eぶらあぼ 2016.8月号
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173コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報彼の歌声こそ、「天から授かり、育んだ奇跡」と言うのだろう。木村優一は東京芸大から聖徳大学大学院に学び、男性ながら女声の音域をカバーする、唯一無二の「ソプラニスタ」として、クラシックの範疇には収まりきれない活動を続けている。アルバム『My World』発売記念のリサイタル。ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」から「ムーンリバー」、「蘇州夜曲」、「白いサンゴ礁」まで、多彩に歌いこなす。日本を代表するチェンバロの名手・曽根麻矢子が、好評の『1コイン・コンサート プレミアム』に登場。バッハやヘンデルらドイツの巨匠から、イタリア出身ながらスペインなどで活躍したスカルラッティ、さらにラモーやクープランら優美なフレンチ・バロックまで、咲き乱れる鍵盤音楽の傑作を紹介してゆく。「新潟での演奏は、何と約20年ぶり」と曽根。「美しい音楽の時間をエンジョイできれば」と語る。覇気溢れる演奏で、地元から愛されている中部フィルハーモニー交響楽団が、夏休みの子供たちに贈る楽しいステージ。堀俊輔の指揮でレスピーギ「ローマの松」の鮮烈な音楽絵巻を味わう一方、バストロンボーンに焦点を当て、森川元気のソロで、フェルディナント・ダーヴィッドの協奏曲を。さらに、久石譲「となりのトトロ」は、ナレーションを交えて。地元高校の吹奏楽部による熱演も、ステージに活気を与える。チェロの上森祥平が毎年取り組む「J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲全曲演奏会」は、全6曲に古今の無伴奏作品を併せて、一気に披露。今年は、これらの活動が認められ、齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞した。9年目は「フィールド・オブ・ドリームス」と題した全3部構成。最初は1番・4番にブリテン、次に3番・5番にブロッホとコーネルを添えて。最後は2番・6番に、ローザとグリュッツマッハーを組み合わせる。個性的な風貌から、“まろ”の愛称で親しまれているNHK交響楽団第1コンサートマスターの篠崎史紀が、ヴァイオリン白井篤やヴィオラ小野富士、チェロ中木健二、コントラバス稲川永示と、N響の仲間たちと組織した「ウィーンMAROアンサンブル」。ランナー「モーツァルト党」やジーツィンスキー「ウィーンわが夢の街」などシュランメルンのほか、「愛の喜び」などクライスラーの名曲で、音楽の街の夢を綴る。可能性に富む新人音楽家を発掘し、育成と支援を行うため、東京文化会館や東京都などが主催し、2003年から毎夏に開催されている東京音楽コンクール。昨年からは出場者の居住地を不問とするなどのリニューアルで、より国際色が深まった。14回目となる今年は、声楽・金管・ピアノの3部門を開催。本選からはオーケストラとの共演となり、投票による「聴衆賞」の贈呈も。瑞々しい才能に、いち早く出逢う好機だ。CD発売記念リサイタル木村優一(ソプラニスタ)~奇跡の声第14回 東京音楽コンクール 本選J.S.BACH×上森祥平 無伴奏チェロ組曲全曲演奏会 20161コイン・コンサート プレミアム Vol.2曽根麻矢子(チェンバロ)中部フィル 夏休みスペシャル in 春日井ウィーンMAROアンサンブル NHK交響楽団5人のとっておきメンバーによる弦楽五重奏8/30(火)13:30渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール声楽部門 8/23(火)18:00、金管部門 8/25(木)18:00、ピアノ部門 8/28(日)17:00 東京文化会館8/15(月)15:00浜離宮朝日ホール8/31(水)11:30新潟市民芸術文化会館 りゅーとぴあ8/28(日)15:00春日井市民会館8/20(土)16:00草加市文化会館ホール ©Shunichi Atsumi堀 俊輔 ©堀田力丸森川元気 昨年の本選の様子 ©青柳 聡篠崎史紀

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