eぶらあぼ 2016.6月号
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60デ》の主題による幻想的変奏曲」とグリゼー「プロローグ」の2曲で60年代から70年代にかけての音楽シーンをたどる。田中吉史「ヴィオラとピアノの通訳によるL.B.へのインタビュー」は、ベリオへのインタビューを器楽で再現したもの。バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番(ヴィオラ編曲版)、シューマン「幻想小曲集」では、聴き手に爽快な後味を与えるシャープで理知的なアプローチが確認できよう。この間にエレクトロニクス(野中正行)との共演曲、ハーヴェイの「リチェルカーレ」が挟まる。 ピアノを担当するのはアンサンブル・モデルンのメンバーとしても活躍するウエリ・ヴィゲット。こちらも大胆かつ繊細、個性的なピアニストだ。ジュリアード弦楽四重奏団大御所クァルテットが聴かせる“古典”と“新作”文:寺西 肇東京オペラシティ Bビートゥーシー→C 笠川 恵(ヴィオラ)アンサンブル・モデルン唯一のヴィオリストが登場!文:江藤光紀6/9(木)19:00 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ問 京都コンサートホールチケットカウンター  075-711-32316/10(金)19:00 紀尾井ホール問 紀尾井ホールチケットセンター  03-3237-00616/28(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 http://www.operacity.jp 「新しい作品を偉大な作品かのように、偉大な作品をあたかも新しい作品のように演奏する」をモットーに、室内楽シーンに新たな地平を切り拓いて来た“アメリカの至宝”ことジュリアード弦 常に新しい可能性が模索される現代音楽では、演奏する側にも自在な編成・柔軟な対応力が求められる。一人ひとりがソリスト級の精鋭からなる現代音楽の世界的トップ集団アンサンブル・モデルンで、笠川恵は2010年より唯一のヴィオラ奏者として重責を担っている。 もともとヴァイオリンからスタートした笠川だが、今井信子との出会いをきっかけにヴィオラに転向する。ジュネーヴ留学中、現代曲の代演を引き受けたのが運命を変えた。以降、彼女はたびたびアンサンブル・モデルンに呼ばれるようになる。それは事実上の入団試験だった。 同グループでは、超難曲や他分野とのコラボは日常茶飯事。バッハと現代曲を組み合わせるB→Cのシリーズでは、「探求」を意味する“リチェルカーレ”をテーマに、そんな笠川の幅広い活動を凝縮したプログラミングになった。まずはバーグスマ「《トリスタンとイゾル楽四重奏団が、結成70周年を迎えた。節目に行うアジア・ツアーに携えるのは古典と新作が交錯する、彼ららしいプログラム。42年にわたって在籍してきたチェロのジョエル・クロスニックにとっては、メンバーとして日本の聴衆の前に姿を見せる、最後の機会ともなる。 1946年にジュリアード音楽院の学長で作曲家のウィリアム・シューマンの提唱で、同音楽院の教授らで組織され、メンバー交代で常に新鮮な感覚を入れてきた。これまでに新作初演から古典まで、500曲以上を取り上げ、100枚以上の録音を発表してきたが、明晰な作品分析に基づく知的な演奏という根幹だけは、決して揺らがない。2011年からは第1ヴァイオリンに俊英ジョセフ・リンが加入。名門集団は、新たなタームを迎えている。 今回のステージは、モーツァルトの第19番「不協和音」とドビュッシー、2つの佳品が大枠に。ここへ、アメリカの作曲家リチャード・ワーニック(1934~)による弦楽四重奏曲第9番の日本初演が挟み込まれる。この新作では、トーン・クラスターの手法や、ダンテ「神曲」の符牒を採り入れつつ、明瞭さや嘆きの感情が表現されると言う。また、今回が勇退ツアーとなるクロスニックは「日本での公演は、宝物のよう。その聴衆との出逢いは、忘れがたい経験を与えてくれた」とのメッセージを寄せている。©Simon Powis

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