T.コニエチュニー、J.クーラウィーン・フォルクスオーパー11月1(18:00)、5(18:30)、9(18:30)、19(18:30)、22(18:30)、26(19:00)日 モーツァルト:魔笛 演出/H.ローナー11月2(18:30)、20(16:00)、24(18:00)日H.アーレン:オズの魔法使い(ミュージカル)演出/H.メイソン11月3(19:00)、6(16:30)、14(19:00)、23(19:00)、29(19:00)日 オッフェンバック:ホフマン物語[16年10月プレミエ] 演出/R.ドゥセ11月4(19:00)、12(19:00)、18(19:00)、21(19:00)、25(19:00)日 モーツァルト:フィガロの結婚 演出/M.A.マレッリ11月8(19:30)、28(19:30)、30(19:30)日ベナツキー:白馬亭にて 演出/J.E.ケップリンガー11月10(19:00)日 ヨハン・シュトラウス:こうもり 演出/R.ヘルツル、新校訂演出/H.ツェドニクアン・デア・ウィーン劇場★◎11月11(19:00)、13(19:00)、15(19:00)、17(19:00)、20(17:00)、22(19:00)、24(19:00)日 ヴェルディ:マクベス[プレミエ]指/B.ドゥ・ビリー、演出/R.ガイヤー、出/R.フロンタリ/P.ドミンゴ(13/17/20日)、A.アーロン/D.ロドリゲス(13/17/20日)、S.コツァン、演奏/ウィーン響◎11月16(19:00)日 ラモー:ゾロアストル(演奏会形式) 指/R.ピチョン、出/R.ファン・メヘレン、N.クルジャル、S.ピオー、E.デ・ネグリ、演奏/アンサンブル・ピグマリオン◎11月23(19:00)日 V.ジュノーMs、イム・スンヘS、A.ガベッタ指揮カペラ・ガベッタ グルック、N.A.ポルポラ、J.A.ハッセ、G.A.リストリ他:バロック・アリア集ウィーン・フィル[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(S)=芸術の殿堂(ソウル)、(R)=サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(ローマ)、(B)=ベラ・バルトーク・コンサートホール[芸術宮殿](ブダペスト)]11月1(S)、2(S)日 チョン・ミョンフン指揮 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、ブラームス:交響曲第4番11月19(R)日 指揮・曲目は未定11月23(19:30)(KH)、24(B)日 P.エトヴェシュ指揮 P.エトヴェシュ:ハレルヤ、シェーンベルク:地には平和を、マーラー:交響曲第10番〜アダージョ 朗読/P.シモニシェク、独/I.フェアミリオンMs、T.レティプTウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)](オペラ伴奏公演は除く)◎11月9(19:30)(MV)、10(19:30)(MV)、11(19:30)(MV)日 M.ホーネック指揮 ドヴォルザーク:ルサルカ幻想曲(M.ホーネック、T.イルレ編)、モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番、ブラームス:交響曲第1番 独/T.フェルナーp11月25(19:30)(KH)、26(19:30)(KH)日G.アントニーニ指揮 J.M.クラウス:交響曲ハ短調、モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番、ハイドン:交響曲第100番「軍隊」 独/F.ピエモンテージp11月30(19:30)(KH)日 L.モルロー指揮アイヴズ:答えのない問い、K.シスケ:交響曲第5番「auf B」、J.クラーク:Untitled No.8」(ピアノと管弦楽のための/世界初演)、O.ノイヴィルト:Trurliade - Zone Zero(打楽器協奏曲)、ラヴェル:ラ・ヴァルス 独/N.ホッジズp、M.グルービンガーpcムジークフェライン[楽友協会]大ホール[ウィーン](主要公演のみ)11月6(15:30)、8(19:30)日 F.