eぶらあぼ 2016.7月号
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245谷桃子バレエ団『谷桃子追悼公演』美しきバレエ人生へ捧ぐオマージュ文:守山実花京都バレエ団『ドン・キホーテ』ブノワ賞を受賞した話題のオニール・八菜が登場!文:菘(すずな)あつこ9/23(金)18:30 めぐろパーシモンホール問 谷桃子バレエ団03-5726-8731 http://www.tanimomoko-ballet.com7/24(日)15:00 ロームシアター京都問 京都バレエ団075-701-6026 http://www.kyoto-ballet-academy.com 戦後の日本バレエ史とともに生き、2015年4月に旅立った谷桃子。谷が生涯をかけて愛し育てあげてきた掌中の珠、谷桃子バレエ団が、この秋『谷桃子追悼公演』を行う。 バレエ団は1949年設立され、50年代には2大レパートリーとなる『白鳥の湖』、『ジゼル』を上演、土台がつくられた。その後も『リゼット』(62年)、『ドン・キホーテ』(65年)、『バヤデルカ』(81年)といった現在も広く愛されている全幕作品を日本初演。古典作品だけにとどまらず、ビルギット・クルベリ振付『令嬢ジュリー』に代表される新しい感覚を持った作品に果敢にチャレンジし、望月則彦ら日本人振付家による創作作品の上演も積極的に行うことで、バレエ界に新しい風を送り続けてきたカンパニーだ。 現在明らかになっている上演作品は、谷の当たり役となり、引退公演でも踊った『ジゼル』より第2幕、『瀕死の白 長年、パリ・オペラ座と交流を続けている有馬龍子記念 京都バレエ団が、今年もパリから豪華なメンバーを招き公演を行う。演出・振付は昨年の『ロミオとジュリエット』でも、オペラ座のエスプリを感じさせる振付で好評を博したファブリス・ブルジョワ。 そして、今回の大きな注目は、先日ブノワ賞を受賞したばかりのパリ・オペラ座の若きプルミエール・ダンスーズ、オニール・八菜がキトリを踊るということ。彼女がこの公演に出演するのは以前から決まっていたことなのだが、とても嬉しいタイミングで踊りを観ることができる。母が日本人で3歳の時に日本でバレエをはじめた彼女だが、日本で全幕公演の主演をするのは初めてとなる。 相手役バジルは、日本のファンも多く、京都バレエ団の公演ではお馴染みになった美しく知的なエトワール、カール・パケット。加えて、なんと、ドン・キホーテを踊るのは往年のエトワール、シリル・アタナソフ。主要キャストを聞いただけで大きな期待が膨らむ。鳥』、そして谷桃子バレエ団出身で、現在は振付家として活躍する伊藤範子から恩師へ贈るオマージュ『追憶』である。『追憶』は、谷が愛したドビュッシーやショパンの楽曲を使い、2015年8月研究所の発表会で初演された。今回は男性ダンサーも加え、規模を拡大して再構成される。「先生が、常に『気持ちを持って』と、心と動きを繋げて表現する事を指南されてこられたので、ダンサー達には大切に踊って欲しい」と伊藤。彼女自身が谷から受け継いだバレエの神髄が作品に託される。 谷桃子が人生をかけて遺したものとは何だったのか、それを知るまたとない機会になるだろう。 会場はオープン間もないロームシアター京都のメインホール。演奏は京都市交響楽団で、楽譜の構成にも力を入れているという。同楽団がバレエの演奏をすることは滅多にないことなので、こちらも注目だ。 興味が膨らむ話題がいくつも重なるこの公演。きっとパリの優雅な雰囲気を満喫できる舞台になるのでは─と、楽しみだ。谷 桃子シリル・アタナソフカール・パケットオニール・八菜

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