eぶらあぼ 2016.9月号
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164■第47回サントリー音楽賞、第15回佐治 敬三賞贈賞式 第47回(2015年度)「サントリー音楽賞」と第15回(同)「佐治敬三賞」の贈賞式が7月21日、東京のサントリーホールで行われ、「サントリー音楽賞」が「トッパンホール」に、「佐治敬三賞」が「トム・ジョンソン《4音オペラ》」と「DUOうたほぎリサイタル2015─春夏秋冬─」に贈られた。 「サントリー音楽賞」は公益財団法人サントリー芸術財団(代表理事:堤剛、鳥井信吾)がわが国の洋楽の振興を目的として、毎年、その前年度に顕著な功績のあった個人や団体を顕彰するもので、賞金700万円。ホールへの授賞は今回が初。「トッパンホール」は凸版印刷株式会社の創業100周年事業として2000年に設立された室内楽ホールで、優れた音響特性と1シーズンに30回を超える主催公演が高い評価を得た。受賞にあたり、株式会社トッパンホール代表取締役会長・足立直樹は「大変に光栄なことと感じている。トッパンホールは上質の演奏で感動を呼び起こし、心を重んじ、安らぎを与えることを目指している。今後も進化するトッパンホールに聴きにきてほしい」と述べた。 「佐治敬三賞」は、わが国で実施されたチャレンジ精神に満ち、公演成果の水準の高い公演が対象で、賞金200万円(今回は同時受賞のため各100万円)。《4音オペラ》は、アメリカの作曲家トム・ジョンソンの実験的なオペラ。極小な編成(歌手5人とピアノ)ながら独創的な同作品を日本語初演(訳詞&プロデュース:福永綾子)したことが評価された。また「DUOうたほぎリサイタル2015─春夏秋冬─」は、特殊発声を駆使した吉川真澄(ソプラノ)と佐藤紀雄(ギター)の多彩な表現力等が評価された。サントリー芸術財団http://www.suntory.co.jp/sfa■東京二期会が「2017/18シーズンライ ンアップ」を発表 東京二期会が「2017/18シーズンラインアップ」を発表した。シーズンのテーマは「発見と探求」。 新シーズンに上演予定の作品は5演目。うち新制作は《ばらの騎士》(17年7月)、《こうもり》(17年11月)、《ローエングリン》(18年2月)の3演目。このほか、《蝶々夫人》(17年10月)を再演、《ノルマ》(18年3月)がセミステージ形式で上演される。 《ばらの騎士》の指揮は二期会初登場のセヴァスチャン・ヴァイグレ。ヴァイグレは、直前の17年4月・5月にはメトロポリタン歌劇場でも同演目を指揮する予定。演出はリチャード・ジョーンズ。元帥夫人役で林正子が出演する。林は「どれだけ自分なりの表現をしていけるのか追究していきたい。それこそテーマ『発見と探求』ということで頑張っていきたいと思う」と意気込みを語った。 《こうもり》は、ベルリン・コーミッシェ・オーパー時代の同僚となる、阪哲朗指揮、アンドレアス・ホモキ演出のタッグ。歌唱は原語(ドイツ語)、台詞は日本語での上演となる。 《ローエングリン》は準・メルクルの指揮、深作健太の演出。15年10月《ダナエの愛》舞台上演日本初演で好評を得たタッグで、深作がかねてから演出を熱望していたワーグナー作品に挑戦する。 《蝶々夫人》は二期会が誇る栗山昌良演出の名舞台。二期会初登場のガエタノ・デスピノーサが指揮を執る。東京二期会http://www.nikikai.net7月21日の贈賞式より Photo:M.Otsuka/Tokyo MDE7月15日に行われた会見より 左から:山口 毅(事務局長兼企画制作部長)、中山欽吾(理事長)、林 正子(ソプラノ)、城 宏憲(テノール) Photo:H.Yamada/Tokyo MDE

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