eぶらあぼ 2016.5月号
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183コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報日程・演目・出演者等、変更になる場合があります。ご了承ください。7月+「夏の音楽祭」(その1)の見もの・聴きもの曽そし雌裕ひろかず一 編 本号と次号では、例年通り、夏の音楽祭を中心としたコメントを掲載しますが、スペースの関係で取り上げられなかった音楽祭もあります。ご容赦のほどお願いいたします。●【7月の注目オペラ公演】(通常公演分) ベルリン州立歌劇場で、毎年シーズン最後の頃に行われる「インフェクション! 現代ムジークテアーター・フェスティバル」は、現代オペラの企画として個人的には非常に注目すべきものと思うが、一般的にはお薦めしにくい公演かもしれない。夏はワーグナーというわけではないが、ライプツィヒ歌劇場やフランクフルト歌劇場でのワーグナー「リング」公演は相変わらずの注目公演(しかしワーグナー・ツィクルス上演はチケットが取りにくい)。御大ドミンゴは、7月のヨーロッパでは、ミラノ・スカラ座の「シモン・ボッカネグラ」(5/8日)、マドリード・テアトロ・レアルの「2人のフォスカリ」(12/15/18日)に出演する。また、ワーグナーの記述ばかりになってしまって恐縮だが、バーデン・バーデン祝祭劇場でのゲルギエフ指揮の「ワルキューレ」(演奏会形式)の他、本文では取り上げられなかったが、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールでは、7月1日と3日にオペラ・ノースの公演で、ワーグナーの「ジークフリート」と「神々の黄昏」といった上演もある。●【7月の注目オーケストラ公演】(通常公演分) 7月のオーケストラ公演(通常公演)としては、ロトの指揮するケルン・ギュルツェニッヒ管、デニス・ラッセル・デイヴィスの指揮するベルリン・コンツェルトハウス管(フィリップ・グラスのヴァイオリン協奏曲が演奏される)あたりがちょっと玄人好みの注目公演というほかは、敢えて取り上げておくべきものは今年に限ってはなさそうだ。●【夏の音楽祭】(7月分)〔Ⅰ〕オーストリア 湖上オペラが有名な「ブレゲンツ音楽祭」、今年上演されるのは昨年に続いてのプッチーニ「トゥーランドット」。指揮者には今や主要歌劇場引っ張りだことなったカリニャーニが今年も登場する。一方、祝祭劇場の方は、同じカリニャーニの指揮で、19世紀後半の作曲家であるフランコ・ファッチョの「アムレット」が上演される。シュティリアルテ音楽祭は、本来の目玉は、アーノンクールとウィーン・コンツェントゥスムジクスによるベートーヴェン交響曲全曲演奏であったが、ご承知のとおり、今年は故アーノンクールを追悼するための音楽祭になってしまった。だが、最近のこの音楽祭の定番であるエマールのピアノ・リサイタルや、サヴァールによる企画ものの演奏会(今年はスペイン系ユダヤ教徒の音楽やアフリカ・中南米の音楽等を含む)は健在。「ザルツブルク音楽祭」は、T.アデスの新作オペラ「皆殺しの天使」、ダントーネ指揮のモーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」、ウェルザー=メスト指揮のR.シュトラウス「ダナエの愛」といったオペラ関係が面白そう。イザベル・ファウストによるバッハの無伴奏ヴァイオリン曲集も重要。〔Ⅱ〕ドイツ 7月のドイツの中心的な音楽祭といえば、まずは「ミュンヘン・オペラ・フェスティバル」。昨年までバイロイト音楽祭出演のため、音楽監督でありながらミュンヘンでのこの音楽祭に登場しなかったキリル・ペトレンコが、ついに満を持して「トスカ」、「南極」(曲:スルンカ)、「ばらの騎士」、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の4つの演目を振る。特に、一昨年、ウィーン国立歌劇場に客演してクライバー以来の興奮と現地評でも評されたR.シュトラウスの「ばらの騎士」と、音楽祭最終日を飾るワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、世界中から多くのペトレンコ・ファンが駆けつけるに違いない。久々活況を呈しているミュンヘンだ。 一方、ペトレンコの出演しなくなった「バイロイト音楽祭」で、ペトレンコの代わりに「リング」を振る指揮者はマレク・ヤノフスキ。