ルルー(ob)指揮トーンキュンストラー管 モーツァルト:交響曲第25番、プロコフィエフ:古典交響曲、ハイドン:オーボエ協奏曲、ビゼー:交響曲ハ長調11月9(19:30)、10(19:30)、11(19:30)日M.ホーネック指揮ウィーン響 → 〔ウィーン響〕参照【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 先月号の本欄で「ベルリン州立歌劇場」の公演データに一部掲載漏れがあったため、今月号の同劇場の部分に10月分と11月分を並記した。不手際をお詫びすると同時に恐縮ながらご容赦をいただければと思う。 その「ベルリン州立歌劇場」10月分の注目演目は、ベートーヴェン「フィデリオ」のプレミエ公演と、R.シュトラウスの「エレクトラ」。共にバレンボイムの指揮だが、前者は、トレーケル、シャーガー、シュトルックマン、ニュールンド、サルミネンと並んだ新旧の歌手陣がいかにも豪華。後者は指揮者のサロネンと組んで複数の劇場で上演され続けている故パトリス・シェロー演出の名プロダクション。サロネンとは明らかに表現志向が異なるバレンボイムがどのように音楽をまとめてくるのか興味津々(11月も公演あり)。 11月のオペラ公演としては、月末に始まるキリル・ペトレンコ指揮のショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」(バイエルン州立歌劇場)がまずは要注目。ペトレンコは現代ものが振れないと思われている方も少なくないようだが、彼はベルクも振ればショスタコーヴィチもリゲティも振るし、新作の現代オペラも振る。この「マクベス夫人」も、さぞオケの精度を極めた切れ味鋭い表現で観客を驚かせてくれるに違いない。 その他のオペラでは、アン・デア・ウィーン劇場のヴェルディ「マクベス」(ドミンゴ出演)、ハンブルク州立歌劇場のエトヴェシュとバルトーク、チューリッヒ歌劇場のモーツァルト「後宮からの誘拐」(クルレンツィス指揮)、トリノ王立歌劇場のサン=サーンス「サムソンとデリラ」(バルチェッローナ主演)、大野和士指揮のラヴェル「子供と魔法」(リヨン国立歌劇場)、ヘンデルの「イェフタ(ジェフサ)」(グート演出/オランダ国立オペラ)、フランドル歌劇場のワーグナー「さまよえるオランダ人」(ギュルバカ演出)、A.ゼッダ指揮のロッシーニ「エルミオーネ」(演奏会形式/リヨン国立歌劇場とシャンゼリゼ劇場)なども要注目。忘れてならないのは、ハンブルク州立歌劇場のワーグナー「ローエングリン」。学校の教室を舞台とするペーター・コンヴィチュニー演出最高傑作の一つと言われる伝説的プロダクション。ハンブルクのオペラに移って絶好調のケント・ナガノが指揮するとなると音楽面の充実も期待できる重要公演だ。なお、本文では取り上げる余裕がなかったが、ニュルンベルク歌劇場(http://www.staatstheater-nuernberg.de/)では、10月から12月にかけて、コンヴィチュニーの新演出でムソルグスキー「ボリス・ゴドゥノフ」がかかる。これも見落とせない。 オーケストラ公演では、ミンコフスキが手兵ルーヴル宮音楽隊を率いて演奏するチャイコフスキー「くるみ割り人形」全曲(20日・ドルトムント)と、NDRエルプフィルへの客演(ラヴェルやフランクのフランス・プロ)、ロジェストヴェンスキー指揮のロシア・ナショナル管(バーデン・バーデン、パリ・フィルアルモニー)、ヤノフスキ指揮ベルリン放送響のヒンデミット、久しぶりのプレヴィン指揮ロンドン響やインバル指揮hr響などが面白そう。ヴァイオリンのテツラフが振るドイツ・カンマーフィル、メゾ・ソプラノのバルトリが振るレ・ミュジシャン・デュ・プランスなどにも注目。他にもサヴァール指揮のコンチェルト・コペンハーゲン(ケルン/フィルハーモニー)、フィルハーモニア・チューリッヒとマッティ・サルミネンの共演(サルミネンお別れ公演と銘打たれている)、バレンボイムとアルゲリッチの共演(スカラ・フィル)、ティーレマンとチェロのカプソンとの共演(シュターツカペレ・ドレスデン)など多士済々。日本では聴けないピアノのレジェンド、グレゴリー・ソコロフもルツェルンやパリなどで聴くことができる。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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