eぶらあぼ 2016.4月号
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40東京・春・音楽祭 ―東京のオペラの森2016―3/16(水)~4/17(日)  東京文化会館、上野学園 石橋メモリアルホール、国立科学博物館、東京国立博物館 東京都美術館 他問 東京・春・音楽祭チケットサービス03-3322-9966 http://www.tokyo-harusai.com※最新の公演情報は上記「東京・春・音楽祭」ウェブサイトでご確認ください。 いよいよ開幕した「東京・春・音楽祭」。今年も上野の東京文化会館や博物館・美術館などを舞台に、数多くの公演が約1ヵ月にわたって開かれる。これからでも間に合う公演のなかから、いくつか聴きどころをご紹介しよう。 まず筆頭に挙げたいのは、今年の音楽祭の掉尾を飾る「合唱の芸術シリーズ vol.3 デュリュフレ『レクイエム』」(4/17 東京文化会館)。例年、合唱曲の醍醐味を伝えるべくさまざまな作品がとりあげられている同シリーズだが、今回はフランスの作曲家デュリュフレの代表作である「レクイエム」が演奏される。20世紀が生んだもっとも清澄で抒情的なレクイエムといってもよい傑作である。イギリスの気鋭レオ・フセイン指揮による東京都交響楽団と東京オペラシンガーズらが高水準な演奏を聴かせてくれることだろう。独唱はロクサーナ・コンスタンティネスク(メゾソプラノ)とクリストファー・マルトマン(バリトン)。東京文化会館大ホールが天上のハーモニーで満たされる。 この音楽祭の名物となった「東京春祭マラソン・コンサートvol.6」は、「Variations(変奏)―変容する音楽」をテーマに掲げる(4/3 東京文化会館・小)。11時開演の第Ⅰ部から、19時開演の第Ⅴ部まで、各回約60分のコンサートによって、音楽史を彩るさまざまな「変奏」に焦点が当てられる。ひとつの主題をもとに次々と形を変えながら多彩な表情を生み出すのが変奏の魅力。一日どっぷりマラソン・コンサートにつきあえば、古今の作曲家たちの変奏の技法に精通できるかも。小宮正安の解説付きなので、「変奏ってなんのこと?」という方でも大丈遂に開幕! 今からでも間に合うおすすめ公演!夫。通し券も各回券も用意される。 現代音楽とベートーヴェンを組み合わせる「ポリーニ・プロジェクト〜ベリオ、ブーレーズ、ベートーヴェン」も興味深い好企画だ(4/14,4/15 東京文化会館・小)。今年1月に世を去ったピエール・ブーレーズに敬意を表し、「ブーレーズ追悼公演」と銘打ち二夜にわたって開催される。ピアニストのポリーニがプロデュースする企画で、出演はジャック四重奏団(両日共通)と、ヴィオラのクリストフ・デジャルダン(第一夜)、クラリネットのアラン・ダミアン(第二夜)他の名手たち。両公演ともベリオのセクエンツァと、ブーレーズの「弦楽四重奏のための書」より、そしてベートーヴェンの弦楽四重奏曲から一曲というプログラム構成になっている。ベートーヴェンは第一夜が弦楽四重奏曲第10番「ハープ」、第二夜が同第16番。古典と現代作品を並置することで初めて得られる発見も多いはず。 フレッシュな共演が実現したのは、「ウェールズ弦楽四重奏団〜アレクサンダー・ロマノフスキーを迎えて」(4/8 東京文化会館・小)。今年結成10年を迎えるウェールズ弦楽四重奏団によるモーツァルトの弦楽四重奏曲第2番とドビュッシーの弦楽四重奏曲、さらにピアノ界の貴公子とも称えられる名手ロマノフスキーとの共演によるドヴォルザークのピアノ五重奏曲という聴きごたえのあるプログラムが組まれた。 恒例のミュージアム・コンサートでは、東京都美術館での「若冲展」プレ・コンサートに注目したい。「モーツァルトと若冲―音楽の冗談」(4/6)と「ヴィヴァルディと若冲―生きものたちの楽園」(4/14)の2公演が開かれる。若冲展と併せて楽しみたい。東京・春・音楽祭 ―東京のオペラの森2016―文:飯尾洋一ロクサーナ・コンスタンティネスク ©Marius Baraganクリストファー・マルトマン ©Pia Clodiジャック四重奏団 ©Stephen Poレオ・フセイン ©Marco Borggreve

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