eぶらあぼ 2016.4月号
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50行ったとのこと。 「空から森や湖、フィヨルドなどを眺めながらのフライトは最高です。原生林には(戯曲に出てくる)山の精トロルの気配がしたし、結婚式のシーンを彷彿させるところもありました」 「ペール・ギュント」は新国立劇場合唱団、ソールヴェイにノルウェーの歌姫ベリト・ゾルセットらが出演。日本語字幕、俳優・石丸幹二の語り付き。©Rainer Maillard/DGミハイル・プレトニョフ(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団 グリーグ:劇付随音楽「ペール・ギュント」全曲4/24(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール、4/25(月)19:00 サントリーホール4/27(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522 http://www.tpo.or.jpミハイル・プレトニョフ リサイタル&コンチェルト【協奏曲の夕べ】 7/1(金)19:00 【リサイタルの夕べ】 7/6(水)19:00東京オペラシティ コンサートホール問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 http://www.japanarts.co.jp※全国公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。ミハイル・プレトニョフ(指揮/ピアノ)“音楽家”プレトニョフの新たな境地取材・文:那須田 務Interview 現代最高のピアニストの一人でありながら、しばらく指揮活動に専念していたミハイル・プレトニョフ。2014年に行われたリサイタルでは、7年間の演奏活動休止が信じられないほどのヴィルトゥオジティでファンを喜ばせた。 「ピアノを休んだ理由は『弾きたいと思うピアノ』がなかったからです。それが、シゲルカワイ・フルコンサート『SK-EX』というピアノに出会って、新たな意欲が掻き立てられたのです」 「今はとても気持ちがいい。やっとピアノを弾いて満足できる域に達したかな」と謙遜する。復帰後はそれ以前と音楽作品に対する感じ方が違うのだろうかと聞くと「人は7年ごとに変化するんです」とニヤリ。 「いや、人は変化し続ける。人生とはそういうものではないですか。それに伴って物事の見方や音楽の解釈も変わります」 そんなプレトニョフが7月に東京フィルとの協奏曲の夕べ(スクリャービンとラフマニノフ第2番)とリサイタル(モーツァルトやグリーグなど)を行なう。 「スクリャービンはまさに変化し続けた人でした。彼の協奏曲は若い頃の魅力が良く出ている。実はラフマニノフのピアノ曲はこれまであまり弾いてこなかったのですが、改めてその素晴らしさを実感しています。いい演奏をお聴かせしたい。モーツァルトは子供でも弾けますが、理解するか否かは別。人生の経験次第です。でもどれだけ長く生きたかではなく、何を経験してどう感じたかが問題なのです。しかもそれを表現する能力がなければならない。モーツァルトにはそれがありました」 指揮者としての活動にも注目だ。4月には東京フィルを振りグリーグの劇付随音楽「ペール・ギュント」の全曲演奏を行なう。 「グリーグはピアノ曲も含めて大好きです。きわめて多様であると同時にノルウェーの民族音楽の魅力に溢れている。イプセンの戯曲は傑作です。人生そのものを描き、生きることの意味を問いかけている。哲学的で深淵な意味がありますが、精神的な事柄を良く理解できる日本の皆さまにはよくお分かりになるのではないでしょうか。そこにグリーグはただ美しいだけではない、非常に深い音楽をつけたのです」 最近、ヘリコプターを自身で操縦してロシアから作曲家縁の地ベルゲンまで5/6(金)19:00 東京文化会館(小)問 及川音楽事務所03-3981-6052 http://maki-nao.comレ・クロッシュ ~ピアノ&チェロの世界~姉弟が運ぶヨーロッパからの爽やかな風文:笹田和人 2人の紡ぐ“鐘の音”が、再びヨーロッパの爽やかな風を運んで来る。ピアニストの姉・宇宿真紀子とチェリストの弟・宇宿直彰によるデュオ「レ・クロッシュ」が開く、春のリサイタル。 共に幼少時に渡仏し、パリ高等音楽院に学んだ姉弟は、ルエイユ・マルメゾン音楽院大学院でそれぞれの専門であるピアノ科とチェロ科に加えて、室内楽科でも研鑽を積み、共に首席で卒業を果たした。修了後は、ヨーロッパ各国や日本国内でソリストとして活躍する一方、フランス語で“鐘”を意味するグループ名「レ・クロッシュ」のもと、精力的なデュオ活動を展開。 恒例の春のステージは、心待ちにするファンが特に多い。今回は、ブラームスのチェロとピアノのためのソナタ第1番をはじめ、トスティ「夢」やフォーレ「夢のあとに」をデュオで。さらに、直彰がバッハの無伴奏チェロ組曲第2番、真紀子がシューマン「アベッグ変奏曲」やフォーレ「ワルツカプリス」と、それぞれがソロ曲も披露する。
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