彼もペトレンコとは違った意味で非常に熱いワーグナーを作り出してくるに違いない。また、今年の新制作公演である「パルジファル」は、タイトルロールに人気者テノールのフォークトが出演することもあり、チケットの売れ行きは今年の「バイロイト」随一で、手に入れることのできた人は大変ラッキーだ。また「シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭」開幕演奏会以降、ヘンゲルブロックの指揮する「ハンブルク北ドイツ放送響」は名称を変更して「NDRエルプフィル」となる。2016/17シーズンからこの名称で演奏会が行われるのでご注意いただきたい。また、この音楽祭に加えて、日本では今のところ全くライヴで聴くことのできない注目のピアニスト、グリゴリー・ソコロフが「ラインガウ音楽祭」や「キッシンゲンの夏音楽祭」にも登場するので、是非機会のある方はお聴きになることをお薦めする。なお、ドイツにも関わらず、バート・ヴィルトバートで行われる「ロッシーニ・イン・ヴィルトバート」という音楽祭ではロッシーニの意欲的な企画・公演が毎年展開されるため、近年ロッシーニ・マニアには非常に注目されている音楽祭。〔Ⅲ〕スイス かつてチューリッヒ歌劇場やチューリッヒ・トーンハレ管のシーズン最後(7月)を飾った「チューリッヒ音楽祭」は、最近では6月中に、より範囲を拡大した総合芸術フェアと性格を変えてしまった。そのため、これらの劇場やオーケストラの7月の公演は通常公演との位置づけと言える。その通常のラインナップの中で、指揮のルイージを中心とした手堅い演目が並べられている。スイスのその他の7月中の音楽祭としては、グスタードの「メニューイン音楽祭」(www.gstaadmenuhinfestival.ch/)、ヴェルビエの「ヴェルビエ音楽祭」(www.verbierfestival.com/)などが挙げられる(詳細はHPをご参照下さい)。〔Ⅳ〕イタリア イタリアではローマ歌劇場の夏の企画である「カラカラ劇場」でのオペラ公演が面白い。また、本文で触れた音楽祭の他では、「マルティナ・フランカ音楽祭」が例年意欲的な曲目選択で、玄人好みの音楽祭路線を今年も継承している。簡単な内容は次のHPでご確認いただきたい(http://www.festivaldellavalleditria.it/FestivalItriaManager//File/news/000066/allegati//cartolina_FESTIVAL_2016.pdf)。〔Ⅵ〕フランス 「ボーヌ・バロック音楽祭」は、相変わらず古楽系随一の夏の音楽祭。今年もルセ、ダントーネ、ピチョン、マクリーシュ、クリスティ、エキルビーといった有名指揮者に加えて、歌手陣も充実。全体を通じて全て◎レベルの注目公演と見て間違いはない。「エクサン・プロヴァンス音楽祭」は、サロネン指揮のドビュッシー「ペレアスとメリザンド」が、歌手にドゥグー、ハンニガン等を配した大注目公演。サロネンは、他にもストラヴィンスキーの「エディプス王」(ピーター・セラーズ演出)や演出付の「アゴン」など意欲的な上演を行う。「ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル」(www.festival-piano.com/)の詳細は4月下旬発表とのことなので、これもぜひHPでご確認いただきたい。ピアノ好きには必見・必聴の音楽祭。〔Ⅷ〕イギリス 〔Ⅸ〕北欧 イギリス「グラインドボーン・オペラ・フェスティバル」、フィンランド「サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバル」では、前者でヤクブ・フルシャ、後者でトマーシュ・ハヌス(2-3月に新国立劇場で「イエヌーファ」を指揮)と、日本でも馴染みのあるチェコの若い指揮者たちがヤナーチェクの重要な棒を任されている。なお、イギリス(ロンドン)で7月15日から始まる「プロムス」については、演目発表が4月13日、チケット発売が5月7日ということなので、ご留意いただきたい(www.bbc.co.uk/proms)。(以下次号)(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)2016年7月の

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