eぶらあぼ 2016.7月号
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158演奏されることから、指揮者というよりも一緒に音楽を作ることができる“音楽家”。ホーネックさんを中心に新たな音質の変化、そして共に意見を交換できるような関係で、積極的な音楽表現をしていきたい」と述べた。 このほか、「紀尾井ホール室内管弦楽団」2017年度の定期演奏会プログラムも発表された。紀尾井ホール http://www.kioi-hall.or.jp■ヤニック・ネゼ=セガンがMETの 次期音楽監督に決定 ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)は、2020/21シーズンよりヤニック・ネゼ=セガンが音楽監督に就任すると発表した。METの音楽監督はこれまでに、1973/74シーズンの1期のみを務めたラファエル・クーベリック、40年間の長期にわたり務めたジェイムズ・レヴァインの2人のみ。 ネゼ=セガンは2017/18シーズンより次期音楽監督として2演目、20/21シーズンからは5演目を指揮する予定。16/17シーズンではワーグナー《さまよえるオランダ人》を指揮する。 「METの音楽監督になることは長年の夢でした。“生ける伝説”ともいえるジェイムズ・レヴァインさんの後任に選出していただき、とても光栄です。METは素晴らしいオーケストラ、合唱、そしてスタッフが揃った世界一のオペラハウスだと思っています。オペラの輝ける未来を想像しながら、METの高い芸術水準を保っていきたいと考えています」とネゼ=セガンはMETのプレスリリースにコメントを寄せている。 また、ネゼ=セガンが音楽監督を務めるフィラデルフィア管弦楽団が、彼の契約を2025/26シーズンまで延長することも発表している。彼は他にもモントリオールのメトロポリタン管弦楽団とオランダのロッテルダム・■紀尾井シンフォニエッタ東京から 紀尾井ホール室内管弦楽団へ 紀尾井シンフォニエッタ東京が、2017年4月から「紀尾井ホール室内管弦楽団」に改称し、併せて首席指揮者にライナー・ホーネックを迎える。5月26日に都内で行った記者会見で発表した。会見には、町田龍一(新日鉄住金文化財団常務理事)、山口真一(同財団制作部長)、玉井菜採(紀尾井シンフォニエッタ東京 コンサートマスター)が出席した。 2015/16シーズンに紀尾井ホールとともに20年の節目を迎えた同団は、2017年4月からの新機軸のテーマとして「求心力」と「発信力」を掲げている。 楽団の名称の変更について町田常務理事は「日本を代表するクラシック音楽ホールであり、『室内楽の殿堂』として国際的にも高い評価を得ている『紀尾井ホール』を冠することでレジデントオーケストラとして、ホールとの一体感や紀尾井ホールの『求心力』を打ち出していきたい」と語った。 建築家・大野幸の監修のもと、瓶子デザイン事務所がデザインを手がけたオーケストラの新しいロゴが導入されることも発表された。 ライナー・ホーネックの首席指揮者としての任期は3年。1シーズン5回の定期演奏会のうち3公演を指揮する。就任にあたってホーネックは「大変嬉しく光栄に思っています。オーケストラの刷新の一端を担うことは喜びであるとともに大きな挑戦でもあります。私ができることは35年にわたって演奏してきたウィーン・フィルでの経験を共有すること。長期的に特別で唯一の『紀尾井サウンド』を作っていきたい」とのメッセージを寄せた。 コンサートマスターの玉井は「メンバーから絶大な信頼と尊敬を集めているホーネックさんの名前が出たときは、この人しかいないという感覚でした。ご自身も©Chris Lee左より:山口真一(新日鉄住金文化財団制作部長)、町田龍一(同財団常務理事)、玉井菜採(紀尾井シンフォニエッタ東京 コンサートマスター) Photo:H.Yamada/Tokyo MDE

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