eぶらあぼ 2016.8月号
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143コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPALる。色彩感あふれる斬新なプログラミングは演奏水準向上に寄与したのみならず、聴衆の耳や感性を大いに刺激し、その旺盛かつ個性的な活動の成果などが評価された。日本フィルハーモニー交響楽団http://www.japanphil.or.jp■「東燃ゼネラル音楽賞」受賞者決定  2016年度の「東燃ゼネラル音楽賞」受賞者が決定した。洋楽部門本賞は指揮の井上道義、奨励賞はピアノの萩原麻未が受賞した。 同賞は1971年に「モービル音楽賞」として創設され、2012年6月に東燃ゼネラルグループの発足に伴い「東燃ゼネラル音楽賞」と改め、今年で46回目を迎える。奨励賞は1989年より日本を代表する優れた若手音楽家を讃えるために設けられた。[贈賞理由]井上道義:オーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督や大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者の重責を担っているが、 咽頭癌克服後の活躍ぶりは以前にもまして目を見張るものがある。様々な分野における斬新な企画や発想、得意の近現代の作品における鋭い切れ味と核心を突いた指揮はもとより、古典派からロマン派の作品においても、より懐の深い巨大な音楽を造形するようになった。今後の我が国の音楽界へのさらなる影響を期待する。萩原麻未:ジュネーヴ国際音楽コンクールの優勝後も着実に成長を続け、今や我が国の音楽シーンでも欠かせない演奏家の一人。室内楽演奏にも進境著しく、共演者と繰り広げる見事な掛け合いや絶妙の間合いから生み出される室内楽的愉悦は、これまでの日本人ピアニストには余り見られなかった感性に彩られた魅力的なものである。室内楽分野におけるこの活躍が、我が国の音楽界にさらに大きな刺激と影響をもたらすことを期待する。 贈賞式は9月にホテルオークラ東京で行われ、受賞記念公演は11月8日(火)紀尾井ホールにて行われる。受賞記念公演には100名を抽選で招待する。詳細はホームページにて9月下旬から案内予定。東燃ゼネラルグループhttps://www.tonengeneral.co.jp■第64回「尾高賞」に権代敦彦の作品 第64回「尾高賞」の受賞作が、権代敦彦「オーケストラのための Vice Versa―逆も真なり―」(2015年 オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)委嘱)に決定し、6月28日、東京オペラシティ コンサートホールでの「MUSIC TOMORROW 2016」(NHK交響楽団 指揮:下野竜也)で受賞作が披露され、あわせて贈呈式が行われた。 「尾高賞」は、NHK交響楽団の前身・日本交響楽団専任指揮者で作曲家でもあった故・尾高尚忠氏(1911-1951)の功績を讃え、すぐれた邦人作曲家によるオーケストラ作品を顕彰するために設けられた作曲賞。 受賞に際し権代は、「作品が優れたものになるか、そうでないかは、作者が作品に注いだ愛情の度に、必ずしも比例しないのが、また皮肉なところです。そして、受賞作“Vice Versa”にはたっぷり愛情を注いだ事を言い添えておきます。しかし同時に150曲余りある僕の曲の中で、一番僕らしくない曲とも言えます。そんな曲だから、いつもの、更に今後も書くであろう『独善的』な曲と違って、どうしても自分ではストレートに『優れた曲』とは思えないのです……がそれが評価され、賞に選ばれ、気持ちは複雑」とのコメントを寄せた。NHK交響楽団http://www.nhkso.or.jp■コルネリウス・マイスターが読響首席 客演指揮者に就任 読売日本交響楽団は、2017年4月より、コルネリウス・マイスターを首席客演指揮者に迎えると発表した。任期は20年3月末までの3年間。 コルネリウス・マイスターは1980年ドイツ生まれ。ハノーファー大学でピアノと指揮を学び、21歳でハ井上道義 ©Mieko Urisaka萩原麻未 ©Akira Muto©M.Okubo

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