eぶらあぼ 2016.7月号
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53サマーコンサート 2016上岡敏之(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団“スペイン三昧”で爽快なひとときを文:飯尾洋一大和田夏祭り 2016 坂田 明「平家物語」夏の暑さを吹き飛ばす、超刺激的な“古の物語”文:藤本史昭7/23(土)14:00 すみだトリフォニーホール問 新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815 http://www.njp.or.jp坂田 明「平家物語」 8/2(火)19:00 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール問 渋谷区文化総合センター大和田03-3464-3252 http://www.shibu-cul.jp※『大和田夏祭り 2016』の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 いよいよ2016年9月より新日本フィル音楽監督に就任する上岡敏之。すでに昨年4月より一足先に同楽団のアーティスティック・アドバイザーを務めているが、これから一段と楽団との結びつきを強め、新たな時代へと歩みを進めることが期待される。 その音楽監督就任に先立って、7月に特別演奏会『サマーコンサート』が開催される。これまで主にドイツ・オーストリア系の音楽を中心としたレパートリーを披露してきた上岡敏之だが、この公演で主役となるのはフランス音楽。というよりは、「スペイン」をテーマにした作品やスペインに魅了された作曲家による“変則スペイン・プログラム”とでも呼べばいいだろうか。シャブリエの狂詩曲「スペイン」、ビゼーの「アルルの女」第1組曲、リムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」、ラ 坂田明といえば我が国のフリージャズを代表するアルト・サックス奏者。わけても1970年代の山下洋輔トリオにおける圧倒的な演奏は、世界のジャズ・ファンを震撼させたものだった…などと、遠い目をして過去を振り返っている場合ではない。なぜならこの人、70歳を超えた現在でも現役バリバリ。それどころか過去のどの時よりも“今”が一番パワフルで過激、という怪物ぶりでジャズ・シーンを引っかき回し続けているのだから。そんな彼が、渋谷区文化総合センター大和田のライヴ・イベント『大和田夏祭り 2016』に登場、坂田版「平家物語」を披露する。 坂田がこの軍記物語の最高峰を最初に翻案・録音したのは2011年のこと。複数のリード楽器や鳴り物、ヴォイスをオーバーダビングしたそのCDは大きな話題となり、約半年後には新宿ピットインにおいてライヴが実現。映像をバックに、かの高平哲郎演出のもと坂田が信頼を寄せる音楽家とともに繰り広げヴェルの「スペイン狂詩曲」と「ボレロ」といった、おなじみの名曲がずらりと並ぶ。サマーコンサートらしいプログラムではあるが、これを上岡敏之が指揮するとなれば、少なからず意外性があるのではないだろうか。 シャブリエやリムスキー=コルサコフ、ラヴェルといったオーケストレーションの名手たちによる色彩豊かな響きや、「ボレロ」でのソロの妙技など、聴きどころは多い。夏の暑さを吹き飛ばすような爽快なひとときを満喫したい。たステージは各方面から絶賛された。 今回の公演はこのライヴの再演となるものだが(演出家、メンバー共に同じ)、今回注目すべきは、中山晃子のライヴ・ペインティングが加わること。さらなる進化を遂げたボーダーレスな一大絵巻に、会場が興奮と感動のるつぼと化すことはまちがいないだろう。 この他、大和田夏祭りでは笛の一噌幸弘(8/1)、ダンスの森山開次(8/3,8/4)によるワークショップ、太鼓のレナード衛藤(8/6,8/7)の公演もおこなわれる。刺激的なパフォーマンスで暑気払いというのも一興かと。上岡敏之 ©武藤 章

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