eぶらあぼ 2016.8月号
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172神奈川フィルハーモニー管弦楽団による、夏休みの子供たちへの音楽体験の贈り物。今年は、気鋭の女性指揮者、三ツ橋敬子が登場する。様々な体験企画を締め括るコンサートでは、ストラヴィンスキー「火の鳥」(1919年版)やホルスト「木星」、チェロの横坂源をソリストに迎えてのサン=サーンスの協奏曲第1番からの抜粋など、多彩に披露。なお、指揮者体験企画は、8/3まで申し込みが可能だ。樋口あゆ子は桐朋学園大からパリ・エコールノルマル音楽院に学び、国際的な活躍を続ける実力派ピアニスト。自身が原爆投下の日である8月9日生まれであることから、「平和祈念リサイタル」を毎年、この日に開いている。今年は、武満徹「雨の樹・素描」などを、詩の朗読を交えて。そして、フルートの萩谷康一らの共演で、ジョン・ラター「古風な組曲」ほかを。さらに、ショパンの佳品を核に、ソロもたっぷりと聴かせる。カリブ海の島国トリニダード・トバゴで、ドラム缶から生まれた打楽器「スティールパン」。中野優希はその涼やかな音色に魅せられ、発祥の地やアメリカで、奏法や表現を学んだ。2度目のリサイタルは、アメリカからミア・ゴーマンディとバリー・マネット、2人の名手を招いて。委嘱作品やバルトーク、モーツァルトなどクラシックの佳品までを叩きこなし、再びスティールパンの新たな世界への扉を開く。4年前に逝去した作曲家の林光が、平和への願いを込めて毎夏、「原爆小景」をはじめ自作を披露した東京混声合唱団の「八月のまつり」。今回は東混創立60周年を記念するシリーズの、幕開けを告げるステージともなる。大谷研二の指揮と斎木ユリのピアノで、「原爆小景」をはじめ、林の「宮沢賢治の詩による混声合唱曲集」、新実徳英の混声合唱とピアノのための「祈りの虹」(1984)を披露。林の遺志は、今年もハーモニーと化す。一級の室内楽と、美味しいスイーツを味わうティータイム。そんな贅沢が味わえるのが、上野三重奏によるアフタヌーン・コンサート。NHK交響楽団第1ヴァイオリン奏者の降旗貴雄、山形交響楽団チェロ奏者の渡邊研多郎、ピアノの松本隆彦がハイドンの第25番「ジプシー・ロンド」やメンデルスゾーンの第1番など、ピアノ三重奏曲の佳品を紡ぎ上げ、自慢の限定ケーキが、薫り高いドリンクと共に供される。TOKI弦楽四重奏団は、ヴァイオリン岩谷祐之と平山真紀子、ヴィオラ鈴木康浩、チェロ上森祥平という名手で構成。結成13年目の今回は、日本の伝統楽器・篠笛の山口幹文を迎えて。20世紀イギリスのゴードン・ジェイコブの組曲からの抜粋で異色の共演を愉しみ、TOKIはシュルホフの第1番とベートーヴェンの「ラズモフスキー第1番」、2つの弦楽四重奏曲に池辺晋一郎「ストラータ Ⅷ」を披露。山口が篠笛独奏を添える。月の8TOKI 弦楽四重奏団 2016三ツ橋敬子の「新☆夏休みオーケストラ!」~みんなでワクワク編♪東京混声合唱団 特別定期演奏会 37東混八月のまつり中野優希(スティールパン) Vol.2上野三重奏 Afternoon Concert樋口あゆ子 平和祈念ピアノリサイタル&フルートの響き20167/28(木)19:00 新潟市音楽文化会館、7/31(日)14:00 上越文化会館、8/1(月)19:00 東京文化会館(小)8/13(土)15:00神奈川県立音楽堂8/9(火)19:00第一生命ホール8/3(水)19:00ヤマハホール8/14(日)14:00仙台/Tea Lounge REFRAIN8/9(火)19:00タカギクラヴィア松濤サロン文:笹田和人三ツ橋敬子 ©大杉隼平大谷研二Photo:武藤 章

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