eぶらあぼ 2016.5月号
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62福原彰美 ピアノリサイタル vol.85/25(水)19:00 すみだトリフォニーホール(小)問 ムジカキアラ03-6431-8186 http://www.musicachiara.com福原彰あきみ美(ピアノ)「感謝」をテーマに、ピアノの魅力を届けたい取材・文:宮本 明Interview 2009年から毎年定期的にリサイタルを開催しているピアニストの福原彰美。今年活動拠点を日本に移し、5月のリサイタルが新たな一歩となる。 大阪出身。14歳のデビュー・リサイタルがライヴCD化されるなど早くからキャリアをスタートさせ、中学を卒業してすぐ、単身でサンフランシスコに渡った。 「最初は音楽高校に留学するつもりでしたが、すぐに大学の先生に師事した方がよいと勧められ、一般高校に通いながらサンフランシスコ音楽院のマック・マックレイ先生に師事しました」 サンフランシスコ音楽院を卒業後、ニューヨークのジュリアード音楽院修士課程へ。名チェリストのクリスティーヌ・ワレフスカと出会い共演を重ねるなどして活動し、米国で約15年を過ごした。 「アメリカで学んだのは、自分の音を見つけること。さまざまな文化が混在して個性を主張する人が多い国なので、自分を周囲と比べるのではなく、自分の課題は自分で解決するしかないと痛感しました。自分の音に集中する環境にいられたと思います」 リサイタルでは、バッハのカンタータからの編曲に始まり、シューマン(リスト編)の「献呈」、ブラームス「4つの小品 op.119」、ショパン「バラード」「スケルツォ」などを弾く。テーマは“感謝”だ。恩師たちに、家族や友人に。 「今回はまずこのテーマがあって、それに合った選曲を考えるうちにバッハに行き着きました。ケンプとエゴン・ペトリの編曲を1曲ずつ。譜面はシンプルですが、ピアノ曲として成立させるためにはタッチやペダルを奥深く考えなければなりません。それを楽しみながら弾いています。歌曲からの編曲の『献呈』も含め、いろんな要望に応えてくれるピアノという楽器の魅力が出ればいいなと思っています」 ブラームスは最晩年の曲であることから、どちらかといえば、セピア色の寂しいイメージを持っていたそうだ。 「でも、実はすごく作り込まれたスコアで、読めば読むほど寂しくなんかないんです(笑)。ものすごい力を感じて、いま夢中になっている作品です。ショパンは、彼自身が書いた教則本についての書籍などを読んで、もう一度やり直す気持ちで取り組んでいます。ずっとピアノを弾いていると、気づかないうちに自分の癖で弾いていた部分がたくさんあるんですね。ショパンのタッチがどれほど多様で、どれぐらい大胆に表現していたのか、想像し直しているところです」 感情の赴くままに弾かれるのとはまた違った、対象への主知的なアプローチ。どんなショパンになるのか大いに楽しみだ。5/12(木)14:00concert space Ginza SOLA問 Ginza SOLA 03-6264-4971http://ginza-sola.comconcert space Ginza SOLA 昼下がりのコンサート“都会のオアシス”に響くタンゴの調べ文:笹田和人concert space Ginza SOLA Ginza SOLAは東京・銀座にある、上質な響きと寛ぎの雰囲気を生み出す、スタイリッシュなコンサート・スペース。グランドピアノが置かれた約60席の空間からは、銀座の美しい街並みが一望でき、ジャンルを超えた様々な音楽と共に、併設されたバーコーナーで喉を潤すこともできる。そんな“都会のオアシス”を思わせる、素敵な場所を舞台にスタートしたのが、毎月12日の午後2時から開催される『昼下がりのコンサート』。タンゴピアニストの松永裕平が、情熱的なタンゴの調べはもちろん、「ひまわり」「慕情」「シェルブールの雨傘」といった映画音楽まで、一度は聴いた経験のある、美しいメロディの数々を紡いでゆく。松永は国立音楽大学を卒業後、古典タンゴに軸足を据えて自身のグループを組織する一方、ソロでも活躍し、バンドネオンの小松亮太らとも共演。『NHK歌謡コンサート』では歌手のクミコと共演するなど、その活動が注目されている。多彩かつ美しいハーモニーが彩る午後のひとときは、リスナーにとって、きっと大切な宝物になることだろう。松永裕平

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