eぶらあぼ 2016.5月号
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60©Wataru Nishidaキッズのためのはじめての音楽会7/30(土) 10:30 13:30 浜離宮朝日ホール(小)問 朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990 http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu奥村 愛(ヴァイオリン)子どもたちの“クラシック音楽体験”への第一歩に取材・文:飯田有抄Interview 幼少期からコンサートやクラシック音楽に親しみを感じて育ってほしい。そんな思いから人気ヴァイオリニスト奥村愛がプロデュースしている『キッズのためのはじめての音楽会』が、今年も浜離宮朝日ホールで開催される。主に未就学児が楽しめる内容で、0歳児から入場可能なコンサートのスタートは2008年だった。 「当時4歳だった私の娘が通う幼稚園で、お母さんたちがクラシック音楽を子どもに聞かせてみたいけれど、コンサートへはちょっと…という声がありました。もともと私はアウトリーチで幼稚園や保育園で演奏した経験があり、子どもたちの素直な反応がとても嬉しく楽しかったので、キッズ向け音楽会を立ち上げました」と振り返る。 曲目やトーク内容、楽器編成などについて試行錯誤を重ね、幅広いレパートリーに対応できる現在の編成メンバー(前田尚徳vn、山田那央va、奥村景vc、小柳美奈子p、小林洋二郎pc)に落ち着いた。 「クライスラーの『愛の喜び』やベートーヴェンの『エリーゼのために』などの名曲メドレーや、ヴァイオリン独奏曲は毎年必ずプログラムに入れています。今年はベートーヴェンの交響曲『運命』や、ビゼーの『カルメン組曲』のアレンジ版もお届けします。また、子どもたちが童謡を歌って参加できるコーナーや、当コンサートのくまのキャラクター『おんのすけ』と一緒に巡る音楽の世界旅行も企画中です。山田さんや小柳さんの柔らかな笑顔や、『体操のお兄さん』のような小林さんの面白トークが会場を盛り上げます。子どもたちを引き込むステージを作るべく、メンバーは反省会が大好き(笑)。仲間たちとさまざま意見を出し合って、今年もとにかく『楽しかった!』と感じてもらえるように工夫を凝らしているところです」 客席にはリピーターの親子連れが多い。 「『去年はまだ下の子がお腹の中にいたけれど今年は一緒に来られました』とか『3歳になった今年は1歳の頃よりも上手に聞けました』といった、お子さんの成長を実感する親御さんの声が届くのも嬉しいですね」と自身も子育て中のお母さんらしい笑みを見せる奥村。会場には授乳やオムツ替えスペース、飲食についてのアナウンスなどママたちへの応援体制もバッチリだ。 「小さな頃のコンサート体験があるかないかで、大きくなってからのクラシック音楽に対する思いは違ってくるのではないかと思います。導入の第一歩を楽しんでいただき、次の音楽経験へとつながってくれたら嬉しいですね」6/25(土)14:00 横浜能楽堂問 横浜みなとみらいホールチケットセンター045-682-2000 http://www.yaf.or.jp/mmhジャン=ギアン・ケラス(チェロ) シルクロード・プロジェクトケラスと中東&邦楽器との出会い文:オヤマダアツシジャン=ギアン・ケラス ©大窪道治 来日すれば売り切れ必至のチェリスト、ジャン=ギアン・ケラスを横浜の能楽堂で。バッハかコダーイか、それともブリテンか…と思いがちだが、まさかの“ワールド・ミュージック仕様”のプログラムに驚く。民族楽器または古楽器を操る4人の音楽家たちと共演して聴衆に問うのは、時空やジャンルを攪拌して生み出した異空間だ。 「シルクロード・プロジェクト」と題されたコンサートでは、J.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」から現代のマルコ・ストロッパ、藤倉大、鶴見幸代などの作品を(鶴見作品は今回のアンサンブルのために書かれた新作)。さらにはケラス自身が魅了された中東エリアの民族音楽(ザルブやダフというイランの打楽器など)や日本の尺八がミックスされ、即興も交えた斬新な演奏が繰り広げられる。しかも会場は能楽堂であるため、「こんなケラス、聴いたことがない!」と驚き、未知の響きに酔うコンサートになるだろう。
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