eぶらあぼ 2016.6月号
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257スヴェトラーナ・ザハーロワ & ワディム・レーピンまさに“夢の共演”が実現! 文:渡辺真弓英国ロイヤル・バレエ団『ロミオとジュリエット』『ジゼル』旬のプリンシパルたちで魅せる物語バレエの真髄文:守山実花トランス=シベリア芸術祭 in Japan ザハーロワ&レーピン 6/15(水)19:00 ベイシア文化ホール 問 前橋市民文化会館027-221-43216/17(金)19:00 サントリーホール 問 AMATI 03-3560-3010ザハーロワ&レーピン「瀕死の白鳥」 ~マイヤ・プリセツカヤに捧ぐ~6/11(土) 17:00 愛知県芸術劇場コンサートホール問 中京テレビ事業052-957-3333『ロミオとジュリエット』 6/16(木)~6/19(日)『ジゼル』 6/22(水)~6/26(日) 東京文化会館問 NBSチケットセンター03-3791-8888 http://www.nbs.or.jp他公演 『ジゼル』 6/29(水) 福岡サンパレス(KBCチケットセンター092-720-8717)、7/1(金) 兵庫県立芸術文化センター(0798-68-0255)、7/6(水) ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ(084-928-1810)『ロミオとジュリエット』 7/3(日) 愛知県芸術劇場(CBCテレビ事業部052-241-8118) 世界バレエ界の女王スヴェトラーナ・ザハーロワとヴァイオリンの王者ワディム・レーピン。天才の名をほしいままに活躍する2人はプライベートでもカップルで、彼らが同じ舞台で共演するという夢のような企画がいよいよ日本でも実現する。公演は、東京と前橋がトランス=シベリア芸術祭の一環で、名古屋が昨年亡くなった世紀の舞姫マイヤ・プリセツカヤに捧げられたもの。 シルヴィ・ギエムの引退後、名実ともに世界のトップに君臨するザハーロワが踊るのは5曲。サン=サーンス曲の名作『瀕死の白鳥』のソロでプリセツカヤを追悼するほか、ネザーランド・ダンス・シアター出身のエドワード・リアンやロシアのウラジーミル・ヴァルナヴァなど気鋭の振付家たちの作品で旬の魅力を全開させてくれそうだ。最大の見どころは、やはりレーピンとの共演で、アルビノーニ作曲、リアン振付『オーボエ協奏曲』(ヴァイオリン独奏版)やバッジーニ 2016年上半期バレエ・シーンのハイライトとなるであろう英国ロイヤル・バレエ団の来日公演が、目前に迫ってきた。 英国ロイヤルは、慎み深く、気品ある“ロイヤル・スタイル”と演劇的な物語バレエの伝統を大切に保持してきたカンパニーとして知られるが、近年は気鋭の振付家たちに作品を委嘱、果敢にレパートリーを拡充している。 3年ぶりとなる今回の来日では、お家芸であるケネス・マクミラン版『ロミオとジュリエット』と、細やかな演出で劇的効果を高めたピーター・ライト演出『ジゼル』を上演。世界から集まった旬のプリンシパルたちが連日出演し、それぞれのドラマを織り上げていく。どちらの演目も、ダンサーの組み合わせによって様々な解釈の可能性が広がるので、どのダンサーで観るべきか、悩ましいところだ。 2作品ともに共演するのは2ペア。ローレン・カスバートソンとフェデリコ・ボネッリは、ロイヤル・スタイルを体現するカップルで、じわじわと想いが溢れ、作曲、ヨハン・コボー振付『妖精の踊り』では、これまで見られなかったような特別な化学反応が生まれることだろう。平山素子が「シンドラーのリスト」(録音)に振り付けた『Revelation』はザハーロワが愛着を持つソロだけに再演が楽しみ。共演はボリショイ・バレエのミハイル・ロブーヒンやモスクワ音楽劇場バレエのドミトリー・ザグレビン、日本の俊英たちによるフェスティバル・アンサンブル。ゴージャスなステージが見逃せない。私たちの心に迫ってくることだろう。一方ナターリヤ・オシポワとマシュー・ゴールディングならば、ダイナミックかつドラマティックに見せてくれるはず。 英国ロイヤル移籍後、あっという間に世界的なダンスール・ノーブルに駆け上がったワディム・ムンタギロフが今回組むのは、サラ・ラム(『ロミオとジュリエット』)とマリアネラ・ヌニェス(『ジゼル』)。パートナーにより、どんな化学反応が見られるのかも楽しみだ。 同じダンサーで2作品を観たり、異なるペアで同じ作品を観たり、自分なりのテーマを決めるのもよいだろう。左:ワディム・レーピン 右:スヴェトラーナ・ザハーロワ 『ロミオとジュリエット』Photo:ROH/Johan Persson『ジゼル』Photo:Bill Cooper